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光の世界の革職人 摩弥

東寺にて。

2023.04.13 23:08

去年の9月に奈良の法隆寺で開催された芸術祭に出展をした後『暫くは芸術祭への参加はやめよう』と考えておりました。




芸術祭に出展する作品を彫り上げるには

数ヶ月という長い期間とそれに伴う集中力が必要なので私の気持ちが乗らないと彫り上げる事が出来ないのです。



しかもそんな芸術祭に出展する時というのは気力体力がギリギリの所で長期間向き合ってる状態なのに、更に他者から歓迎されない事を言われると気が滅入ってしまって集中出来なくなるのです。



なので暫くは芸術祭への参加をやめようと思っていたのですが今年に入ってチラホラ芸術祭の事が私の頭をよぎっておりまして「もしや、また芸術祭へのお声掛けがくるのか?」なんて思っておりましたら、案の定数日前に一本の電話がありました。




今回は京都の東寺にて。

法隆寺の時は民間による企画開催というのは初めての試みだったそうなんですが東寺でも民間初だそうです。




芸術祭参加はいつもお声掛けくださる時に私の中にイメージが降りてくるかどうかで引き受けるか判断するので、実は法隆寺の後にお声掛け頂いたものはお断りしていたものがありましたが

今回電話を切った直後に直ぐにイメージが降りてきてしまいまして…。



だけど今は本当に時間がない。

日々分刻みで動いてるスケジュールの中で

更に制作の為の時間が取れるのか?…。

ここが大きな問題として迷う所でしたが

"時間"があるのかないのかって自分次第ですよね。

「無理だ」と思えばどんなに時間があっても無理なんでしょうが「時間は作るもの」という考えが基軸にあればなんとかなるもの。



そしで私は後者なので『なんとかなるだろ』と既に一昨日から制作に着手しました。





芸術祭は今年の9月。

1日でカービングに費やせる時間はたかが知れてるので今からスタートしないと間に合わない。



そんなこんなでカーバーとして(革でカービングを彫る職人の事)暫くの間は草鞋がまた1つ増えました。




毎度の事ですが

数ヶ月限界ギリギリで動いて完成した後の虚無感というか達成感というか満足感というか

色んな感情が入り混じる感覚に襲われるのですが挑戦した後は全く後悔なく、自分の成長を感じるのです。




誰の為でもなく、

自分の為の【挑戦】。



今年もまた数ヶ月そんな生活を送っていきます。