C.ドビュッシー ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
今日は2曲目です。
C.ドビュッシー
ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
第一世界大戦におけるドビュッシーの闘いが綴られた楽曲です。
こちらがその動画です。
【注】始まって1分くらい、さあ、これから!という時にCMが入り、イラっとします。そこで、もう一度、最初に戻してください。すると、CMをスキップして全曲をスムーズに視聴できます。
1曲目のグラナドスのソナタが、民族性が影を潜め、フランスの印象派音楽の影響が大であるため、続くこの曲へと自然に繋がり、それは驚くほど。
ドビュッシーはフランスの印象派音楽の旗手で、カザルスと同時代を生きました。
二人には親交が無かったようですが、第1次世界大戦中、ともにドイツが侵攻する戦火のパリで過ごしました。
カザルスは、愛するバッハやベートーヴェンを生んだ国による武力制圧をどのように感じたでしょう?
一方、ドビュッシーは、ドイツへの抵抗を創作で表そうと試みます。
ドイツ音楽と言えば、起承転結を有する構成音楽の《ソナタ》。
しかし、ドビュッシーは、あえて構成音楽を避け、フランスの古典音楽を近代的な手法で復活させた6曲のソナタで、ドイツの伝統に踏み込んだのです。
フランス音楽家として、創作によるドイツへの報復。
志士です!
ところが、この曲を手掛ける前年、2つのソナタを完成した後、直腸癌の診断が下されます。
そして、第3番のこのソナタを完成した翌年、55歳で天に召されてしまうのです。
死が約束され、限られた時間との闘いの中、どのような思いでペンを進めたでしょう?
第1、2楽章では、印象派音楽の華やかさの中に、焦燥、嘆き、不穏、狂気を垣間見るようです。
ところが、終楽章ではそれらを覆し、ポジティヴな空気に転じます。
それはフランス音楽家、ドビュッシーの意気地と使命感でしょう。
圧倒させられます。
ドビュッシーの絶筆です。
ご堪能ください!