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以心伝心の白河夜船へ。“小さなくまちゃん”のお話

2018.05.14 14:08

“小さなくまちゃん” に心で語りかける。

それは明確な単語や言葉で構成されるわけでなく、

ただひたすらにあの、輝くような笑い顔を思うだけでよい。

弾けるような高音の、きゃっきゃうふふという声すら

聞こえてくるようではないか。


“小さなくまちゃん” は、この春小学校1年生になった。

かつては実に「生きるテディベア」のようだった、ころんとしていて

お腹がぽこんと飛び出たフォルムも

いつの間にか心持ちすっきりとしていて

いかにもお兄さんといった風情。


ある日の夜更けだ。


疲れがたまって

その疲労に手も足もでないほどに、

がんじがらめにされるがままに

真っ暗な部屋を、スマートフォンのぼうっとした灯りが照らして

はしゃぐ “小さなくまちゃん” が私を呼ぶ声を再生したら

夢のなかにまで持ち越すことができたみたいだった。


とろとろと始まったそれはいつか、白河夜船へとこぎだして

ひたすたらにしみじみと

幸福な気持ちで朝を迎えた。ありがとう、くまちゃん。


妹から来た短いメッセージに

「なんだか、まあちゃん。U子ちゃんの夢を見ていたみたいで

目覚めるなり、『U子ちゃん、すき』ってつぶやいていたよ」だって。


“小さなくまちゃん” の見た夢の世界が

彩りに満ちた幸せなものであったならと思った。