勝手に比較!住宅の設備・建材まとめてみました!~安全な浴室編
転倒やヒートショックを防ごう
浴室での事故の多くは、転倒やヒートショックだ。浴室のプラン次第でリスクを減らすことができる。万全な安全対策を施し、浴室での事故を防ごう。
危険リスクを最小限にする工夫を
誰もが使いやすく、安心して入浴できる
浴室に求められることのひとつに安全性が上げられる。浴室は、出入り口の段差でつまずいたり、濡れた床で滑ったりと転倒のリスクが高い。寒い季節のヒートショックも浴室の危険のひとつだ。こうした危険は、重大な事故につながりやすいので注意したい。
最新システムバスは、安全性が高い。脱衣室と浴室の間の段差を解消できる出入り口や滑りにくい床がある。浴槽も安全性を考慮し、またぎの高さが低く、浅めの設計で、浴槽床も滑りにくくなっている。転倒したり、溺れたりというリスクを減らせる。
浴室全体の保温性が高く、ヒートショックの予防に効果的な点もおすすめだ。浴室の寒さに困っているなら、安全面からも暖かい浴室にするよう提案したい。
高齢者や子どもがいる家庭だけでなく、安全性を考慮することは大切だ。心からリラックスして入浴できる快適な浴室にするためにも、事故を未然に防ぐ安全対策を意識したい。
安全な浴室のポイント
- 出入り口の段差をなくす
- 内開きの扉ではなく、引き戸や折れ戸にする
- 床、浴槽内は滑りにくい材質にする
- またぎやすく、出入りしやすい浴槽にする
- 浴槽内の姿勢を支えられる工夫を
- 入浴前に脱衣室と浴室を暖め、居室との温度差をなくす
【知っておこう!】使いやすい「洗い場」をつくればより安全快適な入浴に
洗い場で下を向いたり、中腰になったりすると、バランスを崩し転倒の原因にもなる。手の届きやすい位置に水栓やカウンターを設けると、座ったままの楽な姿勢で体を洗える。イスの高さもあわせて提案し、無理なく体を洗えるようにプランニングしたい。
体を支えることができ、立ち上がりや移動の助けになるカウンターなどもある。
ほかにも・・・
- 水栓はサーモスタット混合水栓に➡湯温を設定でき、火傷の心配がなくなる
- シャワーは手元にスイッチがあるものに➡姿勢を変えずにお湯を出し止めできる
▲座面高さの-50 ~ +100㎜程度の位置に洗面器置台を設置
資料提供/ TOTO
【豆知識】ヒートショックとは
急激な温度変化により血圧が急激に変動し、脳卒中や心筋梗塞を起こす現象のこと。暖かい部屋と寒い浴室の気温差が大きいと、冬場の入浴で起こりやすい。
浴室の寒さが気になっているなら、ぜひ、浴室暖房乾燥機や保温性の高いシステムバスの導入などを提案したい。
浴室 安全チェックポイント
《出入り口》
- 段差がない
- 引き戸または折れ戸に
- 広い開口部をつくる
▲段差がなく、つまずきを防ぐ
写真提供/トクラス
▲大開口ドアなら介助も可能
写真提供/タカラスタンダード
《床》
- 滑りにくい
- 水はけがよい
- ヒヤッとしない
▲水はけがよく、滑りにくい
写真提供/ LIXIL
▲冷たくなく、クッション性もある
写真提供/ TOTO
《浴槽》
- またぎやすい高さ
- 腰掛けるスペースがある
- つかみやすい形状のフチ
- からだを支えるバーがある
- 浴槽の床面がすべらない
▲洗い場から浴槽に入りやすい
写真提供/クリナップ
▲フチをつかめて姿勢が安定する
写真提供/ TOTO
▲座って浴槽に出入りできる
写真提供/トクラス
▲立ち座りのサポートにも
写真提供/タカラスタンダード
《浴室全体》
- 浴室暖房乾燥機を設置
- 床や壁に保温材、断熱材を入れる
- 脱衣室にも暖房機を設置さらに安心
▲壁・床に保温材で温かく
写真提供/ LIXIL
【ひとことMEMO】転倒防止に手すりを設置
手すりは身体の状態にあわせて設置することが望ましい。将来、手すりが必要になったときのために壁に下地を仕込んでおくと安心だ。
リフォマガ2023年2月号掲載