中学生の濃度問題。
理科の濃度の問題の指導をしている時のこと。
「100gの水に25gの食塩を混ぜて食塩水を作った。
そこに水を何グラムか加えると、濃度が10%になった。
水は何グラム加えたか。」
中学生が考えていた問題でした。
加えた水をxグラムとすると、全体の質量は(125+x)グラムで
溶質の質量は25gですから、
25/(125+x)×100=10
みたいな方程式を立てて考えるのですが、
まあここまでは基本ですよね。
しかし、これを小学生は単に
25÷0.1=250
250-125=125と解くのです。
もっと理科が分かっている小学生では、
25÷125=0.2(=20%)
濃度が半分になるので、加えた水の量は
元の量の2倍の125グラム。
とまで想像が及ぶことになります。
濃度は小中の共通テーマであり、
解法も小中学生では違っているのですが、
何が簡単とは一概にいうことが出来ません。
むしろ、小学生的な発想の方が難しく
見えるケースの方が多いかと思います。
しかし、この”全体像”を全て分かっているのが、
中学受験を経験し終え、履修内容を征服した
子どもたちの実力です。
小学生と中学生の学習内容は繋がっていますし、
中学生と高校生の学習内容も繋がっています。
考え方や道具は色々と違っていますが、
その解法のどれもが真実であり、
深く理解しているというのは、別解をいくつも
もって思考が豊かであるということです。
今日、小学生が自習に来ていましたが、
ある子の解答プロセスを見て、その次元に
到達し始めているのを感じました。
「先生、この部分ですけど、400gで12%の食塩水のうち
100gを捨てるって書いてありますけど、ここで捨てる
食塩水に含まれる食塩は48÷4=12gでもいいんですよね?」
数学的・算数的な感度が高く、時々授業中にも本質的な問いかけを
してくれる小6の女の子なのですが、やっぱり算数の
センスはいいし、よく分かっているな、と頷きます。
そもそも、質問の文章も長くなり、そのあたりからも
小3当時とは比較にならないかしこさが宿ったなと、
成長点を感じられました。
この考え方は、中学生の数学の応用問題である食塩水のやりとり算の
問題に使う発想であり、中学の3年生になった際に改めて
その時の発想を思い出して、利用系の問題をガンガン
進めていけるだろうと思います。
いろんなことを、”濃度問題”を通して考えた日でした。
中学受験の問題は、一見先々に関係ないと思われるような
問題も含んではいますが、考え方を備えていることで
先の応用問題への発想力を鍛えていくことにも繋がります。