「宇田川源流」 フランス国内で年金改革強行でデモだがその大統領を選んだのは国民という矛盾
「宇田川源流」 フランス国内で年金改革強行でデモだがその大統領を選んだのは国民という矛盾
フランスの大統領選挙は、昨年行われた。一時、極右と言われたルペン氏が大統領になるのではないかと言われていたが、結局、マクロン大統領が再選された。そもそも、マクロン大統領に関しては、当時から、「左翼的」であるというようなことが言われていたが、この得も「左翼的なマスコミ」と「中国人社会の影響」によって、特に中国人社会に影響された経済界がおおきくえいきょうすることによって、マクロン大統領が再選されることになってのである。
さて、そもそも論として、あえて「左翼的」と書いたのはいった何なのかということになる。そもそも左翼というか共産主義(あえてこのように書く。フランスでは社会主義または共和主義であると主張する人も少なくないが、実体的にどのように考えるのかということになろう。資本主義・市場経済を使っていても、中国のように全体主義の国は少なくない)というのは、基本的にはブルジョワジー支配からの開放ということを言っているのであるが、では、その開放をした勢力は何をするのかということになる。単純に全体を現状批判することによって批判票を集めるということを持って正史勢力を作り出しているのである。しかし、そもそも共産主義というのは「全体を共有財産にして平等分配する」ということを主張しているのだが、つまり労働力や個人資産を合法的(政治主義的)に搾取しているものであり、それが指導者と言われる人々が現世利益をもっていっているということに過ぎないのである。
そのような現状が見えていれば、間違いなく、マクロン大統領の施策が、自由と優雅を求めるフランスの人々にあわないということは見えている。もちろん、全体主義と個性が光る「芸術の街パリ」は相容れないのであるが、一方で芸術などは「売れない場合の生活保障が欲しい」ということで、全体主義になりたがる人もいるようである。ある意味で「資産(芸術品)を作る」人々であるが、その原材料となるものは、全て自分の腕と感性でしかないということであるから、「資産を生み出すまでの過程はプロレタリアート」なのである。
街中で火柱…デモ参加者100万人 年金改革“強行”マクロン大統領に怒り
フランスでデモが激化しています。きっかけは、政府が年金の支給年齢を引き上げる年金改革を強行したことです。デモは若い世代にも広がっていて、街のあちこちで火がつけられる事態が起きています。
金指光宏記者:「車道の真ん中で激しい火柱が上がっています。この距離でも熱さを感じます。ゴミ箱が燃やされてしまっています」
フランスは、市民が絶対王政を倒した末に作り上げた国家です。人々が街に出て異議申し立てをするのは、国の根幹でもあります。時に暴力が伴い、治安当局との衝突に発展するのも、これまで幾度となく繰り返されてきたことです。
今回、怒りの矛先となっているのは、年金の支給開始年齢が62歳から64歳に引き上げられること。
デモ参加者:「不当な改革案です。勤勉な人々に『もう2年働け』と。今の大統領のやり方では、怒りと暴動が巻き起こって当然です。本当の暴徒はマクロンです。(Q.暴力には反対ですか)暴力には反対ですが、先に“暴力”に出たのは政府です」
23日のデモに参加した人は、フランス全土で100万人を超えました。全国規模のデモはこれまで何回も行われていますが、マクロン政権のやり方に怒りのボルテージがさらに上がっています。
デモ参加者:「許せない。こんなの民主主義じゃない。大統領は無理やり法案を通した。こんなの耐えられません」
16日の議会。政権は投票を行わずに年金改革法案を採択しようとしていました。ボルヌ首相が登壇すると、議員たちは国歌『ラ・マルセイエーズ』を歌い始めます。フランス革命で生まれ、のちに国歌となった歌で抗議です。憲法の規定に則った措置ではあるものの、採択を強行。これが火に油を注ぐ結果となりました。
自然発生的に集まった市民たち。街は文字通り、炎に包まれました。
社会党、フォール党首:「マクロン大統領は放火魔です。フランスを火の海にして、国民を塹壕に追い込んで、怒りをあおっている」
極右政党『国民連合』ルペン前党首:「マクロン大統領はデモ隊を尊重していると言うが、フランス国民を侮辱している」
“年金改革”は、財政状況の改善を進めるマクロン大統領にとって、就任当初からの課題です。
マクロン大統領:「この期に及んで、この改革を楽しんでいるとでも?答えはノーです。年金制度を健全化する方法は限られていて、先送りするほど財政は悪化します。改革は必要なのです。『目先の世論調査』と『国家の利益』なら、後者を選びます。不人気は甘んじて受けます」
厳しい世論にも譲らない姿勢です。ただ、この発言について76%の人が「説得力がなかった」とみています。むしろ反発を招くこととなりました。
2023年3月24日 23時30分 テレ朝news
https://news.livedoor.com/article/detail/23933173/
さて、年金改革をおこなう。日本などは、完全に、70歳くらいまで年金受給を引き上げるというようなことになっているのだるから、62歳から64歳に引き上げるくらいでこんなデモがあるのであれば、日本ならば内戦になっているであろう。
ではなぜ日本とは全く異なる内容になっていて、こんなデモが発生するのであろうか。
一つは、フランスの場合、まず一つには「年金生活になってからの再就職制度」が少ないということが言える。同時に日本の場合は、そのようなところでも「かわいそう」ということで助け合いが出てくるのであるが、フランスの場合は、意外と他人のことは気にしない。ある意味で「個人主義」であるのに対して、日本は「民主主義」ではあるものの「村共同体がい安打に力を持った個人主義」という事が上げられる。要するに年金が無くなれば、それだけ生活の保障もないし、またそのような保証がないことによって何もできなくなってしまっている人が少なくないということなのである。
もう一つは「政治手法」の問題であろう。日本の場合、「国家財政がひっ迫している」ということをしっかりと出したうえで、「助け合い」の対象となっている。しかし、フランスの場合は「大きな政府」で様々な所に権力を出してながら、「改革」を謳って、そのうえで、このような結果になっている。
そして何よりも大きな内容は、「日本人は働くのが好き」なのに対して「フランス人は、働くのが嫌い」なのである。
「不当な改革案です。勤勉な人々に『もう2年働け』と。今の大統領のやり方では、怒りと暴動が巻き起こって当然です。本当の暴徒はマクロンです。(Q.暴力には反対ですか)暴力には反対ですが、先に“暴力”に出たのは政府です」<上記より抜粋>
まさに『もう2年も働け』という言い方が、なかなか面白い。日本の場合は定年後も「働きたい」という人が少なくない。その国民性の違いは、まさにこのようなことの遠因となるのであろう。
まあフランスの大統領がフランス人の国民性を全くわからなかったということは、ある意味でお笑いかも知れないが、しかし、そのことをどのように解決してゆかなければならないかということは、また異なる。しかし、フランスがこうだからといって、日本が同じようになるというものではないことはわかる。つまり、他の制度でも「○○の国がやっているから」などと、安易な方法で真似をしても、全く別な結果になるということなのである。