ベルエポック33-OK牧場の決闘
2023.03.03 11:50
1881年映画で名高い「OK牧場の決闘」が行われた。場所はアリゾナ州、60年代からいわゆる西部(中西部)に開拓民がどんどん入ってきて町を開いた。ヒーローのワイアット・アープは、保安官というものの、賭博場や売春宿もやってたのだから正義の味方とはかなり違う。この決闘も私闘に近い。
工業化の進展もあるが、アメリカの経済発展を支えたのはヨーロッパからの大量の移民である。ジャガイモ飢饉でアイルランド移民が渡米、48年革命の失敗の後にはドイツからアメリカに移民が押し寄せ、北部は南北戦争の戦力として歓迎し、従軍すれば土地を与えた。
誰が来るかわからない西部では銃は必需品であり、諍いは絶えない。70年代にはニューメキシコ州リンカーン郡で「リンカーン戦争」という派閥争いでの銃撃戦が起きたが、このとき用心棒をしていたアウトロー(ならず者)が、西部劇で有名なビリーザキッドである。
西部開拓時代は、それが消滅した20世紀になって映画となり、正義と悪の対決と脚色されて「西部劇」となって、正義のために力を奮うアメリカの大衆的イデオロギーとなって、歴史の違う日本でも上映された。さらにスーパーマン、スパイダーマン、マーベルのアベンジャーズとなって未だに生きている。