サンゴ飼育におけるKHとは
今回は「サンゴ飼育におけるKHについて」ご紹介したいと思います。
そもそもKHって何か?
KHとは、「炭酸塩硬度」と言う意味です。
サンゴ飼育においては、「重炭酸イオン」や「炭酸イオン」の濃度を示すアルカリ度として用いられています。
炭酸イオンの濃度が高くなればKHが高くなります。
KHの役割って?
1.pHを安定させる効果がります。
酸化物が入っていてもKHが高い状態だと「緩衝作用」でpHが下がりにくくなります。
2.KHの主成分の炭酸イオンはサンゴの骨格を作ります。
カルシウムと炭酸イオンが結合すると炭酸カルシウムになります。
炭酸カルシウムはサンゴの骨格の主成分になり、これを吸収して成長します。
3.二酸化炭素の代わりに炭酸イオンを取り込み炭素源として利用します
水中で光合成するために必要とされる二酸化炭素の代わりとして炭酸イオンを吸収しま
す。
KHの目標値?
KHは基本、8.4を基準に安定した8.0台をキープするのが望ましいです。(8.0~8.9)
LPS水槽のKHは8.0~9.0の値で多少高くても問題ありません。
むしろ、LPSは成長が遅く、また吸収も遅いので高めにします。
とは言え、KHがあまりにも高いと病気になるリスクもあります。
特にミドリイシは共肉が剥がれてしまう場合があります。
逆に引く過ぎると吸収する炭酸イオンが少ないので成長できなくなって、場合によってはダメになってしまいます。
水槽内にあるサンゴの種類や量に応じて消費する量も変わります。常に消費しているので補う必要があります。当然、サンゴだけではなく、コケも光合成をするのに使用しています。
KHを安定させるためには水換えはもちろんですが、カルシウムリアクターやドーシングポンプを利用して安定させることも大事です。
KHを安定させるためにカルシウムやマグネシウムの添加をする人がいますが、間違った順番で添加するとかえって下がる場合があります。気を付けましょう!
サンゴ飼育する上で非常に大事な「KH」について、少しでも参考になればと思います。