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「宇田川源流」【現代陰謀説】 ロシアで拘束された記者は何を見たのか?

2023.04.06 22:08

「宇田川源流」【現代陰謀説】 ロシアで拘束された記者は何を見たのか?

 毎週金曜日は「現代陰謀説」をお届けしている。現代に横たわる陰謀を見ながら、その内容をどのようにして、ニュースなどから端緒を見つけることができるかということを考える内容になっているのである。実際に、陰謀は様々な所で行われており、その内容をいかに感がてえゆくのかということをしっかりと見ていなければならない。全く思邸に出ない陰謀などもあるが、実際は、ニュースなどに何か端緒が出ていた李、あるいはニュースに何かか隠されているようなことも少なくないのである。それを、読み解くために母にをすべきかということを考える連載である。

さて今回は、ロシアにおいて取材をしていた、アメリカの新聞社ウォールストリートジャーナルの記者がスパイ容疑で身柄を拘束されたということに関して考えてみたい。さて、まずは新聞記者というのは、私も昔そうではあったのだが、その内容は「情報屋」であるといって過言ではない。基本的に、マスコミというのはどこでも入ることができるし、また、その取材の許可は一般人のそのものよりも広く認められている。また「取材」という名前でどの政府の高官も基本的に取り入ることができるのであるから、その持っている情報は非常に大きな内容になるのである。

実際に、我々の時代は「ジャーナリストが記事にするのは、知っている事実の2割程度」と言われていた。現在のジャーナリストは、例えば政治家のスキャンダルなどを知ったらすぐに記事にしてしまうので、知っていることの半分くらいは記事にしていると思う。しかし、記者の中では「知っていることを記事にしない記者の方が優秀」と言われていて、その為に日本の記者というのは「世界では全く通用しない」と言われているのである。

その日本のマスコミの話はまたの機会に譲るものとして、今回はアメリカのジャーナリストとロシアの話に戻すことにしよう。

ロシア、WSJ記者の身柄拘束 スパイ容疑 約2カ月勾留へ

 [モスクワ/ロンドン 30日 ロイター] - ロシア連邦保安庁(FSB)は30日、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)モスクワ支局のエバン・ガーシュコビッチ記者の身柄をウラル連邦管区のエカテリンブルクで拘束したと明らかにした。スパイ容疑が拘束理由で、モスクワの裁判所は同氏を約2カ月勾留する命令を出した。

 FSBは、ガーシュコビッチ記者が米国側からある軍需企業の情報収集を指示されていた疑いがあるとしている。WSJはガーシュコビッチ記者の拘束は虚偽の申し立てに基づくものとしており、ロシアによるウクライナ全面侵攻開始後で外国人ジャーナリストに対する最も深刻な公的措置となった今回の動きを受け、米ロ関係が一段と悪化するおそれがある。

 FSBは声明で「ガーシュコビッチ氏が米国側の要請に基づき、ロシアの軍産複合体企業1社の活動に関する国家機密として分類される情報を収集していたことが立証された」とし、スパイ容疑で身柄を拘束したと表明。ガーシュコビッチ氏が情報を収集していたとする工場の名称や場所は明らかにせず、ウラル地方の都市エカテリンブルクで身柄を拘束したとのみ明らかにした。同氏の疑惑を裏付ける文書や映像も公表していない。

 ロシアの法律では、スパイ行為は最長で20年の懲役が科される可能性がある。

 WSJは声明で、ガーシュコビッチ記者の安全を「深く憂慮」しているとし、「FSBの申し立てを強く否定する。WSJの信頼できる記者の即時解放を求める」とした。

 ガーシュコビッチ氏は法廷で無罪を主張。WSJは、今回の件はソ連崩壊後のロシアで外国人ジャーナリストに対するスパイ容疑の刑事事件としては初めてのものとしている。

 ロシア紙コメルサントは、ガーシュコビッチ氏はモスクワに移送され、FSBの取調拘置所であるレフォルトボ刑務所に収容されると報道。モスクワのレフォルトボにある地方裁判所はこの日、ガーシュコビッチ氏の5月29日までの公判前勾留を命じた。

 ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、エカテリンブルクでのガーシュコビッチ氏の活動は「ジャーナリズムとは無関係」だったとし、外国人ジャーナリストの役割が他の活動の隠れみのとして使われたのは今回が初めてではないと指摘。さらに、ガーシュコビッチ氏がジャーナリズムとは無関係の活動に従事していたというロシアの主張について「公の場でそれを検証する機会が与えられるだろう」と述べた。

 ロシア大統領府は、ガーシュコビッチ氏は「現行犯逮捕」されたと理解しているとし、米国の報道機関のためにロシアで働く他のジャーナリストは、適切な証明書を持ち、「通常のジャーナリスト活動」と見なされるものを行っている限り、その職に留まることができるとの立場を示した。

 在ロシア米大使館から現時点でコメントは得られていない。

 ガーシュコビッチ氏は31歳。2017年からロシアを取材しており、昨年1月からWSJのモスクワ支局で勤務していた。

 *動画を付けて再送します

2023年3月31日 11時21分 ロイター

https://news.livedoor.com/article/detail/23966283/

 今回の話は、WSJの記者ガシューコヴィッチ氏がロシアの内容に関して取材をしたことによる内容であるということになっている。実際に戦争当事国の取材というのは、非常に気を遣わなければならないのであり、その内容は「何が軍事機密になるのか」ということがわかっていないと身に危険が及ぶ。一方で、戦争中の国は「通常の情報であっても軍事機密または国家機密に属する内容になる」ということになるので、どこまでの取材が可能なのかということをしっかりと見ていなければ、その内容が見えないということになってしまうのである。

例えば、「貿易統計」というものがある。これは少なくとも「自由主義経済国」であれば、間違いなく公開情報である。当然に貿易を司る役所(日本の場合は経済産業省)において公開情報として存在し、誰がでも見ることができることになるのであるが、一方で、戦争中の国というのは、その国の物資が足りているのか、またはその国の同盟国は何なのかということを知る資料になる。それだけではなく、武器や弾薬の貿易が記載されていることになれば、それはすべて軍事機密に属するということになってしまうのであるから、貿易統計はその時点で軍事機密に属するということになる。日本人はこのようなときに「役所の方で分類すればよい」などと簡単なことを言うかもしれないが、では医薬品はどうなるなど、詳細な内容が出てくることになり、また戦時中であるからそのような不毛な分類に時間をかけるようなことはしないのであるから、全て、拡大して軍事機密にしてしまうのである。

さて、今回ガシューコヴィッチ氏は「ワグネル」の素y剤をしたと伝わっている。多分その訓練風景などを撮影し、その場で現行犯貸与されたのではないかということが予想される。さて、その場合に「ワグネルからの取材許可」と「ロシア政府の取材許可」ということの問題がある。民間軍事会社であるワグネルが許可をしても、それが、軍事機密になるということも十分に考えられるのだ。逆に言えば、その双方がなければならない。同時に「その双方の取材許可があっても、取材をして逮捕され、政治的な駆け引きに使われる可能性がある」ということも事実だ。それこそ陰謀なのであるが、あえて取材をさせておいて、その取材に関して「アメリカがスパイした」と宣伝するということもある。アメリカの情報をロシア国内で否定するための手段としてそのように行う可能性もあるのである。

そのように考えた場合、今回の内容は、「軍事機密に触れたのか否か」ということよりも「ロシアの隠したい事実にこの記者が到達した」ということを考えるべきであるということになるのである。ではその事実とは何か。そこは詳報を待つことにしたい。今回は「逮捕された」ということがそのまま「何かおかしなことをした」ということではないということを知るだけで十分なのかもしれない。