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狭間

2023.03.24 20:55

父の特養への入居を何とかとの相談。探るに医療依存度が高いことが障壁となっているらしく。そんな状況を伝えるに、この最も多忙な折に私的なことにて申し訳ないと依頼主。心配には及ばず、と受話器を置いた。本来はそうあるべきはずも。

寄せられるはカウントダウン。「あと3回」、「あと1回」、「すばらしいバンザイ」。しばし後に「この度の奇跡的な優勝は色々と感じるところあり」と続き。八十五歳の老人が必死に打ったメールを無視するにしのびず、「ぜひ、お聞かせ願いたく」と打たば、「今日はつかれた、もう寝る」と。おい、多忙な市議が貴重な時間を割かんとするにそんな身勝手な話があるかっ。とは言えぬけど。

成長期とあらばそれもやむなし。倍近くありそうな体躯から繰り出される速球。負けてたまるかとの気迫が勝ってかファウルで粘った挙句、ライト前に転がりし打球も相手の堅き守備にアウトになりかねず。一塁までの全力疾走が悪送球を誘い。そう、その気合いと根性、あきらめぬ姿勢こそが。世界戦こそ見そびれてしまったものの試合はそこだけになく。開幕戦にて少年たちに声援を送った。

「異次元」などと申さば何かとてつもない政策に「見える」も例のカタカナに同じ、言葉遊びが先行しておらぬか、と訝しく思えてしまうのは私だけか。そう、少子化対策。

請願の項目には、適用年齢の拡大、所得制限の撤廃、一部負担金の廃止、と並び。三点のうちに二点が叶うことを以て是とするか、一点が叶わぬことを以て否とするか。口を挟むは若手の為ならず、と無言を貫いていたのだけれども隣席からせがまれて。

是非は勝手に、ただ、二つ叶うは「超党派」にて市に求めた成果、との一文は盛り込むように、とメモに記して。そう、この九月以降に小児医療費助成制度が拡充されることになり。

世間の耳目集めるはそちらなれど、新年度から施行される一つに若年がん患者の在宅支援があって。国民の二人に一人、といわれる中、若年がんは進行早く、若くして身内を失いし御遺族の悲しみはいかばかりか。

せめて自宅で、との意向あれども四十前とあらば介護保険の適用きかず、障害の認定を受けるに同様の支援は可能なれど、必要とされる医師の診断書に煩雑な手続き、尚且つ、待てども下りぬその承認。

んな制度の狭間にて翻弄されるままに御主人を失いし女性の話を聞いてもらえぬか、と若手市議の依頼に応じてお会いしたのが就任直後の議長室。悲しみ癒えぬ体験談に「やる」と返事をしたものの議長に質問権なく。

制度がそうなっとる以上はやむなし、というのが内心。ましてや新たな制度ともならば余計に上がらぬ重い腰。当初のそっけない答弁に私なら憤慨しとるところも粘り強く質問をし続け、晴れて叶いし念願。んな地道な成果も中々知れ渡らぬもの。名前を公表するはたやすきことなれどそれではすぐに忘れてしまう訳で。

「若年がん」「川崎市議会」で検索あれ。肝心な裏方の名が見当たらぬは些か寂しくもこれで改選前に心の荷が一つ下りた。

(令和5年3月25日/2771回)