プロポーズは突然に【1:1:0】
0:夜景の見えるレストラン。落ち着いたジャズがかかる店内で、男女が向き合って食事をしている。
玲奈:なんか、すごいね
幹夫:うん、いいお店だよね
玲奈:今日はありがとうね、こんなお店、予約してくれて
幹夫:どうだった?
玲奈:とっても幸せだった、お料理もおいしかったし、なにせこの・・・
幹夫:うん、すごいよね
玲奈:予約取るの大変だったんじゃない?
幹夫:それはまぁ、秘密ってことで
幹夫:それに、君との特別な日に、普通に家で過ごすのもあんまりだろ?
幹夫:今日は、なーんにも気にせず、二人でゆっくり過ごそうよ
玲奈:幹夫(みきお)くん・・・
幹夫:お誕生日おめでとう、玲奈(れいな)
玲奈:幹夫くん・・・大好き
幹夫:ふふふ、乾杯
玲奈:うん、乾杯
0:二人、ワインを煽る
玲奈:でもさ、なんだか不思議だよね
幹夫:うん?
玲奈:いやさ、幹夫くんと私、まさかこんな風になるなんて
幹夫:またその話?
玲奈:だって、ずーっと思ってるもん
玲奈:最初結構幹夫くんのこと苦手で、なんか、調子乗ってるなーあいつって思ってて
幹夫:うん
玲奈:ゼミ一緒で、うげって思ったもん
幹夫:ひどいなぁ
玲奈:でも、話してみると意外とまじめなやつで
玲奈:へんなところにこだわりがあって
玲奈:正義感強くて
玲奈:けっこう、かっこいいなって
幹夫:あらためて言われると照れるな
玲奈:ふふ
玲奈:それからもう5年
玲奈:あの頃は無限に感じた大学生活も、すぐ終わっちゃって
玲奈:お互い就職して、環境も変わって、それでもまだ付き合えてるって、結構すごいと思うんだよね
幹夫:そうかなぁ?
玲奈:だって、友達の話とか聞くと、結構分かれてるもん
幹夫:そうなの?
玲奈:うん、会社入って、魅力的な人見つけて、学生の恋愛が馬鹿らしくなったーっていうやつ
幹夫:玲奈は?
玲奈:え?
幹夫:玲奈はそういう人いなかったの?
玲奈:ああ、うん、私はそうだなー
玲奈:そりゃまぁ、かっこいいなって人はいるよ?
玲奈:最初はみんな先輩で、当然私より仕事できる人ばっかりだからさ
玲奈:その、尊敬?みたいな感じで、かっこいいなーっていうのは、まぁ、あるね、今でも
幹夫:そうなんだ
玲奈:でも、男としては、無理かなぁ
幹夫:ええ、どうして?
玲奈:うーん、なんだろ
玲奈:なんか、ヒーロー、みたいな?
幹夫:ヒーロー?
玲奈:そうそう、テレビとかでさ、いるじゃん、ヒーロー
幹夫:戦隊ヒーローとかの、ヒーロー?
玲奈:うん、そうそう
玲奈:町がピンチになったときに、どこからともなく表れて、ビルを壊す怪獣を倒してくれる、ヒーロー
幹夫:玲奈の上司が?
玲奈:ああ、うん、あくまで例えだけどさ
玲奈:怪獣に殺されそうになった時に、特殊な力で助けてくれるヒーローはそりゃかっこいいし、素敵だなって思うけど
幹夫:うん
玲奈:そのヒーローと、付き合うかっていうと、まぁ、私はいいかなっていう、そういう
幹夫:あはは、なんだそれ
玲奈:なんだろうね、助けてくれるのは、すごいありがたいし、うれしいんだけど
玲奈:その・・・私も、戦いたいんだよね
幹夫:玲奈も?
玲奈:そうそう、なんか、ヒーローが怪物と必死に戦ってる姿みると、私も一緒に戦いたくなっちゃうんだよね
幹夫:やさしいんだね、玲奈は
玲奈:いやいや、そんなんじゃないよ
幹夫:ってことは、僕は玲奈にとって、ヒーローではないってこと?
玲奈:うーん、そうだね
玲奈:ヒーローっていうより、うーん・・・
玲奈:戦友、みたいな?
幹夫:戦友かぁ(笑)
玲奈:そうそう、戦友
玲奈:だから、今日もすっごいびっくりした
幹夫:そう?
玲奈:そうそう、一緒に戦う戦友だと思ってたのに
玲奈:裏でこんなおしゃれなレストラン予約してくれてたんだもん
幹夫:あはは
玲奈:ふふふ
0:目を合わせていた2人が、一瞬目をそらすくらいの間。
幹夫:それじゃあもう一つ
玲奈:え?
幹夫:君に、誕生日プレゼントがあるんだけど
玲奈:え、プレゼントならもう、こんな素敵なところ連れてきてもらって・・・
幹夫:はい、これ
玲奈:え・・・これって・・・
幹夫:うん・・・
幹夫:えっと、玲奈
幹夫:ちょっとその、遅くなっちゃったかもしれないけど、結婚、してください
玲奈:・・・
幹夫:玲奈?
玲奈:・・・はい
幹夫:・・・ほんと?
玲奈:うん
幹夫:ほんとにほんと?
玲奈:うん、よろしくお願いしますっ
幹夫:やったぁー!!!!!!!
玲奈:ちょ、幹夫くん、しー!
幹夫:あ、ご、ごめん
玲奈:もう、こんなおしゃれな場所で、大声出さないでよ
幹夫:うん、でも、うれしくて
玲奈:ふふふ、ありがとうね、幹夫くん
幹夫:いやいや・・・はぁ、緊張したぁ
玲奈:(左手を出して)はい
幹夫:え?
玲奈:ほら、はい
幹夫:えっと・・・
玲奈:はめてよ、指輪
幹夫:あ、ああ、うん、はい
0:指輪がはめられる
幹夫:はぁぁぁ、よかった、ぴったりだぁ
玲奈:あはは
幹夫:頑張って選んだ甲斐があったよー・・・
玲奈:そういうのは普通言わないんだよー?
幹夫:えっ、そうなの?
玲奈:もー、面白いなぁ幹夫くんは
幹夫:まいったな・・・
玲奈:でも、ありがと・・・ほんとに、うれしい
幹夫:うん、玲奈
玲奈:うん?
幹夫:これからも、よろしくね
玲奈:・・・(幸せそうに)うん
0:二人、微笑みあう。と、そこにウェイターが来る。
幹夫:ああ、ありがとうございます
幹夫:え?ああ、はい、三つ
幹夫:玲奈、デザートだって
玲奈:えーデザートかぁ
幹夫:三種類から選べるんだって、どれにする?
玲奈:幹夫くんは?
幹夫:んー、俺はこの、チョコのやつ
玲奈:うーん・・・じゃあ私もそれ
幹夫:ええ?いいのそれで
玲奈:うん、未来の旦那さんの味覚を、知っておきたいから
幹夫:(照れて)あっ・・・
幹夫:あの、じゃあこの、二人ともこれで、お願いします
玲奈:ふふーん、何照れてんのー?
幹夫:う、うるさいなぁ
幹夫:あーあと店員さん、お会計で
玲奈:あ、幹夫くん、私も(お金だすよ)
幹夫:(さえぎって)あーいいから、ここは僕に奢らせてよ
玲奈:ええ、でも
幹夫:いいから
幹夫:最後くらいは奢らせてよ
玲奈:えっ?最後って?
幹夫:永井玲奈に奢れるのは、今夜が最後だからさ
玲奈:幹夫くん・・・うん、わかった、じゃあ、お願いします
幹夫:はい、お願いされます
0:少しの間
幹夫:はい、それじゃあ、二人分で
幹夫:ああいや、現金じゃなくて、腎臓で
幹夫:はい、はい、そうです、はい
幹夫:それじゃ、そんな感じで、お願いします
0:少しの間
幹夫:でも、ほんとによかった
幹夫:やっぱり5年も付き合ってても、プロポーズとなると緊張するよなぁ
幹夫:いやでも、逆かもね
幹夫:長いからこそ、いつするか、みたいなね
幹夫:でも、今日は玲奈の誕生日だからさ
幹夫:誕生日と、僕らの門出
幹夫:一緒に祝えたら、とっても素敵だなと思って・・・
幹夫:だから玲奈、これからいっぱい一緒に時間を過ごして
幹夫:つらいことも、一緒に乗り越えて
幹夫:二人で一緒に、幸せに・・・
玲奈:待って
0:間
幹夫:ん?
玲奈:え?
幹夫:ど、どうしたの?
玲奈:え、えっと、え?
幹夫:なに?どうしたの?
玲奈:あの、その、えっと、幹夫くん?
幹夫:うん?
玲奈:・・・腎臓?
幹夫:え?
玲奈:いやあの、え?腎臓?
幹夫:腎臓?
玲奈:うん、腎臓
玲奈:腎臓って言ってなかった?
幹夫:いつ
玲奈:え?
玲奈:いや、その
玲奈:お会計の時に「カードで」みたいなノリで、「腎臓で」って
幹夫:腎臓・・・
玲奈:うん、腎臓、言ってたよ、腎臓って
幹夫:・・・あー!
幹夫:腎臓ね!
玲奈:うん、言ってたよ、腎臓って
幹夫:うん
玲奈:腎臓なの?
幹夫:うん
玲奈:うん
幹夫:・・・うん?
玲奈:え、何が?
幹夫:何がって、ここのお会計?
玲奈:え?お会計?
幹夫:うん
玲奈:ここのお会計が、腎臓なの?
幹夫:そうだよ
0:間
玲奈:なんで?
幹夫:え・・・なんでって、なにが?
玲奈:いやいやいやいや、え?どういうこと?
幹夫:どうしたんだよ玲奈
玲奈:いや、どうしたんだよもこうしたんだよも、え?腎臓でお会計をするの?
幹夫:そうだよ?腎臓でお会計をするの
玲奈:・・・なんで?
幹夫:なんでってそりゃあ・・・手持ちがないから?
玲奈:手持ちって、お金のこと?
幹夫:うん
玲奈:え、お金ないの?
幹夫:うん
玲奈:・・・なんで?
幹夫:なんでって・・・そりゃあ、このレストラン貸切って、セッティングとか、プロポーズの準備とか
玲奈:え?
幹夫:ん?
玲奈:え、まって
玲奈:このレストラン貸切ったの
幹夫:うん
玲奈:え?このレストラン貸切ったの?
幹夫:だからそうだって
玲奈:え、じゃあなに、いまこれ、この、ここの、この状態、これ、貸切ってるの?
幹夫:うん、貸切ってるよ
玲奈:え・・・でも、え?お客さんいるけど
幹夫:エキストラだよ
玲奈:ん?
幹夫:エキストラ、君が、結婚OKして~、ドルチェが出てきたときに~、こう、アイスの上に花火がパチパチパチーってなってて~
幹夫:メリミー、レイナ
幹夫:で~、そのタイミングで~、店中のお客さんが立ち上がって、結婚おめでとー!
幹夫:そして、そのあと、玲奈を待ち受ける最大のサプライズが!!!!
幹夫:カミングスーン・・・
幹夫:みたいな
玲奈:あー待って、うん、え?うん
玲奈:え、じゃあその、ここにいる人はみんな、幹夫くんが雇った人ってこと?
幹夫:そうだよ?
幹夫:おーいみんなー
0:みんなが一斉に立ち上がって二人のテーブルまで集まってくる
玲奈:うわああああああああああああ!
玲奈:いや!あの!大丈夫です!
玲奈:みなさんその!元の席に座って!
0:わらわらと自分の席に座るエキストラたち
幹夫:な?
玲奈:「な?」じゃねーよ!
幹夫:どうしたんだよ玲奈、おしゃれなレストランなんだから、「しー」だろ?
玲奈:いやいやいやいや
玲奈:むりむりむりむり
玲奈:いいからもうそういうの、え?
幹夫:婚姻届け、いつ出しに行こうか?
玲奈:出さない出さない出さない出さない
幹夫:え?出さないの?
玲奈:え?出さないよ?
幹夫:なんで・・・
玲奈:え、なんでって・・・
幹夫:結婚してくれないの?
玲奈:うん?うん
玲奈:いや、幹夫くん、ちょっとまってね?
玲奈:ちょっと、一個ずつ確認していきたいんだけど
幹夫:うん
玲奈:えっとまず、幹夫くんは、このレストランを、予約してくれたんだよね?
幹夫:うん、玲奈の誕生日だから
玲奈:うん、私の誕生日だから・・・
玲奈:それで、プロポーズをしてくれた、私に・・・
幹夫:うん、玲奈が好きだから
玲奈:私を好きだから・・・
幹夫:うん
玲奈:でー
玲奈:いろいろサプライズをするために、このレストランをー?
幹夫:貸切った
玲奈:貸切ったぁ
玲奈:サプライズのために貸切ったぁ
玲奈:でー
玲奈:貸切ったから、もちろんこのレストランにいるほかのお客さんはー?
幹夫:エキストラ
玲奈:エキストラぁ
玲奈:拍手をするためだけに呼ばれたエキストラぁ
玲奈:でー
玲奈:さらにそこから最大のサプライズがぁー
幹夫:ある
玲奈:あるぅー
玲奈:この時点で相当びっくりしてるのに、さらにここからもうひとWAVE(ウェーブ)あるぅー
玲奈:でぇー
玲奈:そのサプライズがぁ~
幹夫:首都全域消灯
玲奈:首都全域消灯ううううう!
玲奈:でぇー!そこでぇー!
玲奈:幹夫が言う言葉がぁ~!
幹夫:この世界から光が消えても、僕が君の光になるよ
玲奈:・・・おええええええええええええええええええ
幹夫:ちょ、玲奈!?
0:玲奈、声にならない声を漏らしながら苦しむ
幹夫:ちょっと、玲奈、大丈夫か?
幹夫:店員さん!おしぼり一つ!最高級のやつ!
玲奈:良い良い良い良い良い良い
玲奈:普通のやつでいい!
幹夫:えっ
幹夫:じゃ、じゃあ普通のやつ!
玲奈:うんもういいから、ちょっとね、うん、幹夫くん
幹夫:ど、どうしたの?
玲奈:あのーさ、その、え?すごいね
幹夫:すごい?
玲奈:え?そこまでサプライズ用意しておいて、この、これ?指輪?買ったの?
幹夫:うん?うん、まぁ、買ったよ?
玲奈:へぇー、すごいね、高かったでしょー
幹夫:え、いや、それは言わないよ
玲奈:いくらだったの!
幹夫:えっと、それはその・・・
玲奈:うん
幹夫:8百万
玲奈:はっぴゃくまん!!
幹夫:ドル
玲奈:ドル!!!!!!!!!
0:玲奈がぜえぜえする間
幹夫:大丈夫・・・?玲奈?
玲奈:重いよ
幹夫:え?
玲奈:重いよ!
幹夫:お、重い?
玲奈:重いよー!重いよ重いよ重いよー!うわぁーん!重いよー!
幹夫:ちょ、玲奈!?ほかのお客さんもいるんだから!そんなに大声出したら(迷惑がかかるでしょ)
玲奈:(さえぎって)エキストラなんでしょ!
玲奈:お前も!お前もお前もお前も!そこの!お前も!
玲奈:ぜーんいんエキストラなんだぁ~うわ~~~ん!
玲奈:重いよ~~~~!!
幹夫:ちょ、え!そんな泣いて!
幹夫:そっか・・・そんなに喜んでくれたんだ
玲奈:違うよ!!!!
玲奈:喜んでないよ!
玲奈:何?首都全域消灯?聞いてないよー!
玲奈:うわーん!聞いてないよー!
幹夫:ちょ、玲奈、落ち着いて、落ち着いてって
玲奈:うわーん!お前が落ち着けよー!
玲奈:なんだよー!もうなんだよー!
玲奈:で?それらすべての会計を?現金持ってないから?
幹夫:・・・腎臓?
玲奈:うわーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!!!
玲奈:腎臓だよーーーーーーー!会計が腎臓だよー!
玲奈:会計がぁぁぁぁぁぁ腎臓だよぉぉぉぉお!
幹夫:ちょっと玲奈、ほんとどうしたんだよ!
0:しくしくと泣く玲奈
玲奈:・・・ごめんね、ほんと、どうしたんだろうね
玲奈:いや、どうしたっていうか、どうなってるんだろうね
幹夫:玲奈?
玲奈:ごめん、幹夫くん、これ・・・
幹夫:え、玲奈これ・・・
玲奈:うん、返す、これは、受け取れないから
幹夫:ちょ、ちょっと待ってよ、さっき、結婚するって
玲奈:うん、さっきは、うん、結婚してもいいなって思ったけど
玲奈:今は、絶対結婚しちゃだめだなって思ってるから
幹夫:えぇ・・・
玲奈:ほんとに、いろいろ準備してもらって、こんな夜景の見える、素敵な場所に連れてきてもらって
玲奈:それに5年間、二人でいろんな所に行って、いろんな思いで作って
玲奈:本当に幸せだったし、あなたのおかげでいろんなこと経験できた
玲奈:だから、それは、本当に、ありがとう
幹夫:玲奈
玲奈:だけど、今夜のこういうの、ちょっとなんか、正直重いなって思っちゃって
玲奈:だから、ほんとに正直に言うと、引いちゃった
玲奈:だからごめん、その指輪は受け取れないし、プロポーズも受けられない
玲奈:もっというなら、これからの関係も、その・・・なんだろ・・・
玲奈:別れたいって、そう、思った・・・
幹夫:玲奈・・・
玲奈:ごめん・・・
0:間
幹夫:・・・おっけ
玲奈:え?
幹夫:おっけおっけ、ダメだったかー
玲奈:え?うん・・・え?
幹夫:おっけ、ごめんねーなんか、引かせちゃったみたいで
玲奈:えっと、うん
幹夫:そっかそっか、じゃあとりあえず、指輪は返してもらって・・・
玲奈:ああ、ちょっと
幹夫:みんなー!もう演技しなくていいから、かえっていいいぞー!
玲奈:あの、えっと、幹夫くん?
幹夫:(電話をかけて)あーもしもし?えっと、電力供給停止、キャンセルで
玲奈:幹夫くん?
幹夫:え?キャンセル料?いくら?
玲奈:幹夫くん?
幹夫:ごせんちょうおくちょうまんちょうえん!?
幹夫:ちきしょー!
幹夫:ま、全域だもんね、そのくらいかかるかっ
玲奈:幹夫くん?
幹夫:じゃあはい、それ、キャンセルで
玲奈:ちょっと、幹夫くん
幹夫:あ、ウェイターさん!ごめんなさい!腎臓、両方で!
玲奈:ええええ!?ちょっと幹夫くんって!
幹夫:さ、て、と
幹夫:じゃあ、俺らの関係も終わったことだし・・・
幹夫:どうする?カラオケ行く?
玲奈:え、あのさ幹夫くん
幹夫:ん?今度はどうしたの?
玲奈:え?分かれていいの?
幹夫:うん、まぁ、玲奈がその気なら、しょうがないじゃん
玲奈:結婚は・・・?
幹夫:ええ?だって結婚したくないんだろ?無理強いはしないよ
玲奈:じゃあ・・・支払いは?
幹夫:ああ、それは大丈夫
幹夫:腎臓、二つあれば、売ればある程度はなんとかなるだろ
玲奈:あ、あのさ、幹夫くん
幹夫:うん?
玲奈:軽いよ・・・
0:暗転
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