JP3-2 Judgeの5大「能力」①「Standard Literacy(リテラシー)」(2)
TICAのStandardsは英語で書かれていますから、日本人でJudgeを目指す人(ネイティブレベルの語学力がない場合)は「言語リテラシー」も必須になります。
前回指摘したように「Literacy(リテラシー)」は理解する能力、解釈する能力、分析する能力、活用する能力の複合能力であり、仮にTICA Standardsの日本語版があったとしてもそれを鵜呑みにするようでは超一流Judgeにはなれませんし、「機械翻訳にかければいいだけよ…」というのも〝NG〟です。
翻訳エンジンの性能も上がってきてはいますが、現段階では「Standard Literacy(リテラシー)」の能力が必要ないほどに正確・的確に和訳してくれるわけではありません。
機械翻訳を全面否定するつもりはありませんが、機械翻訳の和訳を読んで「分かったつもり」「理解したつもり」になることほど怖ろしいことはなく、あくまで大雑把に理解する助けに留める程度にしておく必要があります。
あくまで一例ですが、TICA Standardsには「Eyes」のところで「big」と「large」の両方の単語が出てきますが、日本語訳はどちらも「大きい」であり、日本語だけで理解・判断しては両者の違いを理解することはできません。
こう言ってもまだピンと来ないということであれば、全く話は変わりますが、「correct」と「right」の違いと言えば分かるでしょうか?
両方とも日本語に訳すと「正しい」ですが、英語では持つ意味合いも使い方も使う場面も異なります。
ネイティブレベルの英語力を有する人、または高い「言語リテラシー」を持つ人であれば、その微妙な違いを理解できるはずです。(※ネイティブレベルとは言っても単純に「読み書き聞き話す」という英語力と、高い「言語リテラシー」を有する英語力は全く異なります)
昔はよく「バイリンガル」なんて言葉を聞きましたが、「Literacy(リテラシー)」という概念を知っている人の間では 「Biliteracy(バイリテラシー)」というケースが多くなっています。
つまり、日本人がTICAのJudgeにおいて超一流を目指すためには「言語リテラシー」(Biliteracyを含む)に基づいた「Standard Literacy(リテラシー)」が欠かせないということになります。