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Evidence Based Physical Therapy - 理学療法士 倉形裕史のページ

【読書】代替医療解剖① リハ職種向け:Evidence Based Rehabilitation を何から始めに学ぶかわからない人向けの本

2018.05.20 06:20

こんにちは。

夢のまち訪問看護リハビリステーション 都賀の理学療法士の倉形です。

以下に書くことは、私の所属先などとは一切関係のない私の私見であり、文責は全て倉形個人にあります。


私のキャリアゴールは、『日本を含む全アジア地域で、全てのリハビリテーション対象者が、適切な価格でエビデンスに基づいたリハビリテーションにアクセスできる社会を実現する』です。詳しくはこちら記事を読んで下さい

 この目標を達成するためには、リハビリ職種がEvidence Based Rehabilitationに関して知識を持っていて、実践できることが必要になります。


ところで、Evidence Based Rehabilitationというとなんだか敷居が高い感じがしてしまいませんか?

ただ、基になっている考え方は非常にシンプルです。


① いかに治療者と患者の勘違い(バイアス)が結果の解釈を歪めないないかを大切にしてデータを

  収集する。

② そのデータを統計を使って解析して、意味のある治療法を見つける

② その治療法を、適応のある患者群に用いる


 全くEvidence Based の考え方に触れたことのない方であればこの程度の認識から入っても問題ないはずです。

Evidence Based Rehabilitationには興味がある。でも、何から勉強すればいいかわからない。という方もいらっしゃると思います。そういう方のために、お薦めしたいのがこちらの本です。


 イギリス人のサイエンスジャーナリストのサイモン・シンさんという方が書いて、青木 薫さんが翻訳しておられます。このお二人のコンビはサイエンス・ノンフィクションの分野で非常に評価が高く、ビックバンのことや暗号解読に関わることなどの本も大変興味深いです。


あらすじのようなものは、書評を書いておられる方がたくさんいらっしゃるので、そちらをご参照されるとよろしいかと思います。
たとえばこちら

 本のタイトルは少し違いますが、これはハードカバーの時のタイトルで、文庫本化されるときに上記のタイトルに改変されています。

 リハ職種として、この本が有用だと思う理由は、EBM(Evidence Based Rehabilitationの根底にある考え方)がどういうものか、読んでいて非常に興味エピソードを通じて学ぶことができることです。特に、歴史上はじめてランダマイズド・コントロールド・トライアルを実施したジェームズ・リンド医師の発見とその後の残念な結果などは、面白かったです。

これを読むと「あ~、解剖学・生理学・運動学『だけ』に基づくリハビリってやってはだめだな。きちんと患者さんへの介入研究で検証された治療法を探して、それを使わないとな・・・。」と反省させられると思います。

あらゆる年代のリハビリ専門職種に一読をお薦めしたい本です。

ちなみに、下の写真が私の私物です。何回も読み返して、付箋を付けて、書き込みしてでボロボロです(*´Д`)。


・・・・新しいのをもう一冊買おうかな?文庫本だから価格もリーズナブルだし。。。

次回は、同じ本でもう一回書きます。もともとは一般の方向けに書かれた本なので、一般の方のヘルスリテラシーを高めるためにも有用だと思うからです。一般の方が私のブログをわざわざ読まれるかは疑問ですが、もし辿り着かれる方がいてくれたら、役に立つ情報を提供したいです。


今日も、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました

  

理学療法士 倉形裕史