長文です。なぜ僕が脳の働きにこだわるのか?
なぜ僕が脳の働きにこだわるのか?
これを書こうか、とても迷ったのですが。
20歳からトレーナーの仕事をする中で、さまざまなシチュエーション、あらゆるタイプ、目的のお客様と向き合ってきました。
さらに千回以上のセミナー、研修講師としてトレーナー教育も担当しました。
命懸けの勝負をする選手とともに指導者として何度も戦いました。
でも・・・
正直に言います。
いつも何かが違う、そう思っていました。
どんなに結果が良くても、最高ではない。
最高になったとしてもそれを続けられない。
薄々その原因には気付いていました。
僕は人の心と向き合っていない。
僕は人の心がわからなくなることがある。
いや、僕は僕の脳内で起こっていることが理解できず制御できなくなる。
何かが違う。
自分の脳と心の何かが・・・
でもフィジカルに関する「スキル」を追求することを徹底すれば、ある程度高いレベルの仕事をすることができたのです。
だからひたすらに体と動きについて調べ、学び、実践しました。
もちろんそのための「脳科学」「心理学」の研究も同時に進めてきたのです。
TRX創始者のランディが自ら考えた「キャッチコピー」があります。
”Make Your Body Your Machine”
「あなたの体をあなたの高性能マシンに変えるようなトレーニング」という意味だと僕は勝手に解釈しました。
15年前に初めてこれを聞いた時、心が震えました。
そう、感情を無くしマシンのように鍛え上げれば、目標を達成できる。
その頃の僕にとって、それは自分の持つ欠点を正当化してくれる神の啓示のようでした。
もちろんそれは僕の勝手な解釈なのですが。
だけどどんなに鍛えても、理論を学んでも、本当に感情のないマシンになりきることはできません。
だってランディのその言葉を聞いて、僕は強い感情に突き動かされ、情熱を持ったからこそ突っ走ったのですから。
そこにはすでに大きな矛盾があったのです。
「体」と「動き」について追求すればするほど、結局その機能を最高にするなら「脳」と「心」に行き着くのです。
そんなことは子供の頃から武術を通してわかっていたし、科学的にも追求していたのに、僕にとっての「脳科学」や「心理学」は全てマシンのような完璧さを求める手段としか捉えていなかった。
真の意味で自分の心にも人の心にも向き合ってこなかったのです。
だけどいつの日か、そんな終わりのない迷宮を彷徨うのをやめました。
そうやって脳と心に向き合うことから逃げていたら、人生の最後の瞬間にきっと後悔する。
そう思ったから。
そこから脳と心に対する徹底的な再研究を始めました。
マインドフルネス瞑想や行動認知療法を取り入れることで、自分の体の古傷の慢性的な痛みをコントロールする術も知りました。
徐々に自分の心に対する向き合い方が変わり、それにつれてクライアントも含めた人との関わり合い方も変わりました。
そうすることでクライアントの目標達成の成果も確実に変化したことを実感しました。
僕が単なる手段だと思っていた「脳科学」や「心理学」が肉体や運動と結びつき、だからこそクライアントにとって最高の結果を継続的にもたらすことができることをやっと実現できるようになったのです。
でもそこに至るまでに数十年の時間が必要でした。