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ケアマネ矢田光雄のひとり言

戦い済んで日が暮れて

2023.04.11 10:32

やっと選挙が終わった。着慣れない衣装をつけさせられ、常時笑顔の仮面を被って後援会長という役回りを演じ切り、ようやく長い興行を終えたという感じである。様々なことを経験し、驚くことばかりの連続であった。書きたいことが多すぎて纏めることは多分できないだろう。

選挙運動は政治活動ではない、これが改めて確認できたことである。薄々は感じていたが、実際に選挙本部に入って運動の一部に身をおいてこそ実感できたことは少なくない。ただ勝つための運動、日を追う毎にその意識が高まり、アドレナリンの供給源となる。そして残り3ホールは絶叫マシーンとなる。

であればこそ、テレビ画面に「当確」が出た瞬間の全員の雄叫びは、狂喜乱舞そのものであった。そのシーンをグループLINE上の動画で今も飽きずに何度も見返している。信号待ちにちょっと、就寝前にじっと。そんなに楽しいことが無いの?あなたの人生には、と何処かで、誰かが問うている。

そう、無かったのである。仮面の演技である、柄に合わないコメツキバッタ役である。それらは日々虚しさを増幅させ、我が身を少しずつ削っていた筈であった。

しかし、あの歓喜の瞬間に私は深い、冷たい水底から浮き上がり、絶叫とともに大きく息(生き)を吐いたのである。

そして私は、ああ、そうか、自分は楽しかったのだ、あの選挙運動システムの中に組み込まれ、与えられたミッションのこなしてきた、ただシーンがカタカタと回るフィルムのように流れていった、あの時間が結構居心地が良かったのだ、と腑に落ちてしまったのである。

令和5年4月11日