インフルエンサーとコラボ商品をつくることのメリット
商品のライフサイクルマネジメント は非常に重要です。商品の成長期から、他社の参入が活発化する成熟期には、日々たくさんの類似商品が市場にリリースされていきます。そのような状況の中で、他社商品に埋もれず、自社商品の販売数を伸ばしていくために、各社が工夫を凝らしています。
※ライフサイクルマネジメント:製品/商品のライフサイクルを考慮したマーケティング手法のこと
その「工夫」について、ひとつに、
(1)商品発売時のインフルエンサー起用
が当たり前化してきています。SNS上にいる多数の生活者に一気に情報接触を図り、話題化を狙う施策も活発化している印象です。また、
(2)インスタグラマーやYouTuberとのコラボ商品のリリース
も非常に目を引くようになってきました。以前は、「タレント」が協力していた商品開発も、「インスタグラマー」や「YouTuber」といったいわゆる「インフルエンサー」も商品開発に積極的に参加するようになったと感じます。「インフルエンサー」のファンを中心に、話題化を狙い、商品販売数の山を作る戦略です。
今回の記事では、上記(1)、(2)を行っている商品のPOSデータ(ドラッグストア、スーパーマーケットに限る)を抽出し、施策展開時にPOSがどのような動きをしているか調査してみました。
■商品発売時のインフルエンサー起用事例
1.『日用品』(シャンプー)
商材:シャンプーA・B(複数種類あり)
発売:A→2015年1月末 B→2015月8月中旬
単価:1,400円程度
販路:ドラックストア・バラエティショップ
【図1】既存商品(シャンプーA・B)のPOSデータ
※売上点数:ドラックストアにおける1店舗あたりの売上点数の指数
【図1】を参照ください。上記にも記載しましたが、グラフ化されている既存商品A・Bは2015年に発売されたもので、新商品の発売は2017年4月21日です。上記のグラフの売上点数には新商品の売上は入れず、シャンプーA・Bのみにしています。グラフを見ると、新商品が発売されたタイミング近くで既存商品の売上が上がっていることが分かります。また、新商品の発売にあたりインフルエンサー(このプロモーションではInstagramer施策が中心でした)の投下も行われており、生活者は「Instagramやその他広告を見て、実際にドラックストアやバラエティショップに行ってみたら、既存商品もあり、どちらか店頭で迷った結果既存商品を手にとって見る」という現象が起きたとていることが考えられます。
2. 『コスメ』(リップ)
商材:リップC(複数種類あり)
発売:2017年7月初
単価:1,500円
販路:バラエティショップ・ドラックストア
【図2】既存商品(リップC)のPOSデータ
※売上点数:ドラックストアにおける1店舗あたりの売上点数の指数
【図2】を見てみると、【図1】のシャンプーと同じく、新商品発表のタイミングで既存商品の売上が伸びていることが分かります。リップCは、発売開始直前期に「TOPインスタグラマーの起用」をし、発売同時期に「Microインスタグラマーの起用」を行っていたことが、Instagram内で確認ができました。
3. 『食品』(ペットボトル飲料)
商材:ペットボトル飲料D
発売: 2009年
単価:150円程度
販路:スーパー・ドラックストア
【図3】既存商品(ペットボトル飲料D)のPOSデータ
※売上点数:ドラックストアにおける1店舗あたりの売上点数の指数
ペットボトル飲料Dはコラボ商品の事例です。コラボ商品が発売されると、図1、2と同じく既存商品も売上の山ができていることが分かります。
以上の3つ事例からも分かるように、どんな分野の商材であっても、新作やコラボ商品を出すと「既存定番品の盛り上げ(=このブログでは売上)」に貢献することが分かります。そしてPR手法として当たり前化しつつある、インフルエンサーの投下も同じく行われていました。
■「インフルエンサーとコラボ商品をつくることのメリット」とは
インフルエンサーにただ、新商品を自身のアカウントでPRして頂くだけではなく、当社ではインフルエンサーと企業商品開発からのご相談も受けております。以下に、インフルエンサーにパッケージリニューアルに携わっていただいた実績をご紹介します。
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・商材:デンタルサポートガム
・企業からの要望:新商品のパッケージと味を刷新したい
・ターゲット:OL
・パッケージリニューアルタイミング:2017年8月
・実施内容:
1. インフルエンサーを集めた座談会を開催。現在の商品への率直なご意見をいただく
→ここでは敢えて企業の方にはご参加頂かずに正直な意見を吸い上げました
2.インフルエンサーからの率直な意見をもとに新パッケージの候補案を制作
3.完成した新パッケージ案から、インフルエンサーが最終選定
4.刷新した商品パッケージをインフルエンサーSNSアカウントで投稿しPR
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このような取り組みで、本来のターゲットである「働く女性」が少し手に取りづらいパッケージを、インフルエンサーがパッケージ開発に携わることにより「少し高級感のある白を基調としたパッケージ」と「すっきりしているが甘みのある味」に生まれ変わることができました。
ここで実際に、「Dolphin Eye(*)」を利用し、ドラッグストアのPOSデータを確認したところ、リニューアル前の2016年9月から2017年2月にかけての、1店舗あたりの売上点数は合計5.54、リニューアル後の2017年9月から2107年2月の、1店舗あたりの売上点数は合計14.2となっており、リニューアルと共にしかけたプロモーションが成功したと考えられます。
*:株式会社TrueDataが提供するビッグデータ活用ツール
インフルエンサーは、生活者(フォロワー)が、自分の「お手本」にしたいと考える人達であり、近い嗜好をもった生活者がその周りに集まります。彼女達(インフルエンサー)が好きなものや、作ったものはフォロワー達も同じく好きな可能性が高く、更に、フォロワーはインフルエンサーがPRする商品が「本当に好きなのか」を投稿内容から敏感に感じています。
プロモーションにインフルエンサーの感性を活かすという視点で、コラボ商品開発という施策も有効的であると考えています。
サイバー・バズではスポットのPR協力だけではなく、商品開発協力や、ウェブCMやウェブページといったコンテンツ作りへの協力など、長期にわたって、商品のPRにインフルエンサーを起用することも可能ですので、是非ご興味をお持ちでしたら、お問い合わせください!
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