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Nozomi Matsuda

ヒミツノハナシ(7)

2018.05.17 22:00

2016年11月。

先月、松田は誕生日を迎え16歳になった。

誕生日を知らなくて祝ってあげられなかったから、少し遅れて祝った。

「誕生日おめでとう16歳。」

そういうと松田は嬉しそうだった。

「先生。私、将来先生みたいな大人になりたい。だから、教師になる。」

突然のことで一瞬混乱したが、すぐに返す言葉が見つかった。

「そうか、教師か。まぁ、教師になるなら俺を越えてくれなきゃ困るよ。」と。

「そりゃぁ、もちろん。越えます。」松田は自信満々に言った。

教師を目指す宣言をしてから2週間後の放課後、いつものように松田に数学の授業をした。

それでも松田はなかなか解けるようにならず、本人も悪戦苦闘していた。

苦しそうな松田を見るのも苦しいが、自分の力のなさも苦しい。

一体どうするのが正解なのか自分でももうわからなくなっていた。

もうすぐ1年生も終わるというのに、未だに1学期の範囲をマスターしきれていない。

松田は数学が嫌いだとずっといっていたのを、なんとか時間をかけて嫌いじゃないと言えるまでに達したというのに、松田の表情は4月に見たあの表情のままだった。

12月まであと数日。

1学年を終える節目がもう目の前にある。

どうすればいいんだろうか。

そんな悩みと同時に、松田も悩んでいた。

「先生、部活を辞めようと思うんだよね。」

突然そんなことを言い出した。

「なんで?好きなんじゃないのか?」

スポーツが得意で大好きだと言う松田の決断に驚いた。

「足怪我して、ブランクあるし、記録も伸びないし。」

やっぱり消極的な考え方を辞められないのか。

「そこは、松田の意志だから自分で決めな。」と言った。

結局、部活をやめることを決断し、中学から続けてきた陸上を辞めた。