健康を食い物にするメディアたち ネット時代の医療情報との付き合い方 (読んだ本)
こんばんは。夢のまち訪問看護リハビリステーション 都賀の理学療法士の倉形です。
以下に書くことは、私の所属先などとは一切関係のない私の私見であり、文責は全て倉形個人にあります。
最近読んだ本に関して書きます。
テレビやインターネットや書籍で、科学的根拠に乏しい医療情報がたくさん作られ、拡散してしまう構造などが解説されています。
医学の情報に接するときは、『5W1H』を意識して判断する。など、医療従事者でない方であっても使いやすい方法が提案されています。
ここからは私見です。
科学的根拠に乏しい治療は、裏付けとなるデータがないから、タイトルや宣伝文句が扇動的になりやすいです。『早死にしたくなければ○○をやりなさい』とか言い切型になりやすいです。一方、科学的根拠に基づく治療は歯切れが悪くなりがちです。なぜならば、サイエンスである以上、結論が完全な白や黒になるというのは基本的なく、『ほぼ黒のグレー』から『ほとんど白といっていいグレー』までと、結局グレーであることがほとんどだからです。頭の良い人であっても、自身や大切な人が病気になったら、こういう言い切型の方法に飛びつきたくなってしまうものだと思います。
それから、『標準』治療と言われると、なんだか他にもっと素晴らしいハイクラスの治療があるかのように連想するかもしれません。しかし、ここでいう『標準』は、『人類の英知によって到達した有史以来最も信頼がおける治療』という意味です。この位、グレートな形容詞を標準治療には付けて欲しいです( ゚Д゚)。
私のキャリアゴールである『日本を含む全アジア地域で、全てのリハビリテーション対象者が、適切な価格でエビデンスに基づいたリハビリテーションにアクセスできる社会を実現する』を達成するには、リハビリ対象者のリテラシーも高めないといけません。なぜなら、どのようなリハビリを受けるかの最終決定権は当然、リハビリ対象者が持っているからです。
医師以外の医療従事者や一般の方々が、医学論文を完璧に批判的吟味をするというのは正直言ってハードルが高いです。ですので、それぞれの方の必要に応じたリテラシーを身につける仕組みが必要だし、そういったものの構築に関わりたいです。
医学論文が読みこなせなくても、この本に書いてあるような方法を意識することで医療デマにだまされ『にくく』なることが期待できます。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました
理学療法士 倉形 裕史