Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

らての台本置き場

プロポーズは突然に【1:1:0】

2023.04.11 14:33

0:夜景の見えるレストラン。落ち着いたジャズがかかる店内で、男女が向き合って食事をしている。

玲奈:なんか、すごいね

幹夫:うん、いいお店だよね

玲奈:今日はありがとうね、こんなお店、予約してくれて

幹夫:どうだった?

玲奈:とっても幸せだった、お料理もおいしかったし、なにせこの・・・

幹夫:うん、すごいよね

玲奈:予約取るの大変だったんじゃない?

幹夫:それはまぁ、秘密ってことで

幹夫:それに、君との特別な日に、普通に家で過ごすのもあんまりだろ?

幹夫:今日は、なーんにも気にせず、二人でゆっくり過ごそうよ

玲奈:幹夫(みきお)くん・・・

幹夫:お誕生日おめでとう、玲奈(れいな)

玲奈:幹夫くん・・・大好き

幹夫:ふふふ、乾杯

玲奈:うん、乾杯

0:二人、ワインを煽る

玲奈:でもさ、なんだか不思議だよね

幹夫:うん?

玲奈:いやさ、幹夫くんと私、まさかこんな風になるなんて

幹夫:またその話?

玲奈:だって、ずーっと思ってるもん

玲奈:最初結構幹夫くんのこと苦手で、なんか、調子乗ってるなーあいつって思ってて

幹夫:うん

玲奈:ゼミ一緒で、うげって思ったもん

幹夫:ひどいなぁ

玲奈:でも、話してみると意外とまじめなやつで

玲奈:へんなところにこだわりがあって

玲奈:正義感強くて

玲奈:けっこう、かっこいいなって

幹夫:あらためて言われると照れるな

玲奈:ふふ

玲奈:それからもう5年

玲奈:あの頃は無限に感じた大学生活も、すぐ終わっちゃって

玲奈:お互い就職して、環境も変わって、それでもまだ付き合えてるって、結構すごいと思うんだよね

幹夫:そうかなぁ?

玲奈:だって、友達の話とか聞くと、結構分かれてるもん

幹夫:そうなの?

玲奈:うん、会社入って、魅力的な人見つけて、学生の恋愛が馬鹿らしくなったーっていうやつ

幹夫:玲奈は?

玲奈:え?

幹夫:玲奈はそういう人いなかったの?

玲奈:ああ、うん、私はそうだなー

玲奈:そりゃまぁ、かっこいいなって人はいるよ?

玲奈:最初はみんな先輩で、当然私より仕事できる人ばっかりだからさ

玲奈:その、尊敬?みたいな感じで、かっこいいなーっていうのは、まぁ、あるね、今でも

幹夫:そうなんだ

玲奈:でも、男としては、無理かなぁ

幹夫:ええ、どうして?

玲奈:うーん、なんだろ

玲奈:なんか、ヒーロー、みたいな?

幹夫:ヒーロー?

玲奈:そうそう、テレビとかでさ、いるじゃん、ヒーロー

幹夫:戦隊ヒーローとかの、ヒーロー?

玲奈:うん、そうそう

玲奈:町がピンチになったときに、どこからともなく表れて、ビルを壊す怪獣を倒してくれる、ヒーロー

幹夫:玲奈の上司が?

玲奈:ああ、うん、あくまで例えだけどさ

玲奈:怪獣に殺されそうになった時に、特殊な力で助けてくれるヒーローはそりゃかっこいいし、素敵だなって思うけど

幹夫:うん

玲奈:そのヒーローと、付き合うかっていうと、まぁ、私はいいかなっていう、そういう

幹夫:あはは、なんだそれ

玲奈:なんだろうね、助けてくれるのは、すごいありがたいし、うれしいんだけど

玲奈:その・・・私も、戦いたいんだよね

幹夫:玲奈も?

玲奈:そうそう、なんか、ヒーローが怪物と必死に戦ってる姿みると、私も一緒に戦いたくなっちゃうんだよね

幹夫:やさしいんだね、玲奈は

玲奈:いやいや、そんなんじゃないよ

幹夫:ってことは、僕は玲奈にとって、ヒーローではないってこと?

玲奈:うーん、そうだね

玲奈:ヒーローっていうより、うーん・・・

玲奈:戦友、みたいな?

幹夫:戦友かぁ(笑)

玲奈:そうそう、戦友

玲奈:だから、今日もすっごいびっくりした

幹夫:そう?

玲奈:そうそう、一緒に戦う戦友だと思ってたのに

玲奈:裏でこんなおしゃれなレストラン予約してくれてたんだもん

幹夫:あはは

玲奈:ふふふ

0:目を合わせていた2人が、一瞬目をそらすくらいの間。

幹夫:それじゃあもう一つ

玲奈:え?

幹夫:君に、誕生日プレゼントがあるんだけど

玲奈:え、プレゼントならもう、こんな素敵なところ連れてきてもらって・・・

幹夫:はい、これ

玲奈:え・・・これって・・・

幹夫:うん・・・

幹夫:えっと、玲奈

幹夫:ちょっとその、遅くなっちゃったかもしれないけど、結婚、してください

玲奈:・・・

幹夫:玲奈?

玲奈:・・・はい

幹夫:・・・ほんと?

玲奈:うん

幹夫:ほんとにほんと?

玲奈:うん、よろしくお願いしますっ

幹夫:やったぁー!!!!!!!

玲奈:ちょ、幹夫くん、しー!

幹夫:あ、ご、ごめん

玲奈:もう、こんなおしゃれな場所で、大声出さないでよ

幹夫:うん、でも、うれしくて

玲奈:ふふふ、ありがとうね、幹夫くん

幹夫:いやいや・・・はぁ、緊張したぁ

玲奈:(左手を出して)はい

幹夫:え?

玲奈:ほら、はい

幹夫:えっと・・・

玲奈:はめてよ、指輪

幹夫:あ、ああ、うん、はい

0:指輪がはめられる

幹夫:はぁぁぁ、よかった、ぴったりだぁ

玲奈:あはは

幹夫:頑張って選んだ甲斐があったよー・・・

玲奈:そういうのは普通言わないんだよー?

幹夫:えっ、そうなの?

玲奈:もー、面白いなぁ幹夫くんは

幹夫:まいったな・・・

玲奈:でも、ありがと・・・ほんとに、うれしい

幹夫:うん、玲奈

玲奈:うん?

幹夫:これからも、よろしくね

玲奈:・・・(幸せそうに)うん

0:二人、微笑みあう。と、そこにウェイターが来る。

幹夫:ああ、ありがとうございます

幹夫:え?ああ、はい、三つ

幹夫:玲奈、デザートだって

玲奈:えーデザートかぁ

幹夫:三種類から選べるんだって、どれにする?

玲奈:幹夫くんは?

幹夫:んー、俺はこの、チョコのやつ

玲奈:うーん・・・じゃあ私もそれ

幹夫:ええ?いいのそれで

玲奈:うん、未来の旦那さんの味覚を、知っておきたいから

幹夫:(照れて)あっ・・・

幹夫:あの、じゃあこの、二人ともこれで、お願いします

玲奈:ふふーん、何照れてんのー?

幹夫:う、うるさいなぁ

幹夫:あーあと店員さん、お会計で

玲奈:あ、幹夫くん、私も(お金だすよ)

幹夫:(さえぎって)あーいいから、ここは僕に奢らせてよ

玲奈:ええ、でも

幹夫:いいから

幹夫:最後くらいは奢らせてよ

玲奈:えっ?最後って?

幹夫:永井玲奈に奢れるのは、今夜が最後だからさ

玲奈:幹夫くん・・・うん、わかった、じゃあ、お願いします

幹夫:はい、お願いされます

0:少しの間

幹夫:はい、それじゃあ、二人分で

幹夫:ああいや、現金じゃなくて、腎臓で

幹夫:はい、はい、そうです、はい

幹夫:それじゃ、そんな感じで、お願いします

0:少しの間

幹夫:でも、ほんとによかった

幹夫:やっぱり5年も付き合ってても、プロポーズとなると緊張するよなぁ

幹夫:いやでも、逆かもね

幹夫:長いからこそ、いつするか、みたいなね

幹夫:でも、今日は玲奈の誕生日だからさ

幹夫:誕生日と、僕らの門出

幹夫:一緒に祝えたら、とっても素敵だなと思って・・・

幹夫:だから玲奈、これからいっぱい一緒に時間を過ごして

幹夫:つらいことも、一緒に乗り越えて

幹夫:二人で一緒に、幸せに・・・

玲奈:待って

0:間

幹夫:ん?

玲奈:え?

幹夫:ど、どうしたの?

玲奈:え、えっと、え?

幹夫:なに?どうしたの?

玲奈:あの、その、えっと、幹夫くん?

幹夫:うん?

玲奈:・・・腎臓?

幹夫:え?

玲奈:いやあの、え?腎臓?

幹夫:腎臓?

玲奈:うん、腎臓

玲奈:腎臓って言ってなかった?

幹夫:いつ

玲奈:え?

玲奈:いや、その

玲奈:お会計の時に「カードで」みたいなノリで、「腎臓で」って

幹夫:腎臓・・・

玲奈:うん、腎臓、言ってたよ、腎臓って

幹夫:・・・あー!

幹夫:腎臓ね!

玲奈:うん、言ってたよ、腎臓って

幹夫:うん

玲奈:腎臓なの?

幹夫:うん

玲奈:うん

幹夫:・・・うん?

玲奈:え、何が?

幹夫:何がって、ここのお会計?

玲奈:え?お会計?

幹夫:うん

玲奈:ここのお会計が、腎臓なの?

幹夫:そうだよ

0:間

玲奈:なんで?

幹夫:え・・・なんでって、なにが?

玲奈:いやいやいやいや、え?どういうこと?

幹夫:どうしたんだよ玲奈

玲奈:いや、どうしたんだよもこうしたんだよも、え?腎臓でお会計をするの?

幹夫:そうだよ?腎臓でお会計をするの

玲奈:・・・なんで?

幹夫:なんでってそりゃあ・・・手持ちがないから?

玲奈:手持ちって、お金のこと?

幹夫:うん

玲奈:え、お金ないの?

幹夫:うん

玲奈:・・・なんで?

幹夫:なんでって・・・そりゃあ、このレストラン貸切って、セッティングとか、プロポーズの準備とか

玲奈:え?

幹夫:ん?

玲奈:え、まって

玲奈:このレストラン貸切ったの

幹夫:うん

玲奈:え?このレストラン貸切ったの?

幹夫:だからそうだって

玲奈:え、じゃあなに、いまこれ、この、ここの、この状態、これ、貸切ってるの?

幹夫:うん、貸切ってるよ

玲奈:え・・・でも、え?お客さんいるけど

幹夫:エキストラだよ

玲奈:ん?

幹夫:エキストラ、君が、結婚OKして~、ドルチェが出てきたときに~、こう、アイスの上に花火がパチパチパチーってなってて~

幹夫:メリミー、レイナ

幹夫:で~、そのタイミングで~、店中のお客さんが立ち上がって、結婚おめでとー!

幹夫:そして、そのあと、玲奈を待ち受ける最大のサプライズが!!!!

幹夫:カミングスーン・・・

幹夫:みたいな

玲奈:あー待って、うん、え?うん

玲奈:え、じゃあその、ここにいる人はみんな、幹夫くんが雇った人ってこと?

幹夫:そうだよ?

幹夫:おーいみんなー

0:みんなが一斉に立ち上がって二人のテーブルまで集まってくる

玲奈:うわああああああああああああ!

玲奈:いや!あの!大丈夫です!

玲奈:みなさんその!元の席に座って!

0:わらわらと自分の席に座るエキストラたち

幹夫:な?

玲奈:「な?」じゃねーよ!

幹夫:どうしたんだよ玲奈、おしゃれなレストランなんだから、「しー」だろ?

玲奈:いやいやいやいや

玲奈:むりむりむりむり

玲奈:いいからもうそういうの、え?

幹夫:婚姻届け、いつ出しに行こうか?

玲奈:出さない出さない出さない出さない

幹夫:え?出さないの?

玲奈:え?出さないよ?

幹夫:なんで・・・

玲奈:え、なんでって・・・

幹夫:結婚してくれないの?

玲奈:うん?うん

玲奈:いや、幹夫くん、ちょっとまってね?

玲奈:ちょっと、一個ずつ確認していきたいんだけど

幹夫:うん

玲奈:えっとまず、幹夫くんは、このレストランを、予約してくれたんだよね?

幹夫:うん、玲奈の誕生日だから

玲奈:うん、私の誕生日だから・・・

玲奈:それで、プロポーズをしてくれた、私に・・・

幹夫:うん、玲奈が好きだから

玲奈:私を好きだから・・・

幹夫:うん

玲奈:でー

玲奈:いろいろサプライズをするために、このレストランをー?

幹夫:貸切った

玲奈:貸切ったぁ

玲奈:サプライズのために貸切ったぁ

玲奈:でー

玲奈:貸切ったから、もちろんこのレストランにいるほかのお客さんはー?

幹夫:エキストラ

玲奈:エキストラぁ

玲奈:拍手をするためだけに呼ばれたエキストラぁ

玲奈:でー

玲奈:さらにそこから最大のサプライズがぁー

幹夫:ある

玲奈:あるぅー

玲奈:この時点で相当びっくりしてるのに、さらにここからもうひとWAVE(ウェーブ)あるぅー

玲奈:でぇー

玲奈:そのサプライズがぁ~

幹夫:首都全域消灯

玲奈:首都全域消灯ううううう!

玲奈:でぇー!そこでぇー!

玲奈:幹夫が言う言葉がぁ~!

幹夫:この世界から光が消えても、僕が君の光になるよ

玲奈:・・・おええええええええええええええええええ

幹夫:ちょ、玲奈!?

0:玲奈、声にならない声を漏らしながら苦しむ

幹夫:ちょっと、玲奈、大丈夫か?

幹夫:店員さん!おしぼり一つ!最高級のやつ!

玲奈:良い良い良い良い良い良い

玲奈:普通のやつでいい!

幹夫:えっ

幹夫:じゃ、じゃあ普通のやつ!

玲奈:うんもういいから、ちょっとね、うん、幹夫くん

幹夫:ど、どうしたの?

玲奈:あのーさ、その、え?すごいね

幹夫:すごい?

玲奈:え?そこまでサプライズ用意しておいて、この、これ?指輪?買ったの?

幹夫:うん?うん、まぁ、買ったよ?

玲奈:へぇー、すごいね、高かったでしょー

幹夫:え、いや、それは言わないよ

玲奈:いくらだったの!

幹夫:えっと、それはその・・・

玲奈:うん

幹夫:8百万

玲奈:はっぴゃくまん!!

幹夫:ドル

玲奈:ドル!!!!!!!!!

0:玲奈がぜえぜえする間

幹夫:大丈夫・・・?玲奈?

玲奈:重いよ

幹夫:え?

玲奈:重いよ!

幹夫:お、重い?

玲奈:重いよー!重いよ重いよ重いよー!うわぁーん!重いよー!

幹夫:ちょ、玲奈!?ほかのお客さんもいるんだから!そんなに大声出したら(迷惑がかかるでしょ)

玲奈:(さえぎって)エキストラなんでしょ!

玲奈:お前も!お前もお前もお前も!そこの!お前も!

玲奈:ぜーんいんエキストラなんだぁ~うわ~~~ん!

玲奈:重いよ~~~~!!

幹夫:ちょ、え!そんな泣いて!

幹夫:そっか・・・そんなに喜んでくれたんだ

玲奈:違うよ!!!!

玲奈:喜んでないよ!

玲奈:何?首都全域消灯?聞いてないよー!

玲奈:うわーん!聞いてないよー!

幹夫:ちょ、玲奈、落ち着いて、落ち着いてって

玲奈:うわーん!お前が落ち着けよー!

玲奈:なんだよー!もうなんだよー!

玲奈:で?それらすべての会計を?現金持ってないから?

幹夫:・・・腎臓?

玲奈:うわーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!!!

玲奈:腎臓だよーーーーーーー!会計が腎臓だよー!

玲奈:会計がぁぁぁぁぁぁ腎臓だよぉぉぉぉお!

幹夫:ちょっと玲奈、ほんとどうしたんだよ!

0:しくしくと泣く玲奈

玲奈:・・・ごめんね、ほんと、どうしたんだろうね

玲奈:いや、どうしたっていうか、どうなってるんだろうね

幹夫:玲奈?

玲奈:ごめん、幹夫くん、これ・・・

幹夫:え、玲奈これ・・・

玲奈:うん、返す、これは、受け取れないから

幹夫:ちょ、ちょっと待ってよ、さっき、結婚するって

玲奈:うん、さっきは、うん、結婚してもいいなって思ったけど

玲奈:今は、絶対結婚しちゃだめだなって思ってるから

幹夫:えぇ・・・

玲奈:ほんとに、いろいろ準備してもらって、こんな夜景の見える、素敵な場所に連れてきてもらって

玲奈:それに5年間、二人でいろんな所に行って、いろんな思いで作って

玲奈:本当に幸せだったし、あなたのおかげでいろんなこと経験できた

玲奈:だから、それは、本当に、ありがとう

幹夫:玲奈

玲奈:だけど、今夜のこういうの、ちょっとなんか、正直重いなって思っちゃって

玲奈:だから、ほんとに正直に言うと、引いちゃった

玲奈:だからごめん、その指輪は受け取れないし、プロポーズも受けられない

玲奈:もっというなら、これからの関係も、その・・・なんだろ・・・

玲奈:別れたいって、そう、思った・・・

幹夫:玲奈・・・

玲奈:ごめん・・・

0:間

幹夫:・・・おっけ

玲奈:え?

幹夫:おっけおっけ、ダメだったかー

玲奈:え?うん・・・え?

幹夫:おっけ、ごめんねーなんか、引かせちゃったみたいで

玲奈:えっと、うん

幹夫:そっかそっか、じゃあとりあえず、指輪は返してもらって・・・

玲奈:ああ、ちょっと

幹夫:みんなー!もう演技しなくていいから、かえっていいいぞー!

玲奈:あの、えっと、幹夫くん?

幹夫:(電話をかけて)あーもしもし?えっと、電力供給停止、キャンセルで

玲奈:幹夫くん?

幹夫:え?キャンセル料?いくら?

玲奈:幹夫くん?

幹夫:ごせんちょうおくちょうまんちょうえん!?

幹夫:ちきしょー!

幹夫:ま、全域だもんね、そのくらいかかるかっ

玲奈:幹夫くん?

幹夫:じゃあはい、それ、キャンセルで

玲奈:ちょっと、幹夫くん

幹夫:あ、ウェイターさん!ごめんなさい!腎臓、両方で!

玲奈:ええええ!?ちょっと幹夫くんって!

幹夫:さ、て、と

幹夫:じゃあ、俺らの関係も終わったことだし・・・

幹夫:どうする?カラオケ行く?

玲奈:え、あのさ幹夫くん

幹夫:ん?今度はどうしたの?

玲奈:え?分かれていいの?

幹夫:うん、まぁ、玲奈がその気なら、しょうがないじゃん

玲奈:結婚は・・・?

幹夫:ええ?だって結婚したくないんだろ?無理強いはしないよ

玲奈:じゃあ・・・支払いは?

幹夫:ああ、それは大丈夫

幹夫:腎臓、二つあれば、売ればある程度はなんとかなるだろ

玲奈:あ、あのさ、幹夫くん

幹夫:うん?

玲奈:軽いよ・・・

0:暗転