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「丙午(ひのえうま)の女」J.ワカツキ・ヒューストン

2023.04.07 16:00

アメリカ滞在中に日系アメリカ人の

歴史に興味を持つようになり、また

アジア系アメリカ文学が好きな私。

写真の本は、大学院で履修した

アメリカ文学のクラス(たまたま

アジア系アメリカ文学に焦点を

あてたものやった)でこの本の存在を

知って手に入れました。


第二次世界大戦中の強制収容所での

自身の経験を記した「マンザナールよ

さらば」の著者J.ワカツキ ヒューストン

の小説「丙午(ひのえうま)の女」。


明治時代に写真花嫁としてアメリカに

渡ってから第二次世界大戦が終わりを

迎えるまでのサヨ(母)、ハナ(娘)、

テリ(孫)のそれぞれの物語。一番の

中心人物であるサヨの賢さ、たくましさ、

寛容さが読んでてすごく頼もしくうつる。

フィクションではあるけど歴史的事実が

含まれているのでとても興味深く

一気に読みました。


移民としてアメリカに渡っていった

明治の人たち、写真花嫁として

会ったこともない男性と結婚生活を

送るために渡米していった女性たち、

アメリカでの実際の生活、そして

第二次世界大戦中の強制収容所。

この時代に渡米したり、実際に

生活していくって本当に大変だった

ろうなと色々と思いが巡ります。


とはいえこの小説は辛さや物悲しさ

が前面に出てる本じゃ全くない。

それぞれが自分の大事なものや人

への気持ちに忠実に生きていくこと

の大切さを教えてくれてる気がします。

また壮大なラブストーリーでもある。


ストーリー終盤にかけて段々と

これまでのことが明らかになって

話が動いていくところには

ウルウルきました。


読む前は、本の内容をアメリカ文学の

授業でやった津島佑子(太宰治の娘で

作家)の話と記憶違いしてて、記憶違い

をしたまま読み始め、、、

478ページもある本やけど読了まで

あっと言う間。時代やメインになる

人物が変わるものの、混乱はなく

すごく読みやすい。


また一冊、名作に出会えた気がします。