生まれて初めて
2023.03.02 05:04
ひょんなことから、ある政治家の(といっても卵だが)後援会会長になった。最初の仕事が事務所開きでの応援演説である。久しぶりに人前で話すための予行練習をした。演説のための練習なんて中学時代での生徒会(書紀だったかしら)立候補以来である。
テレビなどで「このタレント、俳優は声がいいね」などと夫婦で評価することがある。良さのポイントはそれぞれ違うが、歌手に関しては大体意見が揃う。きれいな声で且つ少し、ほんの少しだけ引っかかりがある方が好みである。例えばナット・キング・コール。優しくてきれいな声だが、微かに引っかかりがある。ダイアナ・ロスも本当にきれいな、特に高音部は美しく、まさしく天上の歌声である。でも中低音にはやはり、引っかかり、人間の俗がくっついている。このザラつきとも言えぬ、なんとも表現しがたいところに惹かれるのである。
さて、私の声である。大方の人は「よく聞こえる」で一致している。ただ、「甲高くて上っ調子」「重みがない」「軽い(同じことである)」と散々である。「心に沁みてはこない」まで言われるとしばらくは落ち込む。
アナウンサーならいざ知らず声は通れば良いというものではない。聴こえ易いは、少なくとも大衆に訴えるには十分な要件にはならない。では何が必要か。
引っ掛かり、ザラつき、雑味・・・音の後に生きた声として心に届く何かである。なかなか的確には説明できないが、これがあると政治家として大成するのではと素人ながら密かに思っている。