豆皿中華Q(六本松)
再開発が進む六本松エリアの路地裏に2018年3月オープンした話題の中華料理店。今泉のバー「AFTER THE RAIN」による新業態。本格的な中華料理を小ポーション(豆皿)で楽しめるとオープン早々から話題を集めている店で、一度夜にはお邪魔したことがあるが、最近になってランチを始めたと聞き行ってみた。
カフェのようなスタイリッシュで明るい店は、どことなく中国の食堂のような雰囲気もある。フロントに大きく「Q」の文字が染め抜かれたカラフルなTシャツを着た若いスタッフが店に立つ。ランチは麺メニューが3種類あるが、お店の一押しは「全トロ麻婆麺」。他に「豆乳・豆苗 担々麺」「シビれる汁なし担々麺」があり、半チャーハンや豆皿提供の中華メニューも数品ある。メニューなどを眺めていると「全トロ麻婆麺」に「半チャーハン」というのが鉄板のようなので、そこはお店の言う通りに従ってみる。
全トロとは何なのか。通常、麻婆麺の場合はベースに普通のラーメンスープがあり、そこに麻婆の餡が乗せられることが多いが、この店の場合は全部がトロっとした麻婆スープという意味なのかな。麺の上にたっぷりとかかっているトロトロの麻婆豆腐は、程よい辣味で辛いのが苦手な人でもいけそう。爽やかな麻味も出しゃばり過ぎず、甘味の使い方も上手で、いい感じの「本格派感」が出ている。上に乗った揚げ玉ねぎのアクセントも食感、ビジュアル共に良い。特に秀逸だと感じたのは餡の粘度。後半に片栗が緩んで来て、最後はスープになる絶妙な粘度なのだ。汁無しのような汁あり。汁ありのような汁無し。この変化がなかなか楽しい。
ただ、チャーハンは可もなく不可もなく、普通の中華屋のチャーハンで取り立てて感動はない。おとなしい味付けのチャーハンなので、単体として食べるにはまったく不満は無いのだけれど、麻婆餡をかけると麻婆の味に負けてしまって存在感が薄れてしまう。調味はもちろんだが、たとえば具材を大きくするとか食感的な変化もあると、よりチャーハンの存在感が出て楽しめるのかも知れないなぁ。
豆皿中華Q
福岡市中央区谷1-13-20
市営地下鉄七隈線「六本松」駅より徒歩2分