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紺碧の採掘師2

第16章 01

2023.04.20 12:00

暫く後。5隻の採掘船は死然雲海に入り、アンバーを先頭にシトリン、レッド、ブルー、黒船の順に一列に並んで飛んでいる。

ブルーのブリッジ前の通路ではプチお茶会が開かれていた。ジェッソや何人かのメンバーがお茶の入ったマグカップを手に持って時々飲みながら話をしている。メイがお菓子を入れたバスケットを持っていて、時々メンバーにお菓子を渡している。

メイ、ニコニコしつつ「お菓子食べたい人は言ってねー。」

武藤、ブリッジの戸口からその様子を見て「いきなり茶会が始まってしまった…。」

穣はバスケットの中の一口チョコを右手で摘まむと「あるあるだ。ブリッジ前通路は茶会の場と決まっている。」と言いチョコを口の中に放り込む。

武藤「いつからそんな事に。」

ジェッソ「黒船では飲み食いはしないが、よく溜まり場になるぞ、ここ。」

上総「皆が溜まるとそこだけ重くなるから重量バランス少し傾くってネイビーさんが言ってた。」

穣、お茶を一口飲んでから「何にせよ、これでやーっと選考採掘の本番スタートだな!」

満「…すまんな、3隻がゴタゴタしたせいで、邪魔をしてしまった。」

ジェッソ「まぁウチはアンバーに勝てればそれで。」

穣「ウチも黒船に勝てたらいいなーと。…大死然採掘に行けるかどうかは、なぁ。」

ジェッソ「ちょっと有翼種の船のレベルが高すぎるよな…。あれに勝つのは、うーん。」と首を傾げる。

満「そうなのか?」

上総「多分、カルロスさんが居たら受かると思うけど。」

穣「それはなぁ。」

ジェッソ「ただ全員、慣れてないからな。それにやっぱり有翼種は、本気度が違う。」

穣「ですよねぇ。まぁでも本音を言うと、俺が選考採掘に参加したいと思ったのは、大死然採掘以外の理由があるんだ。…イェソド側のお金を稼ぎたいなーっていう。」

満「ほぅ?」

穣「そりゃ出来れば大死然採掘にも行きたいけどさ、金が稼ぎたいってのが第一。」

ジェッソ、穣を見て「もしかしてカナンさんのお茶会で言ってた事か?」

上総「SSFの支部ですか!」

穣「それでもいいし、ターさん家の近くに採掘船の拠点を作るってのでもいいけど、金があれば何か出来るじゃん?」

ジェッソ「まぁなぁ。」

穣「護は自分の家を建てるって頑張ってるけど」

途端に満が「なんだと!?…護が?」と驚いて「どこに?」

穣「イェソドの麓の、ターさんの家の隣に。」

ジェッソ「だからカルセドニーで飛び回って採掘して稼いでる。」

満「…船を持ったからだと思っていた。」

穣「勿論それもある、維持費がかかるからな。だからジャスパーとイェソドの両方行き来して稼いでる訳よ。」

満「しかし…。」と言って首を傾げて「護の家を建てる為に、カルロスが一緒に船に乗ったのか?」

穣「んー…、そもそもあの2人は何か知らんが一緒で。」

ジェッソ「そこに何か知らんが駿河さんがくっついた感じだ。」

満「…事情がよくわからんが」

穣「俺もワカラン!とにかく話を戻すと、源泉石採掘するのはお金を稼いで新しい事をする為なんだよ。」

ジェッソ「稼ぎがメインとは。今知った。」

穣「だって人工種はジャスパー側だと制限多くて何をするにも窮屈で、だったらイェソドで自由にしようって話だよ!お金稼いでさ!…とりあえず護の家、早く建たねぇかなぁ。」

ジェッソ「皆でお金集めて建てるか。」

穣「本人が嫌がりそう。」

ジェッソ「頑張ってるもんな。余計な事は要らんな。」

穣「…これ俺の理想なんだけど、例えば5隻のうち3隻がイェソド鉱石を採って、あとの2隻は有翼種に売れる石を採るとか…。そしたらイェソド側のお金も稼げて、採掘船の拠点とか建てられるかなって。」

ジェッソ「まぁ、出来ない事は無いわな。」と言うと穣を見て「しかし随分と革新的な事を考えるよな。」

穣「だって昔っからこの石頭と戦って来たんで」と満を指差す。

満「…すまんな。」

穣「お蔭で革新的精神が身に付いた!」と笑い「だからこうして3隻が管理を振り切って出て来てくれた事が嬉しい訳よ。」

満、溜息ついて「管理か…。出るのはいいが、戻った時がな…。」

穣「それな。」

ジェッソ、ふと「あ、そういえば最終日前の補給はどうする?…ジャスパー戻らず結果発表まで突っ切るのは…ちと辛い。」

穣「でももう管理さんと遊びたくないから、ケセドで給排水しようぜ。純水申請で!食料は…3隻が街に入れないなら誰かがお金預かって『お使い』してくれば!」

ジェッソ「だな。ケセドで何とかするか。」

穣、満に「ジャスパーに補給戻りしないから、3隻は頑張って源泉石採って稼がないと、給排水や食料補給できなくなるんで宜しく!」

満「な、なるほど。」



やがて死然雲海の中の遺跡に到着した5隻は以前と同じように広場を挟んで着陸する。

各船のタラップが降ろされ、メンバー達がゾロゾロと広場に集い始めると同時にどこからともなく妖精達が集まって来る。

レンブラントや静流と一緒に黒船のタラップから降りて来た総司は、疲れた顔で溜息ついて「この大所帯を仕切るのは…俺なのかなぁ。」

レンブラント「まぁ黒船船長ですから、しゃーない。」それから傍らに寄って来た妖精を拾い上げて総司に見せて「ほら、妖精さんも応援してます。」

妖精「(・・)」

総司「…。」

そこへブルーの方からジェッソや上総がやって来る。

ジェッソ「戻りました。」

上総「ただいま!」

ついでに穣もやって来て、ガッツポーズしながら「ミッション大成功だったぜ!管理様をブチ飛ばしまくった!」

総司「素晴らしい!」拍手

更にアンバーの方から剣菱がやって来ると「さてと、黒船さん。ここからどうしようか。」

穣「あ、ブルーの中で話してたけど、最後の補給はケセドでしようって。」

総司「俺もそう考えてました。もう管理とは関わりたくない!」

剣菱「だよなぁ。」

総司「まあ全員揃ったら…」と言って周囲の人々を見回して「レッドが出て来ないな。」

剣菱「何となく出づらいのはわかる。」

総司「ですよねぇ…。」


レッドのブリッジではメンバーが必死に南部を説得中。

ウィンザー、南部に「頼むから外に出てくれませんか!」

南部は非常に困った顔で「…どうしても、私が…。」

ティーツリー、南部の腕を掴んで「だって船長ですからね!行きましょう!」

南部、嫌そうに「…しかし、その…。」と言って項垂れて「周囲の方々に、どんな」

ティーツリー「仕方ないでしょう!恥は掻いて下さい!」

サイタン「テメー、船長としての責任取るんじゃねぇのか?」

南部「それは、そう、だが…。」と言うと「確かに、出ない方が、みっともないな…。」と言って大きな溜息をつくと、重い腰を上げて立ち上がり、通路へと歩き始める。


南部たちが階段を降りて採掘準備室へ行くと、タラップの所で、二匹の妖精が上に乗ったスーツケースを傍らに置いた春日が一匹の妖精を手に取って輪太に渡している所だった。

春日は南部に気づくと、スーツケースの上の妖精を持ち上げ真剣な顔で南部に見せて「船長、これが妖精です。」

輪太も「これが妖精さんです!」と妖精を南部の前に掲げる。

南部「…。」微妙な顔でそれを見る。

そんな南部に春日、面白げにニヤニヤ笑うと自分のスーツケースをタラップ横の壁際に移動させて「他船の皆が待ってますよ、行きましょう!」と言って先導するように輪太と共にタラップを降りて行く。

2人に続いてタラップを降りた南部は、若干驚いたような表情で周囲の遺跡を見回すと、2人に付いて広場へと向かう。

広場に近づくにつれて他船の一同が南部に注目しているのが分かる。

南部(…視線が痛い…。)と、内心溜息をつきつつ覚悟を決めて一同の方へ歩く。

広場の中央には総司と剣菱、武藤と楓が円になって立っていて、それをぐるっと取り巻くように各船のメンバー達が立ったり遺跡の石に腰掛けたり地面に座ったりしている。

南部たちレッドメンバーが近づくと、ブルーとシトリンのメンバーがちょっと移動して間を空ける。その空いたスペースを通って南部は中央の船長達が集っている所に近づくと、剣菱が歩み出て来て南部の前で立ち止まる。

剣菱「…お久しぶりですね、南部さん。」

南部「…。」ちょっと黙って「…そうですね。」

剣菱「管理に随分とこき使われたようで。」

南部、短く溜息をつくと「…まさか自分が利用されているとは思わなかった。」と言い「他船の皆様には、大変失礼な事をしてしまったと思う。」

剣菱「アンタ、自分を利用した管理に怒らないの?」

南部「えっ」と意表を突かれたように剣菱を見る。

剣菱、ニヤニヤ笑って「重症だ。」と言うと「まぁとにかく今後の相談をしよう。」と言って南部から離れて総司の横に来る。

南部「…。」何かしら腑に落ちない顔のまま、少し前に出て武藤と楓の横に立つ。

総司「とりあえず3隻はこれからケセドに行って、そこで以前、各船に渡されたこのカメラで担当の有翼種に連絡を取って参加を伝えて下さい。」と言いつつ右手に持ったカメラをちょっと掲げる。「そしたら源泉石採掘開始となりますが、次の補給はジャスパーではなくケセドで行いますので各船はその為の代金を源泉石で稼いで下さいね。ただし、3隻はまだ街に入る許可が無いので、黒船かアンバーの誰かが代理で買い物をしてくる事になります。そこをどうするか…。」

するとブルーメンバーの後ろの方にいたメイが「あのー、質問でーす!」と手を挙げると「有翼種の街に、どんな食材が売ってるのか分かりませーん!」

総司「あー…。」

武藤「確かになー。」

黒船メンバー達の一番後ろにいたジュリアが口を挟む「基本的にジャスパー側と同じよ、調味料とかも。野菜はむしろ沢山あるわ。3隻分の食材のお使いなら、私がやってもいいけど。…出来ればアンバーのアキさんと一緒だと助かりますが。」

剣菱「…んー…でもなぁ。」と言い「有翼種にお願いして、何とか3隻の調理師3人だけケセドの街に入れてもらえないかな。もしダメだと言われたら、その時には黒船とアンバーの調理師2人でお使いに行くって事で。」

総司、溜息ついて「そこんとこ交渉してみましょう…。」

武藤、そんな総司を見て「…黒船さん、そんな頑張らなくてええよ?ゴタゴタ起こして邪魔したの、コッチだし。」

すると楓も「うん、黒船とアンバーは源泉石採掘に専念してくれたら…。こっちはこっちで自分達で有翼種と交渉して何とかするし。」

総司「じゃあそういう事で…何か困ったら言って下さい。」

そこへ武藤の背後に立っていた満が、神妙な顔で溜息をつくと「…黒船とアンバーには多大な借りを作ってしまったな…。」それから南部の少し後ろに立っているサイタンを見て「レッドの監督。このような状況で、3隻共闘作戦を実行するのか?」

サイタン「…スタートが遅れたせいで、黒と茶色をブッ潰せなくなった。面白くねぇ!」

満、頷いて「うむ。…恩を仇で返すような事はしたくないしな…。」

それを聞いた総司、若干イラついた様子で「…別に仇でも無いんで、やりたいなら3隻でこちらに張り合って頂ければ。」

満、ビックリ顔で総司に「なんですと?」

総司「だってその方が、ヤル気が出るでしょう。」

満「それはそうだが、…どう思う、シトリンの監督。」と陸を見る。

陸「…まぁ確かに、単に補給で必要な分を稼ぐ為に源泉石採るってのも物足りないしなぁ…。」

すると話を聞いていた穣が「ちょい待った。それだけじゃねぇぜ?」

陸「え?」

穣は一同の中央に進み出ながら「夢の為に源泉石採るんよ。」

陸「というと…?」

穣「最初に選考採掘参加したいと言ったの俺なんだけど、その理由にイェソドのお金を稼ぎたいってのがあってさ。だって金稼げばイェソドの街で遊べたり色々体験出来たり、つまり視野が広がる訳よ。そのうち3隻も街に入れるようになると思うんで、その時に新しい世界と可能性を知る為に、今このチャンスに稼いでおくんよ!」

陸「おお…。」と目を丸くして穣を見る。

穣「で、更にその先の夢も持っておく!例えばイェソドに住みたいとか新たな職で働きたいとか、家を建てたいとか、ジャスパー側では管理が絶対ダメだと言うような事もイェソドでは出来るんだからさ。」

陸「…!」

3隻のメンバー達もビックリしたような顔で穣を見つめる。

そこへ楓が「あの、でも…、あんまり自由にすると管理さんの締め付けが増々厳しくならない?」

陸「現に黒船とアンバーがイェソドに出てから、残った3隻への締め付けが厳しくなったよ…。」

その途端、総司が怒り口調でキッパリと「ならばいつまでも管理の庇護の元に居て下さい。」

楓「って…。」

総司「前にターさんが…ってか有翼種の方が言ってたんですけど、『人工種が採掘しないと人間が困るのに、何で人工種は人間に対して弱気なのか』と!…俺その言葉をつくづく痛感するんですよ。だって別に俺達は鉱石採らない訳でもないし、むしろちゃんと採ってるのに何で文句言われたり責められねばならんのか!…確かに3隻は締められたかもしれませんが黒船も相当、色々、ありましたよ!でもそれに屈してたら何にもならん訳です!」

剣菱ニッコリ笑って「ちなみにアンバーは何も言われないっていう!」

総司、剣菱に「俺は散々ブッ叩かれましたが!」

剣菱「ウチも一番最初に外地に出た時はブッ叩かれたよ、穣が!」

穣「なぜか採掘監督の俺が締められたっていう!」

剣菱「俺が『いや船長の責任です!』ってしつこく言ったのに管理さん、穣が大好きらしくて。」

穣「んで俺は監督をクビにされて、代わりにお目付け役の護がブルーからやってきたんだけど!」

剣菱「護も当時は酷かった…。そしたらドンブラコ事件発生で奇想天外な事になって、本当に物凄い大変だった。」

穣「あの時、管理にも怒られたけど、黒船にも怒られたなー!」

総司「…でしたね。」

剣菱「まぁ俺は逆に駿河船長に怒り返したけど!」

そこへ春日が手を挙げて「ひとつ質問です!…そもそもなぜ外地に出ようと思ったのかなと。理由は?」

穣「出てみたかったから!」

剣菱「だって外地に鉱石あったし。内地という限られた範囲で鉱石を採ってるよりは、外地で探した方が効率いいし。」

春日、大きく頷き「納得です。」

穣「俺は広い世界に出たかった、ずーっと昔から夢見てた、当時は誰もが絶対無理って言ってた、だけど今こうして出てるし、俺だけじゃなくて、こんな沢山の奴らが外地に出て来た。だから夢はでっかく持った方がいい。いつか、叶うかもしれない!…で、その為の第一歩が今この源泉石採掘っていうチャンス!」

思わず剣菱、拍手して「いい事を言う!」

穣、剣菱の方を向いてガッツポーズで応える。

総司、穣に「…で、いつかSSFの支部を作るんですよね。」

穣「出来たらなー!だってダアトの研究もしなきゃだし。御剣研とか!」

総司「あー、あれね!」

穣「選考に合格して大死然採掘に行けたら、もーっと稼げるから、黒船に負けないように頑張るぜー!」

総司「ちなみにですね、俺もずーっと昔、幼い頃に船長なりたいなって思った事あるんですよ。でも自分は人工種だから無理だと思ってて、駿河さんに船長やれって言われた時もマジかよ嘘だろ絶対無理って思ったんですよ!」

穣、総司に「夢って叶うよなー!」

総司「だからとにかく皆さんもっと自信持って、管理なんかに屈してちゃダメです!」

穣「やりたい事は思いっきりやれってな!」と言うと「いやー、まさかアンタとこんなに話が合うとは思わんかったわー。」と言いつつ楽しそうに左手で総司の背中をパンッと叩く。

総司「…で。」と言って一拍置くと「あと何か3隻に話すべき事あったかな…。」

すると総司の背後にいるジェッソが「源泉石の採り方かな。特に怪力人工種の。」

穣「あー!それそれ。」と言うと皆に向かって「…あれ石のエネルギーと自分の力を合わせないとダメなんだ。」

ジェッソ「イェソド鉱石と同じような感覚ではまず無理だ。もしエネルギー感覚が分からない場合は、筋肉勝負よ!」と右腕を前に突き出し左手で上腕をパンと叩く。

穣、思わず「はぁ?」

ジェッソ「私は等級5の柱を筋力だけで叩き切ったぞ。」

穣「マジかよ、どんだけ筋肉バカ…。」

ジェッソ「しかしだな。石屋のバートンさんに言われたんだが、等級が上がるほど、筋力で叩き切ると変に割れるらしい…。」

穣、満の方を見て「下手に割ったり砕くと等級が落ちるんだ。」

満「ほぅ…。」

陸「なんか難しそうですね、源泉石って。」

穣、陸に「そんな難しくもねぇよ、やってると何となく分かって来る。」と言うと「あ、あと雲海の霧を払うには、風使いが…」そこでアンバーのメンバー達の中にいる透の方を見て「透、説明して。」

透「ん?…霧を払うのは簡単だよ。むしろ楽しい。」

その言葉にメリッサも「最初は悩むけどコツ掴むと楽しいよね!」

透「風で吹き飛ばす感じだけど、風じゃなくてエネルギーに干渉する意識でやると、いい感じ。」

メリッサ「実際やってみればいいわよ、言葉で説明する方が難しいし。」

穣「…あと何か説明必要な事あるかな。」と考える。

礼一が手を挙げて「上総君に質問です!君は等級の識別探知、出来るようになった?」

上総「ん?んー…。」と言って「秘密!」

礼一「出来ないんだな!」

上総「…。」

マリア「沈黙が答えになってる!」

上総「マリアさんは?」

マリア「さぁ?」

礼一「…これは探知的に希望が!黒船より凄いとこ見つけられるかも!」

上総「でも見つけたからって採れるとは限らないし!」

ジェッソ「そこは我々怪力が頑張る所だな!」

総司「つまりですね皆さん! 1隻では無理でも、3隻で頑張れば、今からでも黒船かアンバーに勝つ事が出来るかもしれないんですよ!」

サイタン達「!」衝撃を受ける。

上総慌てて「船長!何てこと言うんですか!」

サイタン「これは3隻共闘作戦を敢行しなくちゃならねぇ!」

ジェッソ「ふ…。3隻まとめてかかって来な!」

上総「ええ!」

礼一「クォーツ君、ジュニパーさん、アレ倒そう!」と上総を指差す

クォーツ「了解です!」

マリア「待って、私も参加したいー!」

上総「マリアさん…!」

ジュニパー「カルちゃんの弟子に対して容赦はしないわよ!覚悟しなさい!」と上総を指差す。

穣「いぇーい!なんか楽しい事になってきたー!」

礼一「打倒ラスボス総司!」と総司を指差す。

進一「ついにラスボスとの戦いが!」

アッシュ「最終決戦が!」

総司「ラスボスは俺じゃなくてアッチだろ!」と南部を指差す。

礼一「3隻側のラスボスがレッドの船長で、2隻側のラスボスが総司なんだよ!」

一同「おおー!」謎の拍手が起こる。

南部「…。」

ジェッソ「なーるほど!」

穣、ケタケタ笑って「昔は満がラスボスだったのに!」

剣菱「満さん随分大人しくなったなぁ!」

満「…。」

総司、辟易顔で「…代わりに礼一がうるさくなった…。」

サイタン「とりあえず早く戦闘開始しようぜ!」

穣「んじゃ、あとは3隻がケセドで有翼種と話するって事で…。あ、ケセドまで先導が要るか。」

総司「先導しますよ黒船が。」

剣菱「ウチも一緒に行くよ。」