「身辺自立」児童発達支援みのり

シャツの裾入れ、うがいや手洗い。 

大人になったら一連の流れとして出来る身支度も、身に付くまでにはどれくらいかかるのでしょう。 

先日、Aくん（仮）が脱いだ上着をハンガーにかけようとしていた時の事。 

ため息をついて見つめた先はファスナーでした。 

そう、これが厄介なのです。 

早く遊びたいと思えば思うほど手元は焦り、ずれてしまうのです。 

小さな手で押さえながらはめようとしても、なかなかうまくいきません。 

もういやだ！と投げ出してしまうかな…と様子を見ていたのですが、何度失敗しても根気強くやり直すAくん。 

手伝ってあげたい気持ちをぐっとこらえ、どのタイミングで助け舟を出そうか見ていると、ついに自分一人でファスナーを上げる事が出来たのです！ 

その瞬間の笑顔といったら。

近くにいるスタッフと順にハイタッチをし、喜びを分かち合いました。 

スタッフがすぐに手を貸していたら、Aくんのこの表情には出会えませんでした。 

何度でも失敗出来る環境のもと、納得するまで“自分で”やってみる。 

その経験が、次への大きな一歩に繋がると感じた瞬間でした。