提案『朗読の薦め』
2023年11月13日『音読の薦め』を受けて今回は『朗読』について話を進めます。毎日絵本の読み聞かせをしているお母様方にとってこの記事は親向けの記事なのでは?とお思いになるかも知れませんが、お子さんが朗読をすることの効果や意義についての記事を記してまいります。
音読と朗読の違いは明らかです。音読は読み手が中心となり自分自身のために読むことに対して、朗読は自分のためではなく人のため聞き手のために読むということの大きな違いがあります。よって朗読をする最低限の条件が音読ですらすらと一字一句間違えることのないようにそして意味や要点を押さえて読むことが必要となり、また演技を組み込んだ読み方が必要となります。
朗読の主役は聞き手側です。その聞き手側のために読み手側は物語の内容やメッセージを想像し理解できるようにしなければなりません。読書をするかのように朗読という手段を通して読書の楽しさを味わうと言って良いでしょう。では子供が朗読する場合の効果について考えていきましょう。
1、物語の内容を把握する力がつく
朗読をするためには音読を繰り返して読みこなす必要があります。そして音読を繰り返せば必ず内容も頭の中に入り理解が進むものです。作品の意図を理解し物語の情景や光景を理解し登場人物の感情を共有することに繋がります。
2、相手に物語を伝える力がつく
音読を通して理解した作品の主題をしっかりと理解すると次に子供はどのように相手に物語を伝えるべきかと思考を促す必要があります。例えば感情を込めて物語を読むことを意識し、会話文と地(じ)の文の区分けを明確にし声色を変えたりすることも一つの方法です。聞き手側が朗読を聞くだけでその情景が容易に想像でき楽しむことが出る=読書している気分を味わえることができるようにするという意識で相手にどう伝えるかを考えるように促しましょう。
3、表現する楽しさを味わい獲得する
朗読を繰り返していくと表現する楽しさに気付きます。声色のトーンやリズムやテンポを変えたり抑揚をつけたり、表情を変えながら読んで見たりと情景や登場人物の感情をも入れ込んで自分らしさで表現する楽しさを獲得してほしいと考えます。
4、読む力と話す力が向上する
朗読の突出して素晴らしいところは初見であっても感覚的に文章を捉える力がつき割と比較的すらすらと読んでしまいます。これまで行なってきた素読・音読・朗読の相乗効果により自然と文の流れや切れ目、文構造が見えてくるので読む力がついているのでしょう。そして何より普段の会話も上手になり話しの腕前が上がるということになり、朗読をこなせばこなすほど話し方が劇的に上達することを実感しています。
5、語彙が増える
朗読するにあたっては徐々に読む作品の難易度を上げる必要があります。そうすれば難しい言葉や知らない言葉に触れることになり語彙は増えすらすらと出てくるようになります。また難しい発語を要する言葉を自在に扱える発音技術も獲得することにもなります。
6、発展系の演劇として捉える
朗読を多くの作品で楽しむと演劇ができるんだということを私は子供達と体験しました。朗読作品の登場人物の心情をごっこ遊びのような延長線上で朗読劇を行い楽しかった記憶があります。