その裸の帝王、ライフンヌ3
2018.05.21 06:06
美しさ
儚さ
弱さ
強さ
俺は女が好きだった。
それと同時に苦手だった。
今までそれなりに女と寝てきた。
多くもなく、少なくもない。
母を見てきたからだろうか。
普通の優しい恋愛を望んだ。
そのどれも、長く続いたことは無いが。
ポンドポーチにやってきて間も無く、俺は母さんによく似た女とすれ違った。
「…!」
振り返るが彼女はもう人混みの中に消えていた。
夢か幻か。この町は俺の心をざわつかせた。
「ライフンヌ、どうやら町のマフィア連中、俺たちに目をつけてるぜ。」
既にポンドポーチには、町を仕切る大きなマフィアの組織が存在した。
俺たちは新たにやってきた、しかも勢力を伸ばしている若手の集団だ。
煙たがられないわけがない。
ぶつかり合う前に決断した。
「俺たちはこれから、ポンドポーチを仕切るマフィアの傘下に入る。」
無駄な争いも、仲間たちを失う事もごめんだった。
それに俺はここからのし上がれる自信もあった。
組織に与えられた初めての仕事は、高利子での金の貸付と回収。
幸い資金は潤沢にあったし、何より俺は金を操るのが得意だった。
事業拡大の為、金を借りに来た最初の客のある男。
奴の家に出入りを始めて数日、屋敷の戸を叩くと見慣れない女が扉を開けた。
「あら、あなたは?」
そこにいたのポンドポーチに初めてやって来た時見かけたあの女性だった。
「……俺はただの金貸しだ。奴はいるか?」
金を貸しに、金を取り立てに行く度に、2人の姿が目に入る。
幸せそうなその女の顔に、母さんの面影を重ねて。
ポンドポーチのマフィアになって最初の仕事。
俺は必ず成功させると決めた。
そんな中、悲劇は起こった。
「俺は殺しなんてしてねぇよ。貸した金を返して欲しいだけだ。」
ーつづくー