天気予報の勝又と降雨装置のたろう! RTDリーグ2018 WHITE DIVISION 31-34回戦レポート
5/14(月)、5/17(木)21:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグ2018 WHITE DIVISION 31-34回戦の様子をお届けします。
レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。
前回までの成績はこちら↓
▼▼▼31、33回戦:正統派・勝又の天気予報による傘売り▼▼▼
さて、そろそろ梅雨の時期に入ってくるころだ。
ではここで梅雨クイズ!
もしあなたが雨傘屋だったとしたら、どうやって傘を売るだろうか?
おそらく、多くの方が「雨が降りそうなところに売りにいけばいいんじゃない?」と思うのではないだろうか。
そう!それが正統派の考え方である。
雨傘屋・勝又の思考「経験則的、統計的にあの辺りに雨が降りそうだから、そこに傘を売りにいこう」
勝又はアガれそうなところを探し当てる能力に長けており、その能力に従って着実にアガリを重ねていく。
超高性能の気象予報士といった印象である。
自分の目から7sが3枚見えた一見良く見える6s9sを頼りに、1つ仕掛けたトイメンの達也に対し、北を抱えて7sを先切りしておく手はある。
しかし、こういうとき、勝又は「9sが固められている」と疑っていることが多いように感じる。
つまり、勝又にとっては6s9sが「アガれないかもしれないところ」と見えているのではないか。
それを前提に、上家で2フーロの平賀に対して7s切りを先送りする意味もあり、ここでは北切りで目一杯に受けると、その選択が活きるツモ2pでリーチ。
2pアンカンの後にツモって4,000オールとした。
このトップで波に乗る勝又は、次戦でも白、中とポンしてマンガンツモスタートでトップ目に立つ。
すると、トップ目を維持して南3局を迎え、早々に自風の北をポンして中を引いた。
このままでもトイトイの5,200で追加点としては十分である。あとは、余剰牌に何を求めるかだ。
7pを切り、中と白の重なりを求めて安全度の高い字牌を抱えながら打点も上げていく手順もあるが、勝又は打中。
河を見ればピンズの上が場に安く、ここでターツができればかなりアガリが取れそうだ。
すぐそこに、ピンズに雨が降ることがわかっているわけである。
すると、1pをポンした後に目論見通り6pを引くと、直前の5pを鳴いていないこともあり、和久津からすぐに8pが出て5,200。
同じ5,200だが、トイトイよりアガリやすい待ちで最速のアガリを決めた。
連勝を決めた勝又がトータル2位まで浮上し、佐々木の背中を視界に捉えている。
▼▼▼32回戦:破天荒・たろうの降雨装置による傘売り▼▼▼
余剰牌にアガリやすさを求める傾向が強いのが勝又なら、強烈に打点を求めるのがたろうだ。
雨傘屋・たろうの思考「もし豪雨を降らせることができれば、あの屋外イベント会場で高くたくさん傘が売れそうだ。ならば、そこに雨を降らせてしまえ」
傘が高く売れる状況を自分で動いて作り出していく。それがたろうの考え方だ。
猿川の4,000オールで幕を開けた32回戦、たろうはなんとこんなところから5mをポンしていく。
すると、そのあと發、9pと続けてポン。
どんなテンパイかといえば・・・
テンパイしてないんかーい!
いくらなんでも、これはどうやって雨降らせるのだろうか。
これは・・・
たろうから1枚切れの西が切られたのを見た和久津の立場に立って考えると、たろうはテンパイならほぼトイトイのシャンポンだ。
すると、シャンポンに当たらない8pは安牌で、生牌の2sが危険に見える。
したがって、2sを押さえていったん8pを1枚切っておこうという発想になるだろう。
この8pにたろうからロンがかかり、3,900もあるのだからゲリラ豪雨もいいところだ。
そして、この6,000オールで猿川を完全にまくると、南1局の第1打がちょっとすごい。
たろうは、ここから6sを打った。
ドラ引きが確定しないのであれば、トップ目であるこの状況でリーチ手順を踏みたくなく、それならうまくいったときのチャンタに照準を合わせようというわけだ。
ちなみに、勝又なら、場に安いソウズの上を9sで拾うことを視野に入れながら、7mか中辺りから打ち始め、ドラが先に引けたときのリーチか、ソウズのホンイツをメインに局消化を目指すのではないかと思う。
それが、私の思う勝又とたろうの違いである。
今局では、佐々木のリーチ宣言牌3pをチーしてイーシャンテンまでが精いっぱいだったが、第1打6sに破天荒な降雨屋・たろうを見た。
▼▼▼34回戦:逆転の猿川、本格始動▼▼▼
前回たろうにまくられた猿川が、今回も18,000で先制する。
すると、トップ目で迎えた南1局で4pを残して1sを打ち、ホンイツをボカしにかかる。
そして、2枚目の北をポンしてテンパイを組むと、2着目の達也から直撃してトップ。
なんと、ペナルティ圏内を脱出する6位まで浮上した。
ちなみに、雨傘屋・猿川はというと、「うーん、なんか今日売れそうな気がしないから、かき氷売りにいこっかな」である。
売れそうな気がしないというところも感覚なら、傘にこだわらない戦略も自由な発想。
そんな独特の感覚が「逆転の猿川」を支えていると思われる。
ここまで来れば、目指すは上位進出だ。
※あくまで筆者のイメージです。
鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)
■次回は、5/21(月)21:00からWHITE DIVISION 35、36回戦をAbemaTV 麻雀チャンネルにて放送予定