【マッチレポート】4.8(Fri) vs 相模原DB戦
今季最後のホストゲーム、
相模原DBに雪辱果たす。
リーグワン第14節は4月8日、岐阜メモリアルセンター長良川競技場で開催され、トヨタヴェルブリッツは三菱重工相模原ダイナボアーズ(相模原DB)に53-5で勝利。12月25日の第2節で25-27で敗れた雪辱を果たし、6位に浮上した。
●
今季最後となるホストゲーム。長良川競技場は日差しこそあるものの、冷たい風が頬を刺す肌寒い天候。そんな中、トヨタは最初から最後まで淡々と組織プレーを貫いた。前後半それぞれ4トライ。最後の10分も、最初の10分と同様に攻め続ける、安定した戦いぶりだった。
1本目のトライは開始2分。相手ゴール前ラインアウトモールで一気に押し込んだ。グラウンディングしたのはHO彦坂圭克。TMO判定の結果、トライと認められた。
「本当はもっときれいに押せると思ったんですが、うまくモールが組めなくてあんな感じになって、ドキドキでした(笑)。取り切れてよかったです」(彦坂圭)
その8分後、2本目のトライを決めたのはFL吉田杏。WTB髙橋汰地が自陣から相手の間を力強く走り抜け、30㍍近くゲインする。捕まるとすぐにボールを繋いで、最後は吉田杏がタッチライン際を力走。相手2人を跳ね飛ばし、3人目をひきずりながらインゴールに飛び込んだ。
「ランニングとコンタクトという自分の強みを出せた」(吉田杏)
相模原DBは12月25日の第2節、
ビジターゲームで25-27と黒星を喫した相手。リーグワンの序盤、旋風を巻き起こした。この日もその結束は変わらず、激しく前に出た。前回の対戦ではそこで押し込まれていたが、今回は逆に一人目が相手を押し込み、2人目以降のサポートも素早かった。結果、トヨタのペースで試合は進んだ。
相模原DBのグレン・ディレーニーHCは「相手が最初に2トライを挙げ、その後、勢いを取り戻すことができなかった」と振り返った。
最終スコアは53-5。待望の勝ち点も獲得して、得失点差もプラスに。
一気に順位も6位と上げた。
FL姫野和樹共同キャプテンは「前回の対戦では一貫性が伴っていなかった。小さなことで妥協したり、相手によって自分たちが左右された。それが反省点。今回は、しっかり自分たちにフォーカスして、一貫性を持ったパフォーマンスが出せた」と振り返った。
象徴的だったのが、最初のトライの起点となったラインアウトモール。
「FWは自分たちの強みでもある。あそこは主導権を握る大事な場面。いいプレー選択だったし、そこでトライをとりきれたのはチームの成長をすごく感じる」と姫野共同キャプテン。
成長が見られたのはラインアウトも同様だ。直近の試合で好機を逸していたが、この日は安定。自陣ゴールを背にした状況で、相手ボールをスチールする場面もあった。
「ラインアウトは分析通り相手にプレッシャーをかけられた」(彦坂圭)
うまくいかなかったところを把握し修正、実践する成長のサイクルも戻ってきた。
「自分たちのやることが明確になって、同じ方向を見られるようになった」(彦坂圭)
彦坂圭は現在9トライ。トライランキング4位につけ、FWではHOマルコム・マークス(S東京ベイ)と並んでトップを走る。
「僕のトライは、完全にFWのおかげなんで」
コメントもチームの充実を表す。
2本目のトライを挙げるなど攻守に存在感を発揮したFL吉田杏は、メンバー入りは第11節の花園L戦以来。先発も、2月4日の第7節のS東京ベイ戦から遠ざかっていた。
「自分のパフォーマンスが悪くてメンバーから外されたわけじゃない。トヨタだけではなくて、どのチームも3列の競争が激しい。そこで日本人選手が頭角を現さないといけないと、自分自身思っている。今日、出てない古川聖人(FL)の悔しさも分かってる。日本人メンバーを含めた代表として、しっかりプレーできたかなと」
激しいポジション争いが、より試合に出る価値を高めていく。
「残り2試合、しっかりと勝って終わりたい」(彦坂圭)
それは全員の総意でもある。
(試合説明)
①後半25分にトライも決め、今季初のMOMに選ばれた姫野和樹共同キャプテン
②前半10分、力感にあふれたFL吉田杏のトライ
③SH福田健太も前半27分、パスすると見せかけ自らトライを決めた
④FB/SOウィリー・ルルーはキヤノン在籍中のトップリーグ時代から、通算50試合出場