ウズベキスタンの旅⑭ 両替所探し 2023.03.25 04:45 朝、7過ぎに目が冷めた。曇りのせいか、外は暗い。顔を洗いに洗面所へ行って戻ると、飼い猫の子猫がついてきた。昨夜からなついてくれている。部屋で朝食にとチョコとパンを食べる。さて、今日はまず、歩いて数分に場所にある高級ホテルへ行って、なんとしても両替をしなくてはならない。必要な荷物だけ持って下に降りていくと、まだキッチンは真っ暗。だれもいない。キッチン脇の部屋から子供をさとすような小声が聞こえた。奥さんたちはここで寝ているのか。起こすのも悪いと思い、私はそのまま出かけることにした。昨夜の売店とは反対方向へ歩き、別の大通りを目指す。交差点を渡ってすぐのサマルカンドで一番大きいというホテルへ向かった。8時近い時間だったがホテル内に人気はなく、客の姿もない。フロントでベルを鳴らすと奥から黒スーツのホテルマンが出てきた。「こちらで両替できますか?」もちろん、できるとか、できないとか、そういう考えではなくする気で来ている質問であったが、彼の応答に驚いた。「できないんです。」申し訳無さそうな表情にわずかに救われた。コロナで客がいなくなり、そういうサービスもしなくなったのだろう。しかし、それでは私は困るのだ。すぐ近くの他のホテルをあたる。「できないんです」同じ返答だ。「どこかできるところ知りませんか?」「向かい側に別のホテルがあるので聞いてみてください。」やばいぞ、できなかったらどうする。そのホテルに入るとちょうどスタッフがいるので聞いてみると今度は「できません」とかるくあしらわれてしまった。おい、どうする。他のホテルも当たってみるか。それとも両替所を意地でも探すか。ただ、外国人旅行者がいなくなったコロナで両替所をやる意味がない。おそらく消えてしまったのだ。最後の手段ATM。こんなこともあろうかとVISAカードでATMキャッシングにて現地通貨を引き出す方法も確認してきた。インドネシアでもやったことはある。ただ、人との直接やりとりでない分、操作方法や本当にキャッシングできるのか不安は大きかった。何かの機械の不具合でカードが飲まれたらアウトだ。ただもうやってみるしかない。幸い200mほど先に国立銀行があるのでとにかく行ってみることにした。ATMは銀行前の別のガラス張りの建物だった。財布からカードを取り出し、スマホでATM操作方法を再確認する。”English”のボタンを押して言語を替える。 PINコード(暗証番号)入力画面。次に金額入力画面・・・、まさか下ろせるのか。とりあえず、50万スム、約6000円を指定する。すると、日本のATMと同じように札を数えるガーッという音が聞こえ、しばしの緊張を経て、札が出てきた。その瞬間、私は思わず「よっしゃー!」とさけんでしまった。まるでいくらでも引き出せる魔法の機械のようにも思えた。ATMが使えること、いつでも引き出せること。それによって、旅の安定感が一気に増したのだ。札を数え、確認して冷静さを取り戻すと、これだけでは今後まったく足りないことが予想された。それならば今、目の前にATMがあるこの引き出せるタイミングでもう少し手持ちを増やしておこうと、もう一度50万スムを引き出した。幸い手数料も安かった。すっかり安心しきった私は軽い足取りで宿に戻った。9時を過ぎていたが、宿はまだ誰も起きていなかった。しかし、私はこの後旧市街へ行かなければならない。部屋で荷物をまとめて出ると、ようやくドミトリーの男性客が起きてきて洗面所にいた。アジア人だ。どこから来たのかと聞くと「韓国」だと言った。階段を降りて、先程声が聞こえた部屋をノックした。すると、まだパジャマ姿の眠そうな奥さんが出てきた。「すみません、1泊だけにしてこのまま出発します。スムが手に入ったので支払いをしたくて。」奥さんは、眠い目をこすりながらしきりに「なんで1泊なの?部屋が気に入ってもらえなかった?狭かった?」と聞いてきたが、そういう訳ではないことをちゃんと伝えた。ドル払いができなかったことで急遽計画が変わっていき、宿にはすまない気持ちもあったが旅は自分の直感で成り立っている。妥協などして好まない行動をすると後悔してしまう。その直感とて、旅を始める前から集めうる情報をすべて頭に入れ、研ぎ澄ませてきた結果としての直感なのだ。信じないわけがない。「残念ね。では気をつけてね」奥さんは眠そうながらも笑顔で見送ってくれた。宿を出た瞬間に気持ちを次に切り替えなくてはいけない。さて、いよいよ遺跡に向かう。