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「宇田川源流」【現代陰謀説】 サウジとイランの関係正常化を仲介した中国と歓迎しているアメリカの背景

2023.03.16 22:00

「宇田川源流」【現代陰謀説】 サウジとイランの関係正常化を仲介した中国と歓迎しているアメリカの背景

 毎週金曜日は、「現代陰謀説」をお届けしている。現代に流れている陰謀を普通のニュースの記事から見つけ、その内容を書いて行くものである。もちろんすべてを解析できるものではないが、このような企画をすることによって、ニュースの読み方が変わったり、または、ニュースそのものに興味を持ったりというように変わってくるものなのである。

先日、長年付き合っている友人と話をした。しばらく会わない間に、すっかりと「テレビやネットスラングに影響された」意見しか言わなくなってしまったことに驚いたが、まあ、そのような事もあるものだと思って、仕方ないと思っていたのである。一方で、ネットで活躍している言論人と別な機会に会った。その人は、名前を出せば知っている人もいるのではないかと思うが「テレビやマスコミのニュースは全てあてにならない。嘘しか書いていない」と断言している。さて、何が異なるのであろうか。

単純に、マスコミと言えども嘘を書くということはそうはない。もちろん、松本サリン事件のように憶測を強く書いて、マスコミ冤罪を作り出すようなこともある。しかし、そのことから、なかなか巧妙になっていて完全な嘘というのは書かずに、かなりギリギリなところで印象を着けたり、専門家と言われる当てにならない人々の話を掲載したりというようにして逃げているのである。

しかし、それでもうそを書かないと私が言えるのは「ファクト」は間違いなく真実であり、それ以外の部分が「論理の飛躍」「たとえ話」「個人の意見」などを混ぜ込んで一つの記事として信用できない内容になってしまっているのである。またマスコミの人々はそのような技術を持っている人々である。そこに、捏造した写真を入れれば、基本的には一般をだますツールの出来上がりだ。

では我々はどうしたらよいのであろうか。単純に、「記事の中からファクトのみを抽出して読み解き、そのファクトに対して、自分の意見を必ず持つようにしてから、他の人の意見を聞けばよい」のである。もちろん自分が必ず正しいとは限らないので、他人の意見を聞いて事故の意見を修正すればよい。そうやって切磋琢磨することで真実に近づけるのではないか。

そのような読み方をここでは推奨し、実践することによって、陰謀を読み解こうといっているのである。

サウジ・イラン合意を米歓迎

 サウジアラビアとイランが外交関係を正常化させることで合意したことについて、アメリカ・バイデン政権は歓迎しつつも、イランが合意内容を守るかどうか見極める必要性を指摘しています。

 アメリカホワイトハウス ジャンピエール報道官

「中東の緊張緩和とイエメン内戦終結につながるいかなる努力も歓迎します」

 ホワイトハウスの報道官は10日、サウジアラビアとイランが外交関係を正常化させることで合意したことを歓迎しました。

 一方で、NSC=国家安全保障会議のカービー戦略広報調整官は「イランは約束を守るような政権ではなく、合意したことを履行するかはまだわからない」と話し、展開を見極める必要性を指摘しました。

 また、中国が仲介したことについて「世界の様々な地域で利己的な影響力を増そうとしている」として注視していく姿勢を示しています。

2023年03月11日 12時02分TBS NEWS DIG

https://news.nifty.com/article/world/worldall/12198-2220143/

イランとサウジ関係正常化へ

 【テヘラン=西田道成、カイロ=田尾茂樹】イラン国営通信は10日、敵対してきたイランとサウジアラビアが外交関係を正常化し、2か月以内に双方の大使館を再開することで合意したと報じた。中国の仲介でイランとサウジアラビアの政府高官が北京で協議し、合意声明に署名したという。

 3か国による共同声明では「主権の尊重と互いの内政への不干渉を強調する」と宣言した。

 イランにとっては、ウクライナを侵略するロシアへの無人機(ドローン)支援や国内のデモ弾圧で米欧などの非難を受ける中、サウジとの関係修復によって孤立を回避する狙いがあるとみられる。

 一方、サウジにとっても、地域情勢の安定化につなげたい思惑があるとみられる。

 イスラム教シーア派大国イランとスンニ派の盟主サウジは中東の覇権を巡って対立し、2016年にはサウジがシーア派指導者を処刑したことにイランが反発。テヘランのサウジ大使館が襲撃されたことを契機に関係を断絶していた。

 米国が長年強い影響力を誇ってきた中東で、中国が仲介外交によってこれだけの存在感を発揮した例はほとんどない。米国にとって打撃になるとの見方が出ている。

2023年03月10日 23時10分読売新聞

https://news.nifty.com/article/world/worldall/12213-2219298/

 サウジアラビアとイランの関係が正常化した。そしてその正常化の仲介を行ったのが中国である。

さて、ここからは書いていない知識が必要なのであるが、イランはイスラム教シーア派であり、サウジアラビアはスンニ派であって、サウジアラビアにイスラム教の聖地メッカがある。メッカ巡礼は、イスラム教徒であるならば、一生に一度は行うべきと戒律に書いてあるほどだ。そのメッカがあることで、サウジ阿多ビアはイスラム教スンニ派の中心的な役割をしているといわれている。元々はトルコが「オスマントルコ帝国」であり、イスラム教の中心であるカリフを擁していたので、そちらが中心であったが、トルコがカリフを亡くしてからサウジが中心的であるとされている。

さてイランは、アメリカと対立し、なおかつ1980年代のホメイニ師を中心にイスラム教革命を行い、イラクとの戦争を行っていた。その時には中国がイランとイラク両方に武器を輸出したことによって、イスラム教徒の間では中国人は長期間にわたって信用がないとされていたのである。

その「信用がないはずの中国」が、今回仲介して、「シーア派と対立しているはずのサウジアラビアとの間の仲介を行った」というのであるから、何か裏にあるはずだ。

様々な話を知っていて、この件に関してレポートすれば、もっと長くなるのであるが、あくまでもこのブログの「現代陰謀説の範囲の中」で話を進めたい。

さて、ロシアは不凍港を求めて南下政策を行い、東では朝鮮半島や北海道を狙い、西ではウクライナのクリミア半島を併合した。ではなぜロシアは、西側を優先したのであろうか。それは、西側のクリミア半島の南側にはトルコ、そしてその南にはシリア、ヨルダン、イラクと資源地帯が続くのである。東側の朝鮮半島を占領してもあまり即物的な資源は少なく、チタンやニッケルという感じになり、日本にはほとんどの資源はない。その代わり太平洋に出ることができるが、それはすでにオホーツク海から出ることができるので同じだ。

そのように考えると「なぜ、ロシアはウクライナを攻めたのか」ということ、「西側のウクライナの不凍港を確実なものにしたかったのか」ということまで見えればよい。そのことを察知したトルコは早々に同盟関係を結び、今回のウクライナ侵攻にも仲介をしようとしている。しかし、その時に「ロシアと親しい」と目されていた中国がその南側の資源地帯に手を出し、正常化の仲介を行ったのである。

このことから、当然に、「中国はロシアを見限ったのではないか」ということが言える。当然に、昨年10月から習近平三期目の執行部は決まっており、その執行部が確定してすぐにこれを行たということも、「李克強などの共産党青年団ではこのような結果は出せなかった」ということを示した習近平のメンツである。つまり「メンツを重要視して同盟国であるロシアを見限る可能性がある」ということがあり、それが水面下で行われている可能性があるということになるのである。

今回のニュースと今までのニュースでここまで読めれば、アメリカがなぜ慌ててオーストラリアに原子力潜水艦を売却したかもわかるのではないか。アメリカの事をここから書こうと思ったが、この辺でやめて、皆さんの思考の練習にしよう。ヒントを言えば、世界戦略は地球儀で考えるべきである。