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NATURAL BORN HEROES

山と100キロと私。

2018.05.16 00:43

実は僕は、100キロ級のトレイルランニングレースとの相性が悪い。

100キロとか、そもそもフルマラソンも走ったこともないような日本に住む健全な一般市民の皆様には何を言っているのかわからないと思う。それは理解している。また、トレラン業界的にはこの前のUTMFが国内年内の最大イベントであり、また100キロと100マイルは違うぜベイベー、ということもあると思うんだけど、それでもこのまま話をすすめたいと思う。


僕の自己認識では、やたらと走っている印象を周囲に与えていると思っている。

「ああ、あいつよくわからんけど100キロくらいは走ってるよね。よくわかんないけど。」

扱いとしてはこんな感じ。雑かつ変態的な扱いを受けていると思う(褒め言葉)。


しかしながら実のところは100キロ以上のトレランレースで完走したのは2015年の「信越五岳トレイルランニングレース」ただ一つ。90キロ級も含めると2014年に衝撃を受けたSTYも完走しているが、それでも二つ


同じ年に「柴又100K」といロードレースを完走しているけれど、これを含めても三つしかない。意外と少ないのである。


しかし、チャレンジをしなかったわけではない。


●2014年 おんたけウルトラトレイル(序盤15位くらいで突っ込むも、怪我で第一関門リタイア)

●2015年 信越五岳(命からがら完走。順位は430位/完走者564人)

●2016年 FTR100K(コース半分でリタイア。クリアできる気がしなかった)

●2017年 信越五岳(コース短縮、完走。25位)

●2017年 FTR100K(大会中止、DNS)


このように、コース短縮を余儀無くされたり、中止になってしまったりもして、実は全然完走できていないのだ。


完走できたレースも、昨年のコース短縮された信越五岳以外はまったくもって順位も平凡。いや、それ以下。今より10キロ近く太っていたし、メンタル的にもコンディショニングできておらず、苦戦死戦を強いられた。本当に辛かった。よくゴールできたと思う。


このように、いろんな意味で100Kは相性が悪い。満足にゴールできた試しがない。


月間500キロを平均的に走っている僕にとって、100キロレースなんてお隣さん、くらいの距離感に感じていたんだけど、実はお葬式の時にしか会わない名前もうる覚えの親戚、くらいに遠い存在だったのだ。


そんな僕が今週末「トレニックワールド in 彩の国」という100K超級レースに挑む。


このレースは国内の100キロレースの中でも熾烈であることが有名で、完走率もかなり低い。コースマップを見ても大変なことはよくわかる。先日撃沈した「奥三河パワートレイル」が赤子のように感じるコースレイアウトだ。


正直、緊張する。


しかし、過去挑んできた100K級レースの中でも、今回は極上のコンディションに仕上がった。


減量、成功。トレーニング、しっかり積んだ。回復、いいぞ。栄養補給、これからしっかりね。ウェアも決めた。上下はマウンテンマーシャルアーツ、ザックはノースフェイス「TR6」、シューズはナイキ「テラカイガー4」。今僕が最もテンションがあがる装備。うん、いける。


最高に100キロを楽しめる自分、に仕上がりつつある。準備が大事、本田圭佑の言葉を借りるまでもなく、仕上がっている。


だからこそ、より一層緊張する。


ワクワクとガクブルの中間点。年にそう、こういった感覚を味わえることはない。仕事でも、プライベートでも。


レースは楽しい。でも分解してみると、レース中は結構苦しいことが多くて、楽しいのは実はレース前と後。これが100キロ超級になってくると、苦の時間が長くなる。その分前後の期待も膨れ上がってくる。


痛い、辛い、ああ頂上だ、きれい、痛い、眠い、気持ち悪い、やばい、ひゃっほー、おえー、まずい、劇痛い。


比率的にはマイナスなことが結構多い。そういう意味で、内面へ内面へと、思考は向かっていく。


そしてこの苦が強ければ強いほど、長ければ長いほど、レース前後は盛り上がる。なんか書いてて気持ち悪いけど、なんとなくこれは本当で、仕事にも通じる部分があると思う。産みの苦しみ、というか、そういう感じ。レース中も、レース後のハッピーな感じ、、、風呂に入ってスッキリして、ゴール付近の芝生で寝転びながら帰ってくる人たちに声をかけながら、次は何でようかなぁとぼんやり考えている、、、そんな風景を目指してひた走る。


この感覚は短いレースではなかなか得られない。オーバーナイト必須のロングレースだからこその感情ジェットコースターだ。山あり谷あり、まさにそのもの。僕はまだ東京で消耗してるけど、山でもさらに消耗しきって、そこから不死鳥のように蘇る。そこにドラマがある。


ということで、レース3日前。従って、期待は最高潮。今回は自然と一体になって、夜、野生に戻る感じを体験できたら素敵だなぁ、と思ってます。


ゼッケンナンバー:K2088

速報サイト:http://www.k-sok.com/corunners/timeline?raceId=2912