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進・撃

basis novel

2023.03.21 04:08
初めての壁外調査




訓練兵から調査兵に志願したのはのは、紛れもなくただの《死にたがり》だったからだ

崇高なる何かがあった訳じゃない

他の人が掲げる《人類の為》だとか《今迄の犠牲を受け継いで》だとかどうでもよかった

 ただ死ぬなら…首を掻っ切って死ぬんじゃなくて…せめて《他人の為に死んで》みたかった

……死に場所を探している

…同期には、こんなこと言ったことがない

たぶん普段おちゃらけでいるおかげでこんな事思ってるだなんて誰も思っちゃいないんだろう

訓練兵時代に漠然と思っていた事だったから…

あたしでもなぜこんなことを思い立っているのか、分からない、ただ心の中での焦燥感が燻りあたしの心の影になってゆくのをゆっくりと感じている





「…びっくりしたよ、フィーナ」

「……何が?」

「フィーナは、憲兵団になるのかと…」

「人聞きわるいなぁ!もう!心配なんだよ!ペトラとオルオの事がさぁ…それにぃ〜?夫婦漫才見れなくなっちゃうの、残念だしさぁ?」

「な、なに!それ!」


…ごめん、ごめんペトラ


「まさかお前がなぁ」

「なんだよ、オルオ!いいでしょ!あたしの選択だよこれは!」

「…そうだけどよ、お前…」

「おぉ〜と!そっから先はペトラに言ってやんなよ!ぼくちん、ペトラちゃんのことぉ〜?」

「んな!?おま!!!おまえ!!!!」


…ごめん、オルオ



あたし、あたしどうしても…





┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈




「!…フィーナ!こっちに飛ぶんだ!!!!!」


嗚呼、ごめんなさい!!ごめんなさい!!

あたし、あたし…!!!









どうしても、いま、しにたい…




大きな口が自分を包みこもうとしている

あたしが後ろに投げた同期はすっごい青い顔で泣きながら驚いていて、

先輩の声も、もう、全然聞こえない



こうして人って死ぬんだ、あたし死んじゃうんだ、




おかしいよ……!!!!


なんであたし、こんな泣いてんだ…!!!

死にたかったはずなのに!!

今すぐにでも!!!

ここから消えちゃいたかったはずなのに!!!

なんで、なんでこんな!!!!こんな!!!


巨人の口切ってんだよ!!!!


「うわああああああああ!!!しにたくない!!!しにたくない!!!!まだ!!!!!!!まだあたしやりたいことたくさんあるんだああああ!!!!いきて!!!!素敵な人とキスすんだよ!!!!!そんで子供産んで幸せになりたいんだ!!!!!!長生きして孫に看取られながらベットの中でぬくぬくとしんでやるんだよおおおお!!!!!!!!!まだなんもやってねー!!ただ兵士として訓練して初陣で同期庇って死ぬとかゴメンなんだけど!!!!!いやだぁ!!!!!!!!!!!!!生きたい!!!!いきたい!!!!!!!!!!!生きたいよぉぉぉ!!!!!!!!!!!!お前の臭い口なんかに入って真っ二つとか!!!!ゴメンなんだけどぉぉぉぉおおおお!!!!!!つかこのまま行ったら初チューお前じゃん!!!!嫌すぎる!!!!あたし、かっこいい人が!!!!!好きなので!!!!!!!!お前はお断りだああああああ!!!!!!!!!!」


どう切るとかクソ考える暇がなくて

とにかく思考は


《いきたい!》

《いきたい!》

《生きたい!!!!》


に支配され尽くしてた

だから無駄な斬撃を繰り出して悶え苦しむ巨人にひたすら足蹴を食らわせていた


それに先輩兵士はあんぐりと口を開けていたらしい


……リヴァイ兵士長がその巨人の項を削ぐまで…


「おい、お前……うるせぇな…遠くの方までお前の汚ぇ命乞いの声が響いてやがったぞ

…便所の床みてぇにベタベタし汚ぇた面だな…

だが、その“生きる力“には目を見張るモンがある

よく俺が来るまで耐えた

初めての壁外調査にしちゃぁ……上出来だ

……おいコルトよ、お前、なぜこいつを助けてやらなかった?お前はそれでも兵士か?お前のその一瞬の判断がこいつら新人を生かすか殺すかを決める

…こいつがここまで生き汚ぇ奴じゃなかったら巨人のくせぇ口の中で一瞬でお陀仏だったんだぞ…!?


「…すまない、リヴァイ…」

日が沈みある程度までの進行後半分程の兵士を失うという損失後、壁内へ帰還

私が投げ飛ばして助けた同期は…………上半身から下を、食われて死んでいた

この世界では、“死”が…軽すぎる……

自分も“死”を軽んじていたのに、我ながら都合のいい頭だ、


「クソ、クソォ……」


生きてやる……生きて、お前の死を無駄にしないよ

お前の分まで……

……あたしが巨人を殺して人類の糧にするよ

お前の死は、無駄じゃないんだ、

無駄じゃなかった筈なんだ!!!!

こんな理不尽な事で死んでいい命なんてないんだ!



兵団はシガンシナ区の門を潜り壁外調査を終了した




その後

「おめでとう新人たち!!!その後の成果が何であれ……おまえらはあの過酷な戦場を生き抜いた!!!一人前の立派な兵士だ!!!!!」


その後の兵団を集めての夕食にて、先輩兵士が大きな掛け声をあげる

それに連なって、鼓舞された新人兵士達は

「うおおおおおおおおおおおお!!!!!」

と大きな雄叫びをを上げた


その中にはオルオもいて、あいつのバカ面を見てたら滅入っていた気持ちがフッと落ち着いた

「ハハハ、……ハァー……笑える……」


笑えちゃうんだ、こんな、後でも。

食べられちゃうんだ、ご飯

飲めちゃうんだ、酒

ご飯……おいしぃ…


「…泣きながら食べないの、フィーナ…」

バカ…といつの間にか隣に座っていたペトラに頭を小突かれる

「……ペトラこそ、小便漏らして泣いて小鹿みたいに震えてた癖に」

「わあああ!!!言うな!!!」

2人で小競り合いをして、ふと、目が合って

目に涙を浮かべて、大声で笑った


「生きてるねぇ!!生きてて!!よかったぁ!!」


「生きてる!!!私たち、生き抜いたんだよ…!」


その夜は2人で抱きしめあって、大声で泣き喚いた

















.

.

.

...._________



「お話中失礼致します!!…ミケさんはいらっしゃいますでしょうか!」


別日、昼食を食べ終わってお話をしている先輩方に話しかけてみた

一か八かで、この精鋭中の精鋭であるミケ・ザカリアスという、先輩かろ生き抜くコツや戦うコツを学び、技術を盗みたかったからだ


「…俺だが」

「…もし、宜しければ別の場所にてお話をお伺い出来たらと思います…!!」

意を決して、そう伝えてみるとミケさんは同席していたエルヴィンさんとハンジさん、ナナバさんなどを一瞥して鼻を1度スンッと鳴らし


「分かった、10分後に食堂の裏へ」


「…っ〜!ありがとうございます!!!」


話を聞いてくれる姿勢を見せてくれた先輩へ敬礼をしてから自身の席へ戻り食器を取り下げ、急いで食堂の裏へと駆けた

この奇跡とも言えるチャンスを、絶対に逃したくはなかったからだ

意気込みながら裏手で待っていると

「…待たせたな」

ま、まだ10分も経ってないのに!!

「す、すみません!!気が!焦っていて!!私のことはお気になさらず!!まだご準備など!!」

「気にするな……それで?話とはなんだ?」

私が焦ってしまったので、10分後…が5分前になってしまった…申し訳ない……と思いつつも話を聞いてくれるミケさんの目を合わせて、ずっとお願いしたかった事を……意を決して伝える




「あの!もしよろしければ、ミケさんの巨人との戦い方を教えて頂けないでしょうか…!?」




驚いたのだろう、なかなか動かなかったその目が少し開かれる

そしてそのまま少し考えた後


「……なぜ、俺に頼んだ…?

リヴァイやエルヴィン、ハンジ……ナナバに…精鋭はそこに居ただろう

それに…お前は小柄で、それでいて女性だ

こう言ってはなんだが……同じ女性であるハンジやナナバの方が良いのではないのか?

……俺に聞いても体格も戦い方も……性別も違うのに、俺がお前に教えられる事は何も無い」



「……確かに、ミケさんの言ってらっしゃる事は、的を得ております…

ですが!私は!ミケさんの生き残るための戦い方に……憧れました!!

ミケさんの戦い方が私に合わなければ、そこはキッパリと諦めます!

ですが、お願いいたします!私は……!今回の壁外調査で無くなった同期や、良くしてくださった先輩方に報いるためにも!強くなりたいんです!!

その為には!“生き残る”為の戦い方を学ぶ必要があるんです!!!!!」