8年の時を経て
ある地上波の番組で、私が働いていた病院とそこで治療をされている患者さんが出演されていました。
その中に、私の知っている患者さんがいらっしゃいました。
その方が出演されるということは、久々に開いたfacebookでたまたま当日の日中に知り、テレビの前でどきどきしながらその時間を待ちました。
(番組内で実名と病名・病気の経過、現在の状況が公表されています)
私が就職する1年ほど前に発病し、それから数々の治療を繰り返し長期に渡って一般病棟とICUを行き来し治療されていたSさんは、心臓の病気でご自身の心臓は殆ど機能しておらず、埋め込み型の人工心臓を装着して移植待機をしていた若い患者さんでした。
とてもユニークな方で、明るくて、優しくて、就職して3年目になった頃、私の勉強になるならば、と、複雑な病態や機械についても沢山学ばせていただきました。
私自身が体調を崩して入院し患者同士になった時も、なんだよ、律花さんの方が具合悪そうじゃん、と笑って励ましてくれました。
番組で語られていた以上の様々な合併症や大変な治療があり、一言では語れない壮絶な入院生活があったSさん。
長い治療の末、ご自身で人工心臓を管理しながら自宅で移植待機ができるようになったのは、私が退職した後でした。
SNSを通じて、お元気そうな様子は知っていたものの、直接やりとりをする事は少なかったので、ずっとどうかなと気がかりだったのですが
8年の待機期間を経て、無事に心臓移植をできたそうです。
その記念に、番組への出演を決めたとのことで、ドナーとそのご家族の方への深い感謝を語られていました。
患者さんの「その後」を知ることはほとんどない事で、しかもそれが長く関わらせていただいた方だったということもあり、元気そうな姿を目にすることができたことは、とても嬉しく感動しました。
私がこの仕事をしていて嬉しかった事ベスト3が、8年ぶりに更新された瞬間でした。
ICUという場所で働いていると、本当に、人の命、人生の重さに押しつぶされそうで
私はずっと自分のやっていることに自信がなくて
仕事に行くのが怖くて
責任とか無力感とかそういうのじゃなく
ただただ怖くて
それでも私たちに命と体を預けてくれる患者さんの思いに応えられるように、必死で勉強して
そんな毎日が自然とフラッシュバックし涙が止まらなくなりました。
私はどこまでもこの4年間を抱えながら生きていくんだなとあらためて感じました。
Sさんには、いつまでもお元気で大切な時間を過ごしてほしいです。
律花
#仕事