土地建物の利用の円滑化| 民法改正(令和5年4月1日施行)
2023.03.29 08:00
■不動産に関する共有制度の見直し
共有不動産について所在等不明共有者がいる場合、利用の意思決定ができないことから処分や変更行為ができず、公共事業や民間取引が阻害されていたため、以下のように見直しがされたとのこと。
[1] 軽微変更(たとえば、アスファルト舗装工事、土留工事、建物の外壁屋上防水工事等があり得る)は、全員同意ではなく、持分価格の過半数で決定できるように
[2] 所在等不明共有者がある場合には、地方裁判所で、母数から除外する決定を得て、それ以外の持分の過半数で、管理行為(10年以内の山林の賃貸借、5年以内の土地賃貸借、3年以内の定期借家契約等)や軽微変更、それ以外の共有者全員同意で、変更行為(借地権設定、賃貸借設定、農地の宅地造成等)ができるように
しかしながら、持分譲渡・抵当権設定等持分を失う、いわゆる処分行為は持分権者の同意がなくては処分できないことに変わりなく、他人の持分まで処分できるようになる訳ではありません。どうにもできなかった共有不動産の財産利用・維持はできるようになって、少し変わるでしょうか?結局不動産を売却処分したい持分所有者がいても、所在等不明共有者がいるために売却できないという状況は変えられないのでしょうか?
共有者は大抵家族親戚関係で、可能であるはずの自分の持分だけの処分というのも現実的な選択肢にならない場合が多いのでしょうか?