ウズベキスタンの旅⑫ サマルカンドの宿へ 2023.03.24 15:25 サマルカンド駅に到着すると、向かい側のベッド席の彼は「じゃあ」と笑顔を残して先に降りていった。日本並みの正確さで列車が到着。時刻は20:05すっかり夜だ。ホームに降りた大勢の乗客たちの波に乗って駅構内へと入る。私がトイレに寄っている数分の間に皆それぞれの行き先へと消え、すっかりいなくなっていた。深呼吸をしてから、「さてと。」と口に出して気合を入れ直す。宿へ向かうにはサマルカンド市街地へ行かなければならない。ぼったくられないタクシーアプリでタクシーを呼べば、ごく普通に格安で行くことができる。日本円でも200円くらいだ。しかし。ウズベキスタンの現金がなくなりそうだった。昨夜の宿でアメリカドル払いができるとのことだったが、それができずに現地通貨スムで払ったためだった。そしてなにより、私はバックパッカー1人旅をしているのだ。やはり、ローカルバスでどうしても行きたい気持ちがあった。バスなら15円ほどで、しかもカード払いでいい。「地球の歩き方」情報によればサマルカンド駅付近のバスは20時過ぎには終わっているという。それでも、終わったことを確認するまではあきらめきれず、「駅前のメイン通りをしばらく行くとバス停がある」という曖昧な情報を頼りに私は歩くことにした。さすが一大観光地の駅前。高いビルはないが、ネオンで明るかった。駅前には公園のような広場があり、年末のイベントなのだろうか、多くの人が集まり行き交っている。そのため、でかいバックパックを背負った私が歩いていても目立たず、タクシー勧誘もほとんどなかった。 公園の角に大きな十字路があり、メイン道路が交差していた。ここならバスが通っているはず。ちょうど家族連れがいたので、ポケトークでたずねる。どうやら、この辺の方たちではないらしく、分からないらしい。タクシーで行けばいい、と言われたが、「バスで行きたいんです」と答えた。ありがとうと伝え、バス停を探して市街地方面へと少し歩く。50mほど歩くとバスの標識があり、売店付きのバス停があり、電気が点いている。やった。ここにも家族連れの客がベンチに座っていた。おじさんに地図を見せて、「レギスタン広場へ行きたいですが、バスはありますか」とたずねる。通じなかったのか、それとも日本語の地図に興味津々なのか、地図を食い入るようにして数人が見始めた。「バスならあるよ。」よかった。「じゃあ、待ちます」それから質問攻めが始まった。どこから来たのか、いつ来たのか、どこへ行くのか。何故か記念写真も撮った。 そのうち今度は誰かが「バスはもうないから、タクシーで行け。」と言い出した。ないんかい!「タクシーならそこの機械で呼べる。」指差した先にはスマホがなくても呼べるタッチパネル式の機械があった。「いえ、アプリがあるから安く呼べますので」と私が言うと、「アプリより安い」と行って、道路に走るタクシーを捕まえだした。すぐに一台が停まり、交渉している。「10000スムでいい」アプリより5000スム安かった。本当にその金額でいいのか、もういちど運転手に確認し、おじさんの善意に乗ることにした。運転手に地図を見せて宿の位置を伝えると、どうやら分かったようだ。慌ただしい一連の流れに戸惑いながら、タクシーに乗り込み、家族連れに手を振ってお別れした。すぐにグーグル・マップでナビをする。方向は合っていた。そのうちタクシーが停まり、窓を開けて誰かと一言二言話す。すると、その相手が乗ってきた。どうやら相乗りの客を乗せたらしい。そういえば相乗りの情報が本に乗っていた。しかし、物取りの可能性がないわけではないため、いつでもタクシーをのドアを開けて飛び降りられるよう体の準備はしておく。イベントで賑わっていた駅前を離れると一気に人気がなくなり、店も閉まっていて暗さが増していく。同時に不安も増していく。このタクシー運転手は信頼できるだろうか。無事に宿にたどり着けるだろうか。毎日移動が続く旅ではこの緊張感を毎日味わうことになり、結果的になにもかもうまく事が進むと、それが旅の達成感にもつながっていることは否めない。幸い、10数カ国の旅をしてきたが、スリ、強盗、など危険な目には一度も合っていない。3キロほど走ったろうか、5分ほどで客は降りた。私の宿はこの道をUターンして戻る必要があるが運転手は気付いているのか・・・。しきりにナビを確認しているが、よく把握できていないようなので私のスマホ画面を見せ、「Uターンしてしばらく行ったところです。」とポケトークで言い加える。分かってくれたようで車は再び発車。今度は通り過ぎてしまわないように自分がナビをよくみつつ運転手に指示を出して停まってもらった。約束通りの金額を渡し、タクシーはまた夜の街に消えていった。12月30日 時刻は夜20:45ここに来るためにずっとこの度を計画してきた。シルクロードの青の都 サマルカンド初日の宿になんとか到着した。