マングローブって何?
「マングローブ」って何か知っていますか?
木の名前じゃないんですよ。
熱帯地方の汽水域に満潮になると海水が満ちてきます。その海水が満ちた場所に生えている植物の集合体を「マングローブ」って言うんです。
マングローブの種類は何十種類もあり、とても面白い植物です。
日本では沖縄本島・石垣島・宮古島・西表島・奄美大島・屋久島などで見られます。
マングローブにはたくさんの生体が生息しています。
カニやハゼの仲間などが住処として生息し、水鳥もきます。
マングローブと地球温暖化の関係
地球温暖化の問題は、二酸化炭素などによる温室効果ガスの排出により、進行します。
世界中では、この温室効果ガスの排出量を減らす取り組みがされています。
二酸化炭素の増える要因は、石油や石炭などの化石燃料の大量消費だけではなく、熱帯林などの消失もあげられます。
植物は、光合成によって取り込まれた二酸化炭素を炭素成分として様々な化合物として、葉や幹、枝、根などに蓄えます。
植物を増やすことは、大気中の二酸化炭素濃度を減少させることができるのです。
マングローブ林の炭素貯留量は、熱帯雨林に匹敵します。
また凄いのは蓄えた炭素が地中にも蓄積できるのです。一般的な熱帯雨林の地中蓄積量を100とするとマングローブは1300~1500の地中蓄積量になります。
マングローブ林を再生させることで大きく地球温暖化防止に繋がります。
マングローブとサンゴは共存?
マングローブの凄さは、二酸化炭素を吸収することや生物の住処になるだけではありません。マングローブ林が海岸浸食の進行を防ぐこともあります。また、沖縄では大雨が降った時に赤土が海に流れてしまいます。その赤土でサンゴ礁が死んでしまいます。マングローブは赤土の流出によるサンゴ礁への被害を軽減してくれます。
サンゴ礁で生まれた小魚やカニなどはマングローブ林を住処としています。
マングローブとサンゴは非常に密接なつながりがあり、どちらか一方がなくなるとマングローブの生態系とサンゴ礁の生態系に影響が出ます。
1.マングローブがなければ赤土によりサンゴ礁が消える
2.マングローブがなければ小魚やカニの住処が奪われる
3.マングローブがなければ水鳥や周辺の植物がいなくなる
沖縄で良くマングローブの苗を販売しているのを見かけます。
海水水槽で飼育する場合は、照明などに注意して育てる必要があります。
マングローブの種類によっては、好む塩分濃度が様々です。
上手に成長させるためには種類も見極めて購入するといいです。