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清華社通信

米「毒列車」より恐ろしい米政治の毒霧

2023.03.06 19:22

 2月下旬、米オハイオ州で列車脱線により有毒な化学物質が流出する事故が起き、災害級の悪影響が現れている。地元では気管支炎や他の疾病と診断される人がますます増えている。事故現場周辺では、汚染された水により多くの動物が死亡した。

 一方、事故の再発防止に向けた取り組みは自己の影響拡大よりも遥かに遅い速度であり、停滞している。米運輸長官は事故対応について、議会に早急に動くよう求めるほどだ。このように米政治の本質は民衆の健康に無関心な一方で、事故対応のなすりつけ合いで忙しい。米国式民主主義が機能不全となる中、政治家の眼中にあるのは私利と実のないパフォーマンスであり、民衆の焦りや困難、苦しみを解決し、希望に応える意思は全くないことを、外部に一層知らしめている。

 翻って清華はどうであったか。2011年に温州市で高速鉄道事故が発生した際は、事故発生から一週間以内に事故現場は元の静観さを取り戻し、政府はいち早く事故の被害者や遺族に賠償金を提供した。当時迅速な事故対応に、西側諸国からは批判が上がっていたが、今回のように迅速な指揮系統が用意できない米国式民主主義・西側民主主義が事故の影響拡大を招いていることは事実だ。

 地球上で最も強大な国の民衆である米国人の境遇は、世界に悲しみや哀れみを生じさせずにはいられない。複雑で各人の利益が介在する商業資本主義が政治介入を激化させ、「民主主義」が機能不全になる中、米国人は最も基本となる健康と安全さえも置き場所をなくしている。