最悪の事態を考える
2023.04.03 12:31
こんにちは、
精神科医の諸藤えみりです。
今日は
「最悪の事態を考えられると
安心するよね。」
って話です。
外来に女性が訪れました。
(特定されないよう配慮しています。)
この方は
気持ちが落ち込み休職しています。
しかし、仕事の関係上
夏頃には復帰しないといけません。
「復帰のことを考えると、
憂鬱なんです。
夏までに
良くならないといけない
と思うとしんどい。
焦ってしまってつらい。」
と、この方は言われます。
わたしは聞きます。
「最悪の場合を聞きます。
もし夏までに
復帰できなかったら
どうなるんですか?」
その方は困って答えました。
「復帰しなければ、とばかり
考えていました。
復帰できなかった場合
どうなるかを
考えていませんでした。」
人は先が見えないから
不安になります。
最悪のケースを考え
受け入れる。
そうなったらどうするかを考える。
その方の話を聞いていくと、
最悪のケースは
復職できないことでは
ありませんでした。
同じ職場に
戻らなければいけないことでした。
職場が嫌で嫌で
仕方なかったとのこと。
でも、
戻らなければいけないと
決めつけていたようです。
もう戻らないと決意し、
転職に向けて
準備を始めることになりました。
「ものすごくスッキリしました。」
と笑顔で帰られました。
焦ったときは
最悪のケースを考える。
受け入れ、
そうなったらどうするかを
考える。
もしくは
そうならないためには
どうすればいいかを
考える。
嫌なことは考えたくない。
目を背けたい。
しかし、
向き合わなければ、
一歩踏み出せません。
「最悪のケースを考える。」
困ったときは
考えてみてくださいね。