グローバル課税
3月も後半となり、いつの間にか春らしくなりました。神戸はわりと晴天が続いています。実務では確定申告期がおわり一息という感じです。
去年4月から突然始まった大学教員生活もなんとかまる1年となり、年間をとおして新鮮で大事な経験をさせてもらいました。来月からは2年目となるので、これまでよりは(できれば)多少の心理的余裕をもって、よりよいパフォーマンスを発揮できる(しないといけない)と思います。
研究の方では、新たなテーマとして、近年OECDで議論され一定の形になりつつあるデジタル課税(特にpillar 2)について、その内容の確認と、自分なりの評価をまとめる考察にいまとりくんでいます。大規模多国籍法人に対して従来の法人税申告納付とはべつに、十分に課税されていない子会社等の外国所得につき本国でミニマム税額を負担させようとする(Global Minimum TaxまたはTop-up Taxという)なかなか大胆なルールに、もう日本を含め約140か国が合意しているとのことです。
これは従来の物理的拠点に頼らずデジタル技術で収益を生むことができるいまの経済実体に対応するための国際税制改革で、それが正当な課税として定着するかどうか(多国籍法人が納得して受け入れるかどうか)という問題はあるにしても、各国の税務当局間での情報交換が容易になった現在だからこそ成立する仕組みであり、国際課税の分野はまた新たなステージに移行した感があります。
このGlobal Minimum Taxは、私の本来の研究対象ではなかったものの、大局から国際課税の潮流をつかむうえで避けて通れない大事なテーマに違いありません。おそらくまだ流動的でもあるので、今後の動きを注視しながら、本来の研究テーマに関連付けて書いていきたいと思います。
📷兵庫県立美術館のモニュメント
先週末は久々に美術館めぐりに行きました。六甲アイランドにはいま日展(第9回日展巡回展)をやっている神戸ファッション美術館・神戸ゆかりの美術館に加え、小磯記念美術館があり、また灘区からわりと近いところには兵庫県立美術館もあります。この辺りはとても豊かな芸術環境です。
【memo】
論文(学術)と絵画(芸術)の質的類似性に気付く