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超人ザオタル(103)幸せの概念

2023.04.15 00:59

シュマは少し困惑気味の顔で言った。

「自分を知ることは大切なことだと思いますが、

幸せになることとはまた別次元の話だと思っていました。

自分を知ることはもっと高尚なことなのだと。


幸せになることは現世的で、

何というか、俗な感じがします。

もちろん、私さえその俗なことを求めていて、

幸せにならないことに苛立ってもいます。


その苛立ちを探究という高尚なものに向けることで、

自分自身に収まりをつけようとしている。

しかし、それが幸せにつながっているとは思いもつきませんでした。

それでは、何というか、自分を知ることさえも俗なことになってしまう気がします」


なるほど、そう考えるのはもっともなことだ。

私は話を続けた。

「それでは、最高の幸せとは何でしょうか。

裕福であること、壮健であること、

充実した日々の仕事、気立ての良い伴侶がいる、


そして尊敬され、人々の注目を集め支配すること。

そういった自分の周りの状況を最高に高めることでしょうか。

それは先程も話したように世界のことであり変化するもの。

つまり、それらは常に完全にはならない状況にあります。


もし変化することなく、満たされているのなら、

それは何であれ完全な幸せといえるのではないでしょうか。

それは自分自身の中にあり、まさにそれが自分なのです。

それは世界という環境に左右されることなく、独立して存在している。


自分の中に真の自分を見つけて、

それが自分なのだと理解する。

決して変化することなく、満たされている自分になる。

これが完全な幸せなのではないでしょうか。


真の自分は変化することができず、

満たされないということができない本性を持っています。

そこには幸せを失うかもしれないという恐れさえありません。

さらには、真の自分には幸せという概念すらありません。


それ以外になりようがないのですから、

それをあえて幸せという必要もないのです。

人は幸せを求めています。

それを実現するためには真の自分を見つけることです。


それを見つけて、それ自身になったとき完全な幸せになります。

しかし、そこには幸せになったという感慨はありません。

真の自分には幸せしかありえず、よって幸せという概念がないからです。

この幸せは俗なことといえるでしょうか、シュマ殿」