[見どころ]井上拓真 vs.リボリオ・ソリス
4月8日(土)有明アリーナ
WBA世界バンタム級王座決定戦
2位・井上拓真(大橋)
vs
3位リボリオ・ソリス(ベネズエラ)
井上=1995年12月26日、神奈川県出身の27歳。右ボクサーファイター型。戦績:18戦17勝(4KO)1敗。
ソリス=1982年3月21日、ベネズエラ出身の41歳。右ボクサーファイター型。戦績:43戦35勝(16KO)6敗1分1無効試合。
中盤から終盤に井上が抜け出すか
4本のベルト収集を成し遂げた井上尚弥(大橋)が返上した王座のひとつ、WBA王座を弟の井上拓真が取りに行く。井上が有利であることは間違いないが、ソリスは経験値の高い狡猾な試合巧者だけに楽観はできない。
井上は2018年12月にWBC暫定世界バンタム級王座を獲得したが、翌年11月の団体内王座統一戦で正王者のノルディーヌ・ウバーリ(フランス)に判定で敗れ在位は11ヵ月に終わった。以後は栗原慶太(一力)、和氣慎吾(FLARE山上)、古橋岳也(川崎新田)を判定で下して東洋太平洋王座、WBOアジアパシフィック王座、日本王座を獲得。昨年12月にはジェイク・ボルネア(フィリピン)に8回TKO勝ちを収めている。兄のような一撃必倒の強打はないが、巧みな守りから相手の打ち終わりを突くなど細かなテクニックには定評がある。12ラウンドをフルに7度戦いきっており、スタミナも申し分ない。
元WBA世界スーパーフライ級王者のソリスは過去3度の来日では河野公平(ワタナベ)と亀田大毅(亀田)に12回判定勝ち、山中慎介(帝拳)に判定負けを喫している。山中戦後、さらにバンタム級で3度の世界挑戦を試みており、2階級制覇に並々ならぬ執念が感じられる。3月に41歳になったが、直近の5戦は全勝(2KO)と調子を上げている印象だ。
ソリスがプレッシャーをかけ、井上が応戦する展開が予想される。
井上は後手にまわるのではなく相手の打ち終わりを正確に突いてジャッジに優勢をアピールする必要があるだろう。そのためにはソリスを上回る手数も求められる。スピードで勝る井上のカウンターアタックが功を奏せば中盤から終盤にかけてヤマをつくる可能性もありそうだ。(原功)