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精神科医 諸藤(モロフジ)えみりの心のレッスン

勉強ができるからわたしは存在していい

2023.03.18 12:20



こんにちは、

精神科医の諸藤えみりです。



わたしの外来に

20代の女性が訪れました。

(特定されないよう配慮しています。)

大学で疲れてしまったようです。



一通り話を終えて、

最後に

「これは誰にも

言ったことがないのですが…」

と教えてくれました。


「わたし、大学受験に落ちたことを

いまだに引きずってるんです。」





この方は

小中高と成績優秀でトップでした。


彼女には行きたい大学がありました。

2 浪しましたが、不合格でした。


仕方なく今の大学に入学したものの

モヤモヤすると言われます。



今の大学も十分優秀です。

しかし、未練が残る。




わたしは言います。


「努力が実らなかった

悔しさはあると思います。

お話を聞いて

わたしはもう一つ感じました。


○○さんは、

小さい頃から成績優秀だった。


そのような方は、

勉強ができることが

自分の存在価値みたいに

捉えてしまう。


必死に受験勉強したけれど、

結果は不合格だった。


志望大学から

○○さん自身を否定されたように

感じたのではないですか?」




その方は驚き、

「そうなんです!

今まで勉強一筋で、

ほかは後回しにしてきました。


わたしのすべてを注いだのに、

不合格だった。


わたしをダメだと

言われた気がしました。」




わたしは言います。


「テストの点数は

足りなかったかもしれない。

でも、

○○さんの否定ではないです。

それは違います。


不合格と人格の否定を

切り離さないといけません。」



続く