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美的なるものを求めて Pursuit For Eternal Beauty

それはまるで「彫刻作品」・・世界最古の道「アッピア街道」(アッピウス・クラウディウス 紀元前312年)

2018.05.14 11:05

<「美の巨人たち」放映番組(2017.4.8)主な解説コメントより引用>

街道の美スペシャル

   世界最古の古道「アッピア街道」は、紀元前312年に整備され、今から2000年以上前に、イタリア・ローマにできた最初の道である。

 インフラの父といわれたアッピウス・クラウディウスのもとに整備された。「すべての道はローマに通ず」の言葉通り、イタリア・ローマ街道網は最盛期には375本、幹線だけでも8万5千キロに及んだといわれる。

 そのローマ街道で、“街道の女王”と称されたのが、「アッピア街道」である。ローマを出発し、560キロという長い道のりの果てにたどりつくのが、ブリンディシという港町である。

<番組を視聴しての私の感想コメント>

 それはまるで、一幅の絵画のようでもあり、彫刻作品のようでもある。

 ローマを始点として、あるいは、終点ローマに至るこの街道には、幾多の歴史のドラマが物語として染み込んでいるのであろう。現在でも残されているこの古道の表面は、ゆるい弓形に磨耗し、緩やかに削られている。

 「公共事業」の典型でもある道路。その3要素である、「堅固であること」「機能的であること」「美しさを備えたものであること」。アッピア街道は、当時からこのすべての要素を兼ね備えた道路として整備されていった。そして、2000年の歳月をゆうに超えて、現在でも現役の道路として存在している。

 「美しさを備えた美」とは、単に形状や景観にのみ現れている美だけではなく、幾多の歴史の記憶をとどめ、刻み、さらに記憶が降り積もりながら、道の風情を滲み出すように、醸し出しているところにこそ、「道の美」を感じ取ることができるのではないか・・・

 「道が息を凝らして呼吸している」「歴史の足跡を垣間見てとれる」「幾多の物語を刻みこんでいる」・・・「アッピア街道」一度は自らの足で立ち、そぞろに歩いてみたい「美の道」である。

写真: 「美の巨人たち」(テレビ東京放映番組<2017.4.8>より転載。同番組視聴者センターより許諾済)