「請求書1枚作るのに15分もかかるんですよ!」
「請求書1枚作るのに15分もかかるんですよ!」
ええ。かかりますよ。
非難、卑下、文句といて発せられる初めのセリフ。
部下や後輩の仕事が出来ない様子を非難したくて、 または、自分の事務能力の無さに呆れて、 言っているのだと思います。
しかし、請求書発行、1枚15分くらいかかりますよ。
まとめて同じものを10枚だったら、15分で10枚できるかもしれません。
1枚1分くらいです。プリンターの能力的に無理かもしれませんね。 メール送信だとしても、うーん、添付ファイルがあったりして1分くらいかかりますよね。
まず、そのことを確認していただいた上で、次のポイント。
通常、請求書とは、相手も違う、金額も違う、支払期日も違う、振込先も違うなど、多くの条件があるものです。 初めて発行する相手の場合なら、当然 相手先の社名 担当者名 商品名 金額 納期の条件 支払期日 振込先口座 指定したい振り込み名義 などなど、確認することがあります。 金額が税込みか税抜きか、曖昧な指示では請求書は発行できません。 支払期日も決めていなければ、 契約書をこれから結ぶのか?もう条件が決まっているのか? 毎月固定の請求がこれから発生するのか? 現金なのかクレジットカード払いなのか? 何回目かからは口座振替の手続きを同時にするのか? そういうことをキレイをまとめて指示できる上司や営業はあまりいないように思います。
いいんです、だから書類作成のプロがいるのです。
営業や経営のプロと事務のプロは別の人が配置されていれば、いいのです。 自分が15分でできないくせに、部下に15分かかっても遅いと言うな、 と言っているのではありません。 自分は15分でできないから、事務のプロに請求書発行を頼んでいる、そのプロでも1枚は15分かかる、と知っておいてください。
フォーマットが決まっていて、毎月やっている仕事なら、15分で5枚くらいできます。
1枚3分です。これ、相当速いです。
請求書を発行するとき、 コンピュータの電源入れるところから、 アカウントのログイン。 社内共有サーバにあるとしたら、そのログイン。 経理系の書類やソフトにはさらにセキュリティパスがかかっているはずですので、そのログイン。 インターネットを利用してファイル共有していればインターネットの接続。 エクセルやスプレッドシートの起動。 ここまできて、やっと入力です。 そして営業さんなどから与えられる情報はいつも不十分なので、調べたり確かめたりします。 打ち込み終わったら、プリントまたはPDFファイルに変換して保存しますが、 パソコンが違えば、少し印刷設定が違ってしまう、プリンターによっても少し違う、元のファイルがMac産かWindows産かでまた少し違う、OSのバージョンやソフトのバージョン、使っているブラウザでも、みんな少ーしずつ違うんです。
だからその調整をしてやっと提出できる状態。 請求書作りは提出して終わりではなく、入金予定表や売上表などへの確認、入力、報告もあります。 そして郵送なら送付状も作って、宛名も書いて、切手を貼って、ポストまで行きます。 メール添付で良いとしてくれる会社も増えましたが、メール文章を書いて、宛先メールアドレスを確認するのは、同じです。 ここまでを3分でやってくれるって、相当速いと思いませんか? 月に1回しかない相手先なら、 フォーマットがあっても、覚えてはいませんから、確認に時間もかかります。 15分かかっても、おかしくないと思いませんか?
事務のプロには事務のプロの能力を最大に発揮するために、必要な時間がかかるのです。
かかっていいのです。