提案『興味を育むために』
前回2023年3月20日『関心を育むために』を」お読みくださると、日常の中に存在するもののの名前を多く覚え、好き嫌いに関係なく注意をもっていろいろなものを見ていると関心ごとが増え、やがて好奇心が芽生えてくるようになる記事を書きました。今回は前回の『関心・好奇心』からバトンを受け取った『興味』について話を進めていきます。
この興味をしっかりと育むことで集中力がつき、探究心がグーンと育つことを念頭に入れてこの記事をお読み下さい。
前回の記事を少しおさらいしてから本題に入っていきましょう。
関心とは明らかに違うのがこの『興味』です。興味とは子供自身が好きで積極的に関わろうとすることで、好きでも嫌いでも無い関心を示すこととは明らかに経験値自体が異なります。がしかしこの興味は関心や好奇心という過程を通ってこないと生じない宝物です。言葉を裏返せば興味を持つものがないということは関心ごとを培ってこなかった、日常に存在するものをじっと見てこなかった、もしくはさまざまなものの名詞を指す言葉を獲得してこなかったとも言えます。ご自身のお子さんには特段好きなものや興味のあるものが無いなという場合は、関心を持っていろいろなものに触れていないと言っても過言ではありません。この場合には興味を育む前にいろいろなものを見せておくことに立ち戻る必要があります。
ここからは今回のテーマである『興味を育むために』どうすべきなのかを順を追って説明して参ります。
皆さんは子供が一番輝いている瞬間はどのような時なのか明確に理解できているでしょうか。子供を観察していればすぐにお分かりになると思うのですが、子供自身が自分から選んで遊んだり、作ったり、読んだりしている時で、子供自身がこれ好き、楽しそう、やってみようと興味を持って行動している時が一番輝いている瞬間なのです。つまりその時が興味を爆発させている瞬間なのです。
興味が湧き出る瞬間がどのような時なのかを押さえた上でここからは、子供の興味をどのように引き出すのかを取り上げていきます。
子供が興味を示して何か夢中になれるものを探す経験はある程度の選択肢を要します。その選択肢を親御さんが準備した家庭の中や保育園や幼稚園での環境下、子供たちが出かける場所で子供自身が選んで取り組むことができるものがあるということが最高のポジションです。環境設定がいかに大事かということなのでおもちゃや絵本・図鑑のみならず、お手伝いの部類、庭やベランダ、街の中、自然界も含めて全ての環境から子供が選択することが大切なのですから。
その環境の中から初めてのことに関心を寄せてまず挑戦するでしょう。その挑戦が楽しければ子供は繰り返し繰り返しその遊びを実行します。また遊びでなくても何かを発見し知識を得られることに喜びを感じ、そのジャンルをさらに知りたいと深くのめり込んでいくことになります。さらにお手伝いでは褒められることや人のために働いたという喜びの充足感を味わうことができ、さらに働きたいという気持ちが育まれていきます。では身近な場所や街の中からは新しい発見や刺激があります。そして自然かからは幾万通りの出会いがありそれは同じものではないことに気づき無限の広がりを想像することができます。
興味とは子供自身の自発性と子供たちが選び撮ったものとの間に起こる化学反応でもあるのです。このような化学反応を起こすことができた子供だけが興味という宝物を獲得していくことになるのです。
かなり前ですが親御さんが公園にお子さんを連れて行ったら遊具で遊ばず、虫捕りだけをするのだとご相談を受けました。子供自身が公園に来て虫捕りを選んだという自発的選択をしたのですから素晴らしいこと、大いにさせたら良いでしょうと答えました。虫捕りに疲れたら遊具に乗ってゆっくりする時間を設定したら良いと思うのですが、その時はシーソー学習をしており重い軽いを実感して欲しかったとのことでした。その学習経験を優先させ虫捕りをさせずにいたところで子供には重軽学習は身につきません。しかし虫捕りも終わる時間が来るものです。その時に遊具に誘うということも親のテクニックではないでしょうか。またどうしても重軽学習を進めたいと思うのであれば虫捕りに絡ませた進め方はできないものかと思考することもできます。捉え方を変えれば自ずと見えてくるものがあります。
この子供を伸ばすテクニックについては2023年4月3日の子育てサジェスチョンで取り上げます。内容については私が日頃から子供たちの関わりの中で実践していることなのでぜひ読んでいただきたいと考えています。
さて今回のまとめです。子供の興味を育むためには関心の種をたくさん蒔いておくこと、そしてその種まきをした上で子供が選択できるありとあらゆることを環境設定として与え、子供が自発的に選択して興味を引き出すように促すことです。