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鷹のぼせの独り言

成毛眞著『本棚にもルールがある』を読んで親父の本棚を思い出した

2015.08.02 01:39

家に古くからあった本棚

私は幼少の頃より本を読むのは好きでした。歴史とくに戦国時代に興味があり「豊臣秀吉」の伝記から始まり、「織田信長」「徳川家康」と続いていくパターンで読書に興味を持ちました。この3大武将の伝記を読んで歴史好きになった、という人たちは多いのではないでしょうか。 私の実家には古い本棚がありました。その本棚は私が読んだ本を下段から並べ埋めていきましたが、上段にいくにつれて親父の本が並んでいました。本棚を見上げては「お父さんは一体どんな本を読んでいたのだろう」と子ども心に興味を持っていました。子どもの私に一番目についたのが山岡荘八著の『徳川家康』でした。この著作は家康の波瀾万丈の人生を、誕生時から臨終まで描いた全26巻の大作でした。 しかし我が家の本棚には1巻から10巻までしかありませんでした。 「途中で読むのを投げ出した?」 ふとそんな疑念が浮かびました。面白くなくなったのか、あるいは飽きてしまったのか、当時はその理由を知るよしもありませんでしたが、とにかく我が家には全てが揃っていなかったのです。  

母から聞いた真実

そんな私が高校生になった頃、母より父の若かりし頃のことを初めて聞きました。 昔、父は石油関係の事業をしていたそうです。起業した当初は順調でかなり羽振りが良かったそうです。しかしふとしたところから綻びが生じ、事業に失敗。完全に失職には至らなかったとのことですが、給料は以前の6分の1まで減少したそうです。 兄、姉もまだ幼く、そんな危機的な家計状況の中で生まれてきたのが私だったそうです。 『徳川家康』はまだ羽振りが良い頃に、父が購入していた本でした。しかし事業に失敗し、泣く泣く買い控えたとのことでした。 父の毎日の努力のお陰で、決して贅沢は出来ませんでしたが、私は何一つ不自由なく育つことが出来ました。 高校生になって父の過去を知り、父が読むのを断念せざるを得なかった『徳川家康』を読破しよう、と決意しました。当時は既に文庫本が出ていましたので、単行本しかなかった父の時代よりは高校生の小遣いでも十分に買うことが出来ました。 書店で第1巻を手にした時の興奮は今でも忘れられません。『剛毅と智謀を兼ね備えて泰平の世を拓いた家康の生涯を描いて、現代人の心に永遠の感動を刻む世紀の大河ドラマ発端篇』とあります。「剛毅と智謀」のフレーズにすっかり酔ってしまい、以後は通学の電車の中で読みまくりました。大学受験を控えていたので、スピードはそこまで早くありませんでしたが、足掛け2年で全26巻を読破しました。  

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本棚は家族の歴史を教えてくれる

我が家では上記のような経緯があり、本棚にどんな本を並べているかは家族にとっても非常に大切だと思いました。最近成毛眞さんの『本棚にもルールがある』を読みました。そこには「本棚に入れる本の基準は、自分がどう見られたいか」であると述べてあります。  
本棚に並べる本は、多少あざとく選ばれるべきだ。本棚を見た人がどういう印象を抱くかを考慮するのだ。面接で愛読書を問われたとき、本当に好きなのはライトノベルであってもそれは口にせず、代わりにマーケティングの名著を挙げることもあるだろう。それは、自分がそういった本を読む人間だと思われたいからだ。本棚に並べるべき本とは、面接で答える愛読書だ。自分がどう見られたいかを物語る本である。
  すなわち、本棚に並べる本は自分の理想・目標であっても良いと思います。特に子どもたちが「親父は若い時どんな本を読んでいたのだろう」と興味をもって本棚を眺める時期が必ず来ると思っています。家族のためにも本棚をきちんと整えておくことは大切だと思いました。 電子書籍が手軽に読める現代では、子どもたちが同じような経験をする機会は少ないかもしれません。スマホタブレットで同期していて、家族が今どんな本を読んでいるかがわかるように設定しているのならば話は別ですが… 本棚は人生の縮図だと思います。どんな本を読んできたかは、どんな人生を送ってきたかを示しています。   成毛さんは「サイエンス」「歴史」「経済」の入っていない本棚は、社会人として作ってはならない、と述べています。これらの本は様々な事象に対して俯瞰的な視点を持つきっかけになるはずだからです。 私は昔から読み継がれてきた本、いわゆるロングセラーや名著と言われるものは紙の本で購入し本棚に並べ、少し軽めのビジネス本やフィクションは電子書籍で購入するようにしています。 本書は本の選び方から始まり、並べ方、アウトプットの方法まで述べており、行動するために読書を日常としている方へお薦めです。  

本棚にもルールがある---ズバ抜けて頭がいい人はなぜ本棚にこだわるのか

• 作者: 成毛眞

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     以上、鷹のぼせの独り言でした。