『シュークリーニングジェル』開発の振り返り
前回のブログに続き、『シュークリーニングジェル』の開発を振り返り。
『シュークリーニングジェル』は、液体のシャンプーではありません。
開封前のパウチの状態では「こ〇にゃ〇ゼリー」みたいなゼリー状です。それを手で揉んで、細かく砕きジェル状にして使用します。
液体タイプのクリーナーをスポンジやブラシに付ける際、液だれして無駄に量を使っていると感じたことはありませんか?
この液だれが個人的に苦手で、靴クリームみたいにペーストタイプにできないかな~と考えていました。スポンジやブラシに「乗せて」泡立てるイメージです。
ちょうどパウチタイプの容器を採用すると決めた時、研究の担当者と
「ゼリーみたいな形状が面白いかも」
「パウチを手で揉んで、細かくクラッシュさせるイメージ?」
「クラッシュさせることで、ペーストに近いジェル状になりますよ」
「透明なジェルで洗う、はいいね」
という流れで、ジェルタイプを採用。
揉んで細かく砕く、というひと手間も、普通のクリーナーにはない工程で楽しいかな、と。
「手で揉む」作業が出来るのも、パウチならではですよね。
そんな工夫もあって、『シュークリーニングジェル』は液だれすることなく、20gすべてを「洗うこと」に使い切れます。
ブラシ(やスポンジ)に水を含ませて、
手でよく揉んで、
ブラシ(やスポンジ)に適量絞り出す。数回に分けて使うと◎
数回に分けて使う際には、都度、地面や床に開封したパウチを置くはずです。
その時に誤って寝かせてしまっても、こぼれ出す心配はありません。
これもジェルタイプならでは。
アウトドアシーンでも使いやすいと思います。
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ここからは商品作りにおける「表示」についての、ちょっとだけ難しい話です。
シュークリーニングジェルの〈使用上の注意〉を読んでみると、、、
天然皮革を用いた靴には使用できません。
とあります。
これは半分正解だけど、半分正解じゃないというのが本音です。(作った人間が何を言うんだ・・)
シュークリーニングジェルは、保革油やNMFなどの革を保湿する成分を配合していません。なので天然皮革の靴を洗った後には、別途、保革をしてあげると◎
配合されているクリーニング成分もヤシ由来のものなので、本来革がもつ油分まで除去してしまう過剰な脱脂効果はありません。
ただし、コードバンやパティーヌされた繊細な革、爬虫類等の特殊な革には使用できませんし、ソールまでレザーを使ったいわゆるドレスシューズ的な靴にも使用は控えたほうがいいです。
ハードに使って、雨で濡れることも想定されているアウトドアシューズ(トレッキングシューズなど)に採用されている天然皮革には問題なく使えます。
アウトドア系のシューズブランドはスエード・ヌバックとファブリックのコンビ素材を用いたものが多いですよね。そういったシューズのクリーニングには適していると思います。
製品表示って難しいもので、理想は「誰が読んでも理解できる簡潔な説明」。
「〇〇と〇〇に使えて、〇〇に使えない、〇〇に使った場合は、その後、〇〇を使って。」
はちょっと複雑で、逆に混乱させてしまうなと。
用途を狭めることにはちょっと勇気が必要でしたが、あえて「天然皮革の靴には使用できません」としました。
ただ、天然皮革にも使える成分・配合にしていますよ、ということは知っておいてほしいな~と思います。
ちょっとチャレンジングな製品なので、どれだけ受け入れてもらえるか分かりませんが、「こんな使い方したよ~」
「このシチュエーションでの使用はオススメ~」
みたいなライフハック的なアイデアあれば、ぜひ、教えてください~