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鷹ノ巣山(たかのすやま)六ツ石山から登ってみよう。

2018.05.12 15:00

鷹ノ巣山は標高1737mで、奥多摩湖側との標高差は1214mもあります。ブナの木をはじめ広葉自然林で溢れる道や頂上の大展望で登山者に感激を与えます。

今回のルートは奥多摩湖の水根から六ツ石山へ登り、そこから石尾根という稜線を歩いて鷹ノ巣山を目指しました。前回は「水根~六ツ石山」の登山を紹介したため、今回は六ツ石山から鷹ノ巣山までの登山を紹介したいと思います。

奥多摩湖の水根から六ツ石山までの登山をチェックしたい場合は、上の記事(前回の記事)を参照してみて下さい。

水根から六ツ石山頂上まで到達に必要な時間は、標準で2時間半程度とされいています。六ツ石山頂上でしっかりと休憩し、北側の斜面を降りていきます。

頂上の北側へ降り始めてから5分程度のところに六ツ石山分岐点がありました。自分が歩いてきた榛ノ木尾根が石尾根というルートにぶつかる地点です。

石尾根は奥多摩最大の尾根で、左に行けば鷹ノ巣山・七ツ石山・雲取山を縦走できます。右に行くと狩倉山・三ノ木戸山を縦走して奥多摩駅まで歩くことができます。石尾根はテントを持って登山をする登山客も多くなっています。

では、左の方を見ると、奥多摩最大級のはずがそれほど道幅が広く感じません。

石尾根にはたくさんの倒木がルートの障害物となり、それを跨いだり潜ったりしながら奥へ進みます。

太陽が出ていても、広いところへ出ても、誰とも会わずに静かな森の奥を進んでいると緊張感が強くなってしまいます。


30分程度で2つ目の分岐地点へ到着しました。ここで不思議に思うのが尾根という案内がありながら道が斜面にあること。じつは右側のルートが本当の石尾根であり、もっと高くて広い道を歩くことができます。私は知らずに左側を選択しました。

ひたすらこのような道を進むことになり、景色を見ながら休憩をしていました。上の方からも人の声が時々聞こえて来るため2つの登山道が並行していることがすぐに分かりました。では、こっちのルートのメリットって?

こっちのルートには、ブナの木をはじめ大きな広葉樹を見ることができました。奥多摩は東京都が管理するスギ・ヒノキが多い中、大きなブナの木が見える場所は少なくなっています。東京では奥多摩湖を挟んで向側の三頭山でも多く見ることができます。このような木の上からは聞いたことのない鳥の声がたくさん聞こえてきました。

2つ目の分岐地点から30分程度で3つ目の分岐地点へ到着します。左へ曲がると水根沢林道で奥多摩湖のスタート地点へ戻ることができます。榧ノ木尾根を選択した場合、榧ノ木山・倉戸山を縦走して奥多摩湖の倉戸バス停前に下山できます。

この写真は奥多摩湖の水根から登る途中に見た「水根沢林道」の入口です。地図を見ると分かりますが、他の山々を縦走せずに最短ルートで鷹ノ巣山まで登山できることになります。

15分歩くと、急カーブのところに4つ目の分岐地点がありました。ここは、榧ノ木尾根にぶつかる場所で、右側に行けば標高が上がり鷹ノ巣山、七ツ石山、雲取山へ繋がっています。

写真を撮ることはできませんでしたが、5匹の大きな鹿たちがすごい速さで降りていきました。5月や6月は冬眠から覚めた動物たちがお腹を空かせて森の中を駆け巡る季節になります。そのため、高い山や人の少ない山には鈴を着けて登るだけでも動物との接触を回避しやすくなります。(私は着けていませんでした…)

さらに10分進むと、5つ目の分岐地点に到着しました。

案内標示を見ると、やはり私は石尾根よりも下にあるルートを歩いていたことが分かりました。帰りは今のルートを歩くのではなく、左右に伸びている石尾根を通って下山しようと思いました。

縦走ルートの魅力はスタートからゴールまで様々な景色や自然に出会えること。しかし、自動車で登山に来た場合、スタート地点の駐車場へ戻らなければ帰宅できません。そういった時、旋回ルートを使用する登山者が増えています。下山の場所は同じでも、往路と復路を変えることで景色や自然を多く楽しむプランです。

急斜面を登っている時や下りている時、景色よりも足元に視線を集めてしまいます。しかし、石尾根は幅が広く足場の不安定な場所が少ないため、遠くの景色を堪能しながら歩けます。

石尾根に出てからすぐに山頂が見えてきました。登山の面白いのは、目の前に見えてもすぐには到着しないところです。この写真を見てあと何分程度で到着すると思いますか?

横を見ると富士山が大きく見えました。まだ7・8合目よりも上が白く見えます。

鷹ノ巣山の山頂に近づくにつれてこのような斜面が増えてきます。岩に足をかけるよりも土や砂の斜面を登る方が滑りやすいため、こういった場所ではスピードを求めることができなくなります。

後ろを見ると登山者たちが軽快に斜面を下りていますが、斜面には滑った跡がたくさんあるため焦らずに慎重に登り降りすることをお勧めします。

広々とした山頂で多くの登山者たちが休憩していました。

少し遠回りになってしまいましたが、六ツ石山の山頂から2時間10分、奥多摩湖のスタート地点から4時間40分で到着しました。鷹ノ巣山の山頂でスマートフォンを取り出すと、圏外という文字が出ていました。こういった山は少なくありませんが、どうやって緊急時を対応していけばいいのか分からなくなります。

鷹ノ巣山頂上の西側へ降りて行くと大きな鷹ノ巣山避難小屋があります。避難小屋のため、宿泊料金はありません。水、トイレもあるためそこへ避難し安全を確保する方法もあります。また、テントを持たない人が体力を回復するために使用することもあります。こういった場所にはWiーFiや携帯電話の電波が届いていることがあります。

鷹ノ巣山の山頂からは南側180°の展望が気持ちよく見えます。標高は奥多摩の中でも3本指に入るため、雲取山の登山に自信がない方は、ここを登ることで同じような展望や達成感をつかむことができます。

これは南向きです。三頭山や御前山をはじめ、奥多摩周辺にある山々が見えます。

これは南東側です。六ツ石山や大岳山・御岳山が見えます。鷹ノ巣山の隣に並ぶ有名な山は七ツ石山で石尾根を縦走します。七ツ石山からは日本百名山の雲取山を目指すことができるため、ここは雲取山を登山するための通過地点として多く使用されています。

頂上とスタート地点の温度差があったため、休憩時間は長くとらずにすぐに下山の準備をしました。

往路とは違う石尾根で南東側へ下りました。

複数の山から鷹ノ巣山に登山者が集まり、石尾根を使用してJR青梅駅側へ下山していきます。高い山を登った後、この石尾根は緩やかな角度で降下していくため、長い距離を歩いていても足への負担を最小限に抑えることができます。

石尾根は山の両面が燃えないための防火帯として幅が広くなっています。こういった稜線は強い風を受けやすいため、木が倒れることもあります。雨が降ることで稜線から土砂が崩れ落ち、下の登山道の樹木が倒されてしまいます。山の木は場所によって倒れる原因や条件が異なることが分かります。

鷹ノ巣山から石尾根を一直線に歩き、1時間20分で六ツ石山へ到着しました。

六ツ石山からは急こう配な下り坂で下山することになります。梯子を使って高いところから降りる際、自分なら背中をどっちへ向けるでしょうか。2段ベッドやロフトから降りる際、背中をどっちに向けて梯子から降りているか想像がつきますか?もし急こう配を目の前にした時、背中側から降りてみると上手くいくかもしれません。

遠くには奥多摩湖が見えてきました。水根は登山道の東側になるため午後は太陽が過ぎて暗くなっています。登山では、西側をゴールにすることで下山時間を遅くしても安全に降りてくることが可能になってきます。

六ツ石山から1時間10分で登山道入口に到着です。奥多摩湖の水根に着いた時は両足が痛くなっていたため、しばらく休憩してから運転して帰りました。奥多摩湖の水根から鷹ノ巣山を往復すると、昼休憩を含めて8時間半の登山になりました。

今回は雲取山よりも後回しにしていた鷹ノ巣山を登山。すごい体力と長い登山時間を要しました。登山の魅力は一つの山に対して一日の時間をしっかり使うことができます。旅行が好きな人は登山も好きになれるかもしれません。日帰り・宿泊どちらの登山でも旅行という楽しみを持って登ることで、色んな山へ行って登りたくなります。