JP1-4 Judgeの「資質」:大前提③影響力の行使(2)
③影響力を適正に行使し、場合によっては敢えて行使しないことも選択できねばならない(2)
きのうの議論の続きになりますが、Judgeを目指すみなさんがそれぞれの人生を振り返り、人生の岐路に立った時、「進む勇気/立ち止まる勇気」のどちらを選んできたかを自問自答してもらえればもっと分かりやすくなるかと思います。
「進む勇気」を持ちそれを適切に使って人生を切り拓いてきたか、流されることなく場合によっては「立ち止まる勇気」を持って同調圧力に屈せず抗って弱きを守り助けてきたかーー。
もっとレベルを上げて議論を進めるなら、超一流Judgeはその影響力を適正に行使することを通じてTICAやRegion、自分が所属するクラブに「社会的利益」をもたらし、そうでないJudgeは「社会的不利益」をもたらす…と考えればいいでしょう。
経済学用語を使えば、超一流のJudgeはTICAやRegion、自分が所属するクラブに「外部経済」効果を与え、そうでないJudgeは「外部不経済」効果を与える…とも言うこともできます。
TICA Asia時代、そしてTICA Asia East Regionになってからも、日本人のJudgeがTICAやRegion、自分が所属するクラブに「社会的不利益」や「外部不経済」を与え/もたらした事例はショーにおけるルール違反(プロテストされたかされないかを問わず)をはじめ枚挙にいとまがありません。
「朽ち木は柱にならぬ」という言葉がありますが、〝朽木〟のような心根の腐った人物を(たとえ本人にJudgeになる気がどれだけあろうと)Judgeにしても(あるいはなっても)、TICAやRegion、クラブを支える(あるいはそれらの将来を担う)「柱」には決してならないことを、Regionメンバー全員が肝に銘じる必要があります。
①TICAを体現できるか否か、②良き導き手になれるか否か、③影響力を適切に行使でき/場合によっては敢えて行使しない選択ができるか否かは、「能力」や「スキル」のように後から磨いて向上することはなかなかできません。
「資質」は「能力」「スキル」の土台となるものであり、この土台が歪んでいたり腐っていたりしてはまともなものは何も築けないということです。
今後、10年、20年というスパンだけでなく、数十年先も見通し、Judgeの〝粗製濫造〟を食い止めるためにも、この3つの「大前提」をクリアしたメンバーを次世代を担うJudgeとして育成していかなければなりません。