基本の占星術<10天体について>
占星術の基本
10天体について
ホロスコープでは、どの星座やハウスにどの天体(星)があるかによってその人の特徴やその日の運気を割り出します。天体によって意味が異なり、それぞれの星座やハウスに入ることでさらに複雑に読み解きがなされます。それはまるで宇宙とのコミュニケーションで、それが星を読むということだと思います。
占星術師によってその星読みの仕方も、見る角度もかわってきます。それは、その人が求めるものや重要視していることを通して読み解いていくので、人の数だけ読み解き方も解釈も違うと言われています。
ここでは、基本の10天体(星)についてご紹介していきます。
月
~感情や日常のパターン・心の反応を表す~
かに座の支配星
公転周期 約28日
私が占星術のセッションをするとき、一番重要視しているのはこの月です。月は過去世とも深いつながりがあり、月星座をみることでそのひとの心の感じ方、大切にしたい事柄などが浮かび上がってくるからです。
人は生まれ変わりの時、だいたいの予定を決めて生まれてきますが、月はそうした前世と現在のつながりを教えてくれる星です。前世でやり残したこと、そのまま続けたいことをやり遂げるために最適な環境・場所・時間を選んで生まれてくるのです。その手がかりをつかむために、月が及ぼす影響はとても大きなものです。
月は太陽の光を受けて輝くことから、家庭内での妻や女性を象徴しています。ほかの天体との角度による影響を受けやすく、吉角度か凶角度かによって月の読み解き方も変わります。
<キーワード>
女性・家事や育児・幼児・母親・習慣・感情・受動性・個人生活の領域・素の自分
太陽
~公の社会的目的や目標を表す~
しし座の支配星
公転周期 365日(1年)
太陽は公に向けての顔であり、人生の目的や目標を表す天体です。月が「自然体の私」だとしたら、太陽は「目標に向かって努力する私」です。つまり、太陽の要素はもともとの素質ではなく、努力をして得ていく要素になります。それは、人とかかわることでわかる自分の側面であり、他の天体がどのように影響があったとしても一生を通して太陽星座の冠をつけて社会を生きていくことになります。
女性のホロスコープでは、太陽を夫や父と読むことがあります。
<キーワード>
社会的・男性的要素・目的・目標・職業・生命・地位
水星
~知的領域・知性の発達を司る~
ふたご座・おとめ座の支配星
公転周期 88日
水星は、太陽に最も近い天体であり、地球からの観測では、黄道(太陽の見かけの通り道)上で最大28度しか離れることがありません。そのため、占星術的には水星は太陽に従属する天体ととらえ、太陽があらわす「公の場」にどう適応するかが関わってきます。
太陽の周りを素早く動くその見かけから、知的なことや話し方、近距離の移動などを表します。
<キーワード>
コミュニケーション力・近距離移動・機敏な反応・言語能力・事務処理能力・手紙や郵便
金星
~感受性の華やかさ・どんな時に自尊心を形成できるか~
牡牛座・てんびん座の支配星
公転周期 約225日
金星は、五感を感じる楽しみ全般に関連し、本人の美的センスやファッション傾向、音楽など芸術に関する好みを表します。
私が占星術で金星を見るとき、金星は自尊心と深いつながりがあるので、どのような場面で自尊心を形成できるかなどを見ていきます。主に、金星は美や愛情・流れなども表すため、恋愛運や金運を見るときもこの天体を見ます。恋愛や金運は自尊心が強まればよい縁・運を得られますので、ご自身の金星をどのように使えばいいのかをアドバイスすることもあります。
<キーワード>
流れ・恋愛・お金・華やかさ・女性性・衣装・自尊心・魅力
火星
~対外的な主張や行動パターンを表す~
牡羊座の支配星
公転周期 約2年
火星は、外側に向けるエネルギーやその人の行動パターンを表します。金星が女性的な部分を表すとしたら火星は男性的な部分を表します。火星を見れば、その人がどのように情熱を傾けるかのエネルギーの出し方がわかります。
行動にムラがある人、恋愛関係でうまくいきにくい人はこの火星に着目します。火星は月の個人的な素の自分を守るための武器であり、守るための攻撃でもあります。それが激しすぎると、自分や他者を責めたり、自己防衛が働きすぎたりする場合があります。
<キーワード>
攻撃性・男性性・行動力・武器・主張・否定
木星
~拡大・幸運を表すラッキースター~
いて座の支配星
公転周期 約12年
木星は、拡大・幸福感を表すラッキースター☆1年間の間に1つのサイン(年始から年末までというわけではない)に滞在するため、その期間中に滞在するサインの分野に取り組むことで人生が拡大・発展していくと言われています。
個人の社会性を広げていくうえでは、火星・木星・土星のパワーバランスはとても重要で、木星だけが強くても安請け合いの器用貧乏で終わってしまう可能性が・・・。
火星の力の方向性と、木星の拡大意識、次の土星の誠実さ。この3つがうまく合わさって、自分の星をうまく使いながら社会で役立っていけるのです。
<キーワード>
拡大・幸運・縁・発展・成長・慈愛・寛大
土星
~制約・規制・モラル・安定性を表す~
山羊座の支配星
公転周期 約29年
土星は、制約や規制などを表します。比較で言うと、木星がその人の得意分野を表すとしたら、土星は苦手な分野を表し、公的な表し方をすると、土星は、太陽の社会性を表す部分への天井を表し、太陽星座が目指す天井が土星であると私は見ています。
太陽が目的意識なら、それをコントロールするのは土星です。土星は私にとって漬物石という感じで、重みがあればあるほど、漬ければ漬けるほど味が出てくる。そういった見方をすることもあります。
<キーワード>
規制・制約・安定感・真面目・時間・修練・忍耐
天王星
~時代を表す革命の星~
みずがめ座の支配星
公転周期 約84年
土星より遠くにある天王星、海王星、冥王星はトランスサタニアン(土星外天体)とよばれます。公転周期が長い土星外天体は、とても強い影響力を持ちます。
天王星は公転軸に対して自転軸が横倒しになっている星で、革命・革新・独立性・エキセントリック・オリジナリティを表すと言われています。天王星以降の天体は、時代背景を表すので、個人レベルで言えば集団意識や、後天的な影響を与えます。
私はこの天体は、土星が規制・安定させてきた枠組みを外す大きな力を与えると感じています。
<キーワード>
エキセントリック・革命・革新・オリジナリティ・破壊
海王星
~どこまでも拡大する潜在意識にアクセスする星~
うお座の支配星
公転周期 約165年
その名の通り、海のようにどこまでも広くどこまでも深い果てしない潜在意識のような広がりを表す海王星。意識的には、海王星の影響を感じることはありません。海王星の意味は、ロマン・幻想・見えない世界・この星が与える影響は、主に時代背景を表します。
私が個人で占う場合は、海王星が入っているハウスを見たり、生まれてから時代とともに受ける影響の方をみたりします。
<キーワード>
幻想・理想・ムード・流行・放浪・霊感・スピリチュアル
冥王星
~道を外れたとき、半ば強制的に導く人智を超えた星~
さそり座の支配星
公転周期 約248年
冥王星は、死を司る天体で、生と死に関わることを示します。始まりと終わりを示すと同時に、物事を根底から覆し、再生、刷新を示します。また、地下に眠る資源、財産なども支配する感受点です。
冥王星は計り知れないエネルギーがあるので、この天体と関係性が深い天体との角度は、その人に人間離れした力を与えます。
普段は影響を感じることはありませんが、人生の道の途中で、大きく行き先を間違えたときは冥王星の強制終了が入ります。それは、本人はどうしようもできない出来事をもたらすので、恐ろしく感じられるかもしれませんが、生と死を体験させることで道をただすと私は解釈しています。
<キーワード>
生命・死・前世・極端さ、破壊、強制力、強引さ