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日大は早く膿を出せ!

2018.05.25 00:48

前回、日大アメリカンフットボール部の対応のまずさについて書きました。

前回のコラムを書いたときには勘違いをしていましたが、その日の午後、日大ではなく関学の監督の記者会見がありました。不満を表明する内容でした。


その後、日大の宮川選手の記者会見がありました。

宮川選手の記者会見は、自分の犯してしまったことや、その後世間を騒がせていることに対し真摯に受け止め、誠意をもって謝罪していることが伝わってきました。

一方で、日大の対応は極めて不信感が強いものだと感じざるを得ません。

まず、時間がかかりすぎている。出てきて記者会見をするとその受け答えも極めて稚拙。全く真意が伝わってこない。責任逃れにしか聞こえない。時間がかかったのは口裏合わせのための時間稼ぎだったと思います。不誠実と言わざるを得ません。

昨日行われた記者会見もひどいものでした。さらに、あの広報の司会者も危機感がなさすぎる。ひょっとして、大した問題じゃないと思ってるんじゃないか?自身も謝罪すべき立場にいると理解していないのでは。結果的にかえって日大の印象を悪化させることになりました。


メディアも内田前監督をはじめチームスタッフが悪者で、実行犯の宮川君を擁護する状況になっており、報道が偏る可能性は否定できません。しかし、僕はやはり、日大あるいは日大アメリカンフットボール部の体制に問題があると思います。


僕が最も不信感を覚えたのは、宮川君一人で行った記者会見です。

試合中に起こった事件。選手がやったこととはいえ、選手の管理監督を行うのは監督であり、どう考えても相手選手に怪我を負わせたことや、悪質なファウルを犯したことについて監督に責任がないわけがありません。

それが、事件後、日大も監督も選手を擁護する公式な発言は一切なく、学校の体制を守ることに専心しているように見えます。

本来ならば記者会見に同席し、誠心誠意謝罪し、選手を守り、再発防止のための対策について何かしらの策を表明すべきだったと思います。


今回の事件、学生スポーツの在り方そのものが問われる事件です。

大学生の体育会部員は4年間、実際には3年半程度の活動期間で泣いても笑っても引退です。

大人にとっては毎年繰り返されるルーティンかもしれませんが、選手たちにとっては二度と取り戻すことのできない貴重な一瞬の積み重ねです。それを理解しない人には、監督をはじめ指導スタッフはもちろん、OBなども口を出すべきではない。


その日本大学で、実質ナンバー2という地位の内田前監督が、学内で人事権まで含めた大きな力を持ち、誰の反発も許さず、独裁ともいえる組織運営が行われていたことは恐ろしいことです。

将来の就職などにも影響を与え、逆らえない雰囲気を作るのは洗脳、虐待、脅迫といった行為と同等。そこに愛情があるとは思えない。

今回の件で露呈した、「学生よりも大学の体制維持を最優先する日本大学の体質」についてこれを機に真摯に向き合い、数多くの学生を抱える日本大学に長年にわたって蓄積してきたと思われる膿を吐き出し、正常化されることを望みます。

そしてその取り組みを社会に説明し理解してもらえないと、現在日大に所属している学生や付属校の生徒に悪影響が及びます。すでに学生は就職活動に入っており、今年の就職活動にも影響しかねません。

これから学校を選ぶ子供たちにとっては人気が落ちることもあるでしょう。これからただでさえ少子化が進み、生徒の確保が規模しくなる中、定員割れなどということもあるかもしれません。


笑い話のような話だけれど、日大には危機管理学部なる学部があるらしい。

自分の、巨大化しすぎて末端まで血が通わなくなってしまった学校、世間の常識と外れていしまったスタッフが支配する学校に起きた危機管理体制の不備をどのように是正するのか、危機管理学部長の意見を聞いてみたいものです。


おそらく「事態の全容を把握しておらずコメントする立場にない」なんて言って逃げちゃうんだろうなぁ。